ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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代理戦争編

間隙

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出前の品を受け取るために、多村のボディガードは、覗き穴から、それが配達員であるという事を確かめてからドアを開けた。

だが、そこに立っていたのは配達員ではなかった。


玄関において一瞬の間が出来た事で、奥にいる多村は、その様子を窺い知れないながらも、いつもと何かが違うと察知し、側にいたボディガードに目配せをした。


(このタイミングで来やがったか)

多村は亮輔の襲撃だと確信した。


ボディガードが銃を構える中、自身のいる部屋のドアがゆっくり開いた。

ドアを開けて入ってきたのは注文した寿司を取りに行ったもう一人のボディーガードだった。
背中に銃を突きつけられながら…

ここまでは、多村にとって全て想定済みだった。

だが…


「お前っ!」


強行突入してきたのは亮輔ではなく、多喜だった。

肩の傷のためか、左腕は三角巾で吊るされており、右手で銃を持っている。


「多喜、すっかり元気になってんじゃねえか。

てっきり亮輔がここに来るもんだと思ってたけどな。」


「亮輔の事は知りません。

俺は自分の意思でここに来ました。」


「俺を殺すためにか?」


「この馬鹿げた抗争を止めるため、そして俺の一番大切な人を守るためです。」


「あー、あのニューハーフか。

大西が逃したって教えてやったじゃねえかよ。
もう俺の手駒じゃねえよ。
廃人にしちまったからなあ」


「廃人…」


多村の言葉に多喜の顔つきがサッと変わった。

まだ再会出来ていない薫の事を思わなかった時はない。
だが、先ずは自らも加担してしまったこの抗争を止める事が先決なのだ。


「おい、多喜

この状況でどうしようってんだ?」


「…」


「その銃を向けて俺を殺すか?」


「俺の話を聞き入れていただけない場合は、それも辞さないということです…」


「ほう、だが、お前にも銃口が向けられているんだぜ。
俺を撃った瞬間に、お前も撃たれて死ぬ。
これは明白だよな?

それでもやるか?」


「その覚悟がなければ、ここまで来てません…」


「いや、お前は撃てねえよ。」


「…」


「お前は死ぬことなんて恐れる男じゃねえ。
他人のために命を投げ出せる、そんな男だよ。

俺はお前のそういう部分を高く買ってるんだぜ。

お前は撃てない

それはお前という人間が優しいからだ。

だから、撃てねえって言ってんだ。

ホラっ、撃ってみろよ。」

多村はソファに腰掛けたまま、落ち着いた口調で多喜に言い放った。


多喜は銃口をゆっくりと多村に向けた
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