ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

文字の大きさ
188 / 409
代理戦争編

Turn yourself in

しおりを挟む
失神してグッタリとする多村の傍で、亮輔はまた椅子に座り、タバコを燻らしていた。


「亮輔!」

部屋の中に入ってきたのは多喜と大西だった。


亮輔は顔を上げて二人を見ると

「終わったよ、全部…」

と、呟くように言った。


「で、オヤジをどうする?」


「これから警察に連絡し、オヤジをこのままの状態で引き渡します。」


「えっ、女になったまま?」


「ええ、こんな状態で刑務所に入ったら、他の服役囚からいじめられるに決まってますから。
少しは反省してくれるでしょう。」

亮輔は笑いながら言った。


「俺は鷹村さんと沢木の連中に連絡を取って、顛末を伝えるよ。」

大西はリンチを受けて腫れ上がった顔を摩りながら言った。


「さて、警察が来る前に退散しましょうか。」

亮輔はそう言って立ち上がると、多喜と大西も深く頷いた。


「亮輔、アニキ…」

多喜が二人を呼び止めた。


「どうしたんだ?」

大西が振り返ると

「すいません。

俺、今から薫が入院している病院に行ってきます。」

多喜は申し訳なさげに言った。

「多喜はあれから一度も薫さんに会ってなかったな。
早く行ってやれよ」

大西は多喜の肩に手を置いて言った。


「亮輔」

多喜は続いて亮輔に声をかけた。


「どうしたんだ、多喜?」


「薫の顔を見た後、警察に自首するわ」


「自首?」


「ああ。

俺は白昼堂々と街のど真ん中で銃撃戦をして、沢木組の者に怪我をさせた。

これは紛れもない事実だし、許させるものではない。」


「ちょっと待てよ。

それはオヤジに脅されてやった事だし、沢木の連中もその事は十分に理解してくれてるよ。」


亮輔は慌てて翻意させようとしたが、多喜は頑なだった。

「いや、いくらなんでもこのまま逃げるわけにはいかない。

オヤジ無き後、組がどうなるかはわかんねえが、後顧の憂いを残しちゃいけない

組も俺も次に進めなくなっちまうから…」


多喜はそう言うと、二人に一礼して部屋を出ていった。


大西が

「まったく、生真面目な野郎だな」

と、呆れたような笑みを浮かべながら言うと


亮輔も

「一度言い出したら聞くヤツじゃありませんから」

と、言って片眉を上げ、ため息をついた。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

秘密のキス

廣瀬純七
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

BODY SWAP

廣瀬純七
大衆娯楽
ある日突然に体が入れ替わった純と拓也の話

処理中です...