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road to lord
family history
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元旦ということもあり、両親による未来への説教は引き続き行われる事はなかった。
何故なら、親戚が続々と家にやってきたからだ。
毎年正月は孝通の兄弟達が集まり、この地域特有とも言えるすき焼きを食べるという恒例行事があった。
孝通は四人兄弟の長男で、実家で母と妻の麻美と三人で暮らしている。
すぐ下の妹、美奈子は結婚して鈴鹿市に住んでおり、高校生の女の子と中学生の男の子がいる。
上の弟である謙二も結婚して桑名に住んでおり、小学生の男の子がいる。
一番下の涼太は今年三十八になるが、まだ独身で愛知県岡崎市の自動車メーカーで働いており、唯一三重県外に住んでいる。
正月だけは、孝通達の家に皆が集まるのが恒例となっているのだ。
そして、今年は未来のニューハーフへの転身が皆の話題を独占し、注目の的となってしまった。
だが、孝通と麻美のような拒絶反応を見せる者は誰もおらず、一様に肯定的な意見ばかりだった。
特に彼らの子供達は今の時代、多様性を反映してか、さらにウェルカムな雰囲気があった。
孝通の兄弟の中でも、一番下の涼太は特にそんな考えが全面に出ており、未来に優しく声をかけた。
「いやあ、未来ちゃん
めっちゃキレイになっちゃって
俺、一瞬誰かなって思ったよ。」
涼太にそう声をかけられ、気まずそうな笑みを浮かべて小さく会釈する未来に、孝通は
「おい、涼太
お前他人事だからって適当な事を言うなよ。」
と、窘めた。
「いやいや、兄貴も義姉さんも考えが古いよ。
本人の生き方を親が無理矢理変えさせるなんて。」
「いやいや、お前が俺の立場だったとして、それでも今のような考えでいられるか?」
「仮定の話をされてもなかなか答えにくいけど、俺が未来ちゃんの父親だったら素直に認めるよ。
だって男であろうが女になろうが、自分の子供には変わりないんだから。」
涼太はハッキリと言い切った。
「さすがは涼太よね。
なんで結婚できないのかしら」
母の一美はそう言って笑った。
「まあ、それとこれとは別の話で…
ところで未来ちゃん、体はどうなってんの?
もう手術とかしてんの?」
「あ、手術は睾丸取るのはしたけど、他はしてないよ。
あと、女性ホルモンの注射は定期的に打ってる。」
「あー、それで胸が膨らんでんだ。
体つきも変わるんやね」
「うん」
元々喋りやすい関係だった涼太と未来は、会話を続けた。
何故なら、親戚が続々と家にやってきたからだ。
毎年正月は孝通の兄弟達が集まり、この地域特有とも言えるすき焼きを食べるという恒例行事があった。
孝通は四人兄弟の長男で、実家で母と妻の麻美と三人で暮らしている。
すぐ下の妹、美奈子は結婚して鈴鹿市に住んでおり、高校生の女の子と中学生の男の子がいる。
上の弟である謙二も結婚して桑名に住んでおり、小学生の男の子がいる。
一番下の涼太は今年三十八になるが、まだ独身で愛知県岡崎市の自動車メーカーで働いており、唯一三重県外に住んでいる。
正月だけは、孝通達の家に皆が集まるのが恒例となっているのだ。
そして、今年は未来のニューハーフへの転身が皆の話題を独占し、注目の的となってしまった。
だが、孝通と麻美のような拒絶反応を見せる者は誰もおらず、一様に肯定的な意見ばかりだった。
特に彼らの子供達は今の時代、多様性を反映してか、さらにウェルカムな雰囲気があった。
孝通の兄弟の中でも、一番下の涼太は特にそんな考えが全面に出ており、未来に優しく声をかけた。
「いやあ、未来ちゃん
めっちゃキレイになっちゃって
俺、一瞬誰かなって思ったよ。」
涼太にそう声をかけられ、気まずそうな笑みを浮かべて小さく会釈する未来に、孝通は
「おい、涼太
お前他人事だからって適当な事を言うなよ。」
と、窘めた。
「いやいや、兄貴も義姉さんも考えが古いよ。
本人の生き方を親が無理矢理変えさせるなんて。」
「いやいや、お前が俺の立場だったとして、それでも今のような考えでいられるか?」
「仮定の話をされてもなかなか答えにくいけど、俺が未来ちゃんの父親だったら素直に認めるよ。
だって男であろうが女になろうが、自分の子供には変わりないんだから。」
涼太はハッキリと言い切った。
「さすがは涼太よね。
なんで結婚できないのかしら」
母の一美はそう言って笑った。
「まあ、それとこれとは別の話で…
ところで未来ちゃん、体はどうなってんの?
もう手術とかしてんの?」
「あ、手術は睾丸取るのはしたけど、他はしてないよ。
あと、女性ホルモンの注射は定期的に打ってる。」
「あー、それで胸が膨らんでんだ。
体つきも変わるんやね」
「うん」
元々喋りやすい関係だった涼太と未来は、会話を続けた。
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