ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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road to lord

理解者

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部屋をノックし入ってきたのは、祖母の一美だった。

「あ、おばあちゃん」

未来は自分の姿を見られ、どういうリアクションを取っていいかわからず、顔を真っ赤にして俯いた。


「未来ちゃん、おかえり

きのうは遅かったんやね。
おばあちゃん、寝てしもうたわ」

一美は、そう言って笑った。

「あの、おばあちゃん…」

第一声で、自分の変わり果てた容姿に言及しなかった事に、また焦りを感じ、未来は何かを言いかけたが、一美は笑みを浮かべたまま


「ちょっと見ない間に、キレイになって

おばあちゃんビックリしたわ」

と、言って笑った。



「おばあちゃん、ごめんなさい…
ワタシ…こんな風になっちやって。」


未来は申し訳なさげに言ったが


「何を言うてんのよ。

よう似合ってて可愛いよ」

と、一美は未来の肩に手を置き、また笑った。


「おばあちゃん…」


未来はもう我慢出来なかった。

今の自分を肯定してくれる祖母に対し、感謝すると共に大号泣してしまった。


しなだれかかって泣く未来の背中を、一美は優しく手で摩った。


「本当に美人やねえ

芸能人になれるんとちゃう?」


少し、落ち着いてきて、泣き止んだ未来に
一美は言った。


「何言うてんのよ
そんなんなれるわけないやないの」

未来にようやく笑みがこぼれた。


「未来ちゃん

朝ごはん出来てるみたいよ。
下に行って食べよ」

一美が言うと、未来は忽ち表情を暗くして

「でも…」

と、言って躊躇した。

だが、一美は

「大丈夫よ。
孝通が何か言ったらおばあちゃんが言うてあげるから。」

と、言って意に介そうとしなかった。


そこまで言われると、未来も開き直り、一美に連れられて下に降りていった。


「おはよう、麻美さん

未来ちゃんにご飯出したげて」

一美はごくフツーの言い方で麻美に言った。

麻美は一瞬、キョトンとした表情となったが、姑に逆らう事も出来ず、素直に頷き、キッチンに消えた。

既に孝通がテーブルを陣取って正月番組を見ており、未来に気付いているに違いないのに、一切視線を合わせなかった。

未来にとって、この空間はまさに針の筵だったが、祖母の存在だけが、何とかここに留まれる唯一の理由だった。


「未来、お雑煮食べるでしょ?」

母がキッチンの奥から言うと

「えっ、あっ、はい」

と、未来は慌てて返事をした。

女になった事を許してくれてはいないが、無視はしない母の自分に手向けられた優しさに、未来は気持ちが絆されてしまった。
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