334 / 409
懐柔編
披露宴
ついに優磨と未来の結婚式当日となった。
暴力団排除の姿勢を見せるホテルがほとんどの中、大阪市内で唯一、ヒューイックホテルだけが式場として使用する事を認めてくれたのだった。
このホテルは、一時経営難に陥ったが、そのときに懇意にしていた垂水組の先代が融資をして不況期に持ち堪えさせたという事実があり、その事を今も経営陣が感謝している事から実現したのだ。
勿論、優磨もちゃんとした会社を経営している事となっており、ホテル側も暴対法にも抵触しないという認識でいたし、警察からも問題なしという回答を得ていた。
既に出席者達はホテルに到着し、控え室で披露宴が始まるのを待っていた。
「多喜、こっちだ!」
大西が、多喜と薫を見つけ、手を上げて声をかけた。
「あ、ご無沙汰してます。」
久しぶりの正装で、妙に似合っていない多喜と、紺色のレースドレスを着た薫が歩み寄り、二人して頭を下げた。
「いやあ、相変わらずお美しいね、薫さんは。」
「いえ、そんな事ないです。」
薫は恥ずかしそうに顔を赤らめ、首を横に振った。
「なあ?亮輔。」
大西が後ろから来た亮輔に振り向きながら聞くと
「うん。
めちゃくちゃ美人」
と、笑いながら答えた。
亮輔は現在、抗争に備え、男性に戻っている最中なので、大西と同じく、男性の姿であった。
「亮輔、お前が男の姿になってんの、久しぶりに見た気がするよ。」
多喜が言うと、亮輔は頷き
「ああ。
ストレス感じながら生きてるよ」
と、ため息をつきながら言った。
四人で談笑する中、エレベーターが開き、また知っている顔が出てきた。
「あっ、アニキ…
いや、薫さん…」
赤石功太とその恋人のユウだった。
「功太、ユウちゃん
こんにちは」
薫はニコッと笑い挨拶をした。
「薫さん、そのドレス素敵です!」
ユウは薫を見るなり、そのコーディネートを褒め称えた。
「ユウちゃんだってステキじゃない!
ワタシはもう年だからそんな大胆なドレスら着られないもの。」
胸開きの真っ赤なドレスでやって来たユウの姿に、少し驚きながら言った。
「今日は、未来ちゃん側での出席だし、恥かかせられないですから。
でも、気合い入れすぎました。」
ユウは声を出して笑った。
「俺たちも新婦側なんだよ。」
大西がそう言うと、多喜夫妻も頷いた。
大西、亮輔、功太はともかく、薫もユウも未来の大切な友人であり、新婦側で出席するのは当然の事であった。
このような日を迎える事が出来、本当によかったと、薫は出席者の面々を見つめながら、感慨に耽っていた。
暴力団排除の姿勢を見せるホテルがほとんどの中、大阪市内で唯一、ヒューイックホテルだけが式場として使用する事を認めてくれたのだった。
このホテルは、一時経営難に陥ったが、そのときに懇意にしていた垂水組の先代が融資をして不況期に持ち堪えさせたという事実があり、その事を今も経営陣が感謝している事から実現したのだ。
勿論、優磨もちゃんとした会社を経営している事となっており、ホテル側も暴対法にも抵触しないという認識でいたし、警察からも問題なしという回答を得ていた。
既に出席者達はホテルに到着し、控え室で披露宴が始まるのを待っていた。
「多喜、こっちだ!」
大西が、多喜と薫を見つけ、手を上げて声をかけた。
「あ、ご無沙汰してます。」
久しぶりの正装で、妙に似合っていない多喜と、紺色のレースドレスを着た薫が歩み寄り、二人して頭を下げた。
「いやあ、相変わらずお美しいね、薫さんは。」
「いえ、そんな事ないです。」
薫は恥ずかしそうに顔を赤らめ、首を横に振った。
「なあ?亮輔。」
大西が後ろから来た亮輔に振り向きながら聞くと
「うん。
めちゃくちゃ美人」
と、笑いながら答えた。
亮輔は現在、抗争に備え、男性に戻っている最中なので、大西と同じく、男性の姿であった。
「亮輔、お前が男の姿になってんの、久しぶりに見た気がするよ。」
多喜が言うと、亮輔は頷き
「ああ。
ストレス感じながら生きてるよ」
と、ため息をつきながら言った。
四人で談笑する中、エレベーターが開き、また知っている顔が出てきた。
「あっ、アニキ…
いや、薫さん…」
赤石功太とその恋人のユウだった。
「功太、ユウちゃん
こんにちは」
薫はニコッと笑い挨拶をした。
「薫さん、そのドレス素敵です!」
ユウは薫を見るなり、そのコーディネートを褒め称えた。
「ユウちゃんだってステキじゃない!
ワタシはもう年だからそんな大胆なドレスら着られないもの。」
胸開きの真っ赤なドレスでやって来たユウの姿に、少し驚きながら言った。
「今日は、未来ちゃん側での出席だし、恥かかせられないですから。
でも、気合い入れすぎました。」
ユウは声を出して笑った。
「俺たちも新婦側なんだよ。」
大西がそう言うと、多喜夫妻も頷いた。
大西、亮輔、功太はともかく、薫もユウも未来の大切な友人であり、新婦側で出席するのは当然の事であった。
このような日を迎える事が出来、本当によかったと、薫は出席者の面々を見つめながら、感慨に耽っていた。
あなたにおすすめの小説
世界の終わりにキミと
フロイライン
エッセイ・ノンフィクション
毎日を惰性で生きる桐野渚は、高級クラブの黒服を生業としていた。
そんなある日、驚くほどの美女ヒカルが入店してくる。
しかし、ヒカルは影のある女性で、彼女の見た目と内面のギャップに、いつしか桐野は惹かれていくが…