ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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懐柔編

絶世

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新郎新婦が入場すると、会場からため息が漏れた。

純白のウェディングドレスに身を包んだ未来は、元々の美貌とも相俟って、言葉では表現出来ないくらいの美しさであった。


「すごいな、こりゃ」

多喜は、思わず薫の方を見て呟くように言った。

薫は手を叩きながら、満面の笑みを浮かべて頷いた。

しかし、多喜は、そんな薫を見つめながら、ウチの嫁の方が美人度では上だな…などと思った。


優磨と未来は本当に美男美女と表現できるくらい絵になっており、そんな二人はゆっくりと歩いて一番前まで来ると、出席者の方に向き直し、お辞儀をした。


未来のドレスは大きく胸が開いたもので、女性ホルモンによりすっかり膨らんだ胸を堂々と強調するものだった。


出席者全員が拍手をする中、式場の外では大阪府警の私服警官が多数出て、警戒にあたっていた。



そして、時を同じくして、大阪から遠く離れた場所で、大友と多村はジリジリとしながら、連絡を待っていた。

そんな中、二人の元へ、キムが訪ねてきた。


「大友さん、こんな別荘をお持ちなんですね。
最高じゃないですか。」



「ちょっと、キム
そんな話はいいのよ。
首尾はどうなのよ!」


多村はイラついた口調でキムに言った。


「大丈夫です。まあ、見ていて下さい。」


「キムはん、とは言うても、相手は日本一の…いや、世界最大のマフィアと呼ばれている垂水組だ。

その垂水組の組長が結婚式を挙げ、参列者達も名だたるヤクザや各界の著名人達ばかりやで。

大阪府警も威信をかけて、徹底的に警備しとる。

こんな中で、どないするっちゅうんや。」

と、大友も不機嫌になりながら、キムにぶちまけた。


「お二人とも、よく考えて下さい。

結婚式会場は、ずいぶん前から決まっていて、こっちも色々準備がしやすい状況にありました。

直前まで場所がわからないのなら手の打ちようがないですがね。」


「キムはん、そう言わはんのやったら、もう手は打ってると思てもええんか?」


「あなた方は、ここで高みの見物をしていればいい。

私に仕事を依頼されたのは、何があっても自分達に捜査の目が及んでこないからでしょう?」


「そりゃそうよ。
そのために高い金を払ってんだからね。」


「洋子さん

ネズミを一匹潜り込ませてます。

身寄りのない天涯孤独なネズミをね。」


キムがそう言うと、多村はようやく落ち着いてきたようで、ニヤリと笑った。


「フッ、楽しみにしてるわよ。」

と、呟きながら。





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