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最終決戦篇
刺客
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名古屋駅に厳つい男達が集まってきて、新幹線のホームに上ってきた。
そこに東京行きののぞみ号が到着した。
10号車の後方の出口から、これまた厳つい男達が何人も降り立ち、付近は異様な雰囲気に包まれた。
しかし、新幹線から強面の男達にまぎれるようにして未来が降りてくると、迎えの男達は、その美貌に思わず目を見張った。
迎えの一団から、年長者らしき男が未来の方に近づいてきて、深々と頭を下げた。
「八代目、今日はわざわざこんなところまでお越しいただいて、誠にありがとうございます。」
「志方さん、ご無沙汰してます。
あの時以来ですね…」
未来を出迎えたのは、名古屋を拠点に活動する垂水組系の暴力団熱田会の若頭、志方弘毅だった。
未来は、熱田会会長の吉野喜久雄の還暦を祝うために名古屋に出向いたのだ。
普通、傘下の組織のこのような祝宴に、組のトップが出席する事などあり得ないのだが、吉野と志方は、未来の結婚式に出席してもらい、あの事件に巻き込んでしまったのだ。
未来は、その時の罪滅ぼしという意味ではないが、詫びの意味も含めて、是非出席したいと、彼女のたっての希望で、名古屋入りが決まったのだった。
新幹線の改札を抜けた一行は、銀時計前を通過し、太閤通口前に待たせておいたハイヤーのところに足早に進んだ。
しかし、その間隙を縫って、人混みの中から一人の男が飛び出てきた。
一瞬の事で、皆が固まってしまい、未来をガードする壁に一筋の隙間が出来てしまった。
男はあっという間に未来の前に立ち塞がったと思うと
「岡田未来さんですね。
ファンなんですけど、サインをもらえませんか。」
と、ニヤニヤ笑いながら、未来の記事が載った週刊誌とペンを彼女に渡そうとした。
未来のお付きが、慌てて制止しようと、手で遮ろうとしたが、未来は落ち着いた表情で男に正対し、ペンと週刊誌を受け取った。
「ワタシのファンなんですか?
それは、光栄というか気恥ずかしいですね。」
と、笑みを浮かべながら、本当にサインをしてから返した。
「大友さんと、多村さんによろしくお伝え下さい。
お会いするのを岡田未来が楽しみにしていますと。」
そう言うと、その場を去っていった。
男は、お付きの者たちに引き剥がされ、未来の後ろ姿を見つめていたが、当の未来は、先ほど浮かべた笑みが嘘だったかのように、無表情のまま、ハイヤーに乗り込んだ。
そこに東京行きののぞみ号が到着した。
10号車の後方の出口から、これまた厳つい男達が何人も降り立ち、付近は異様な雰囲気に包まれた。
しかし、新幹線から強面の男達にまぎれるようにして未来が降りてくると、迎えの男達は、その美貌に思わず目を見張った。
迎えの一団から、年長者らしき男が未来の方に近づいてきて、深々と頭を下げた。
「八代目、今日はわざわざこんなところまでお越しいただいて、誠にありがとうございます。」
「志方さん、ご無沙汰してます。
あの時以来ですね…」
未来を出迎えたのは、名古屋を拠点に活動する垂水組系の暴力団熱田会の若頭、志方弘毅だった。
未来は、熱田会会長の吉野喜久雄の還暦を祝うために名古屋に出向いたのだ。
普通、傘下の組織のこのような祝宴に、組のトップが出席する事などあり得ないのだが、吉野と志方は、未来の結婚式に出席してもらい、あの事件に巻き込んでしまったのだ。
未来は、その時の罪滅ぼしという意味ではないが、詫びの意味も含めて、是非出席したいと、彼女のたっての希望で、名古屋入りが決まったのだった。
新幹線の改札を抜けた一行は、銀時計前を通過し、太閤通口前に待たせておいたハイヤーのところに足早に進んだ。
しかし、その間隙を縫って、人混みの中から一人の男が飛び出てきた。
一瞬の事で、皆が固まってしまい、未来をガードする壁に一筋の隙間が出来てしまった。
男はあっという間に未来の前に立ち塞がったと思うと
「岡田未来さんですね。
ファンなんですけど、サインをもらえませんか。」
と、ニヤニヤ笑いながら、未来の記事が載った週刊誌とペンを彼女に渡そうとした。
未来のお付きが、慌てて制止しようと、手で遮ろうとしたが、未来は落ち着いた表情で男に正対し、ペンと週刊誌を受け取った。
「ワタシのファンなんですか?
それは、光栄というか気恥ずかしいですね。」
と、笑みを浮かべながら、本当にサインをしてから返した。
「大友さんと、多村さんによろしくお伝え下さい。
お会いするのを岡田未来が楽しみにしていますと。」
そう言うと、その場を去っていった。
男は、お付きの者たちに引き剥がされ、未来の後ろ姿を見つめていたが、当の未来は、先ほど浮かべた笑みが嘘だったかのように、無表情のまま、ハイヤーに乗り込んだ。
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