ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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最終決戦篇

削足適履

「痛ててっ…」


勢いよく後ろに吹っ飛んだ豊田は、腰を強打し、思わず顔を歪めた。


「すいません!

大丈夫ですか?師範」

未来が心配そうに駆け寄ってきた。


「ああ、大丈夫や。
それにしても、なんちゅー蹴りやねん。」

豊田は、未来の前蹴りの威力に舌を巻いた。


「しばらくの間、ぜんぜん稽古が出来ていなかったんで、取り戻さなきゃって焦ってしまって。」


「いやいや、そんなブランクは感じへんけど。

天賦の才ってもんを感じるわ」


「ありがとうございます。」


「僕がすごいと思たんは、キミと新田薫の二人だけや。後にも先にも。

その二人共がニューハーフやなんて、世の中どうなってんねんな。」


「すいません。」


「いやいや、それはええんやけど。

でも、なんでウチの活殺流の殺の方を習いたいって思たんや?

そもそも、この事をどうやって知ったか…」


「以前、薫さんと話をしていて、聞いた事があるんです。

師範の空手道場では、普段はフルコンタクトながら、優しい空手を教えているが、本来は相手を殺傷する能力を極限まで極めた空手があるのだと…」


「たしかに、僕も若き日に学び、会得をした。
しかし、この現代社会でそんなものを披露する機会もなければ、その必要もない。

若き日の薫に教えたのが最初で最後や。

もう、薫も忘れてしもとるやろ。」


「師範、それをワタシにも教えて下さい。」


「それはええけど…

ただ、未来ちゃん…
それを何に使うんや?

キミは元々異常な強さを見せていた。
空手なんて習わんでもな。

それこそ若いときの薫と比べても甲乙つけ難いほど。

それやのに、なんでまた殺術としての空手を学ぼうとしてるんや?
聞かせてくれるか。」


「師範、ワタシは、近いうちに単身で大友組に乗り込むつもりです。

もちろん、話し合いでカタをつけるつもりですが、失敗すれば身の危険、いや、命の危険にさらされるのは必至です。

謂わば、自衛の為の空手をお教えいただければと…」


「未来ちゃん
僕の目は節穴とちゃうで。

アンタ、話し合いで解決しようなんて、これっぽっちも思てないやろ?」


「それは…」



「まあ、ええわ。

薫ももう空手は捨ててしもたやろうし、僕の代で殺術としての空手は終わらせる予定やったけど、未来ちゃん、アンタに教えたる。

それを使うんも使わんのも未来ちゃん、アンタ次第やけどな。」


豊田は、そう言うと、ゆっくりと立ち上がり、未来に対して構えを見せた。


「未来ちゃん
本気で来てもええよ。」

と、手招きをしながら。

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