3 / 11
欺瞞
しおりを挟む
「つまり、こういうことですか?
ウチの相談所にやってくる男の客に、今言われた話を勧めろと?」
檜村は、少し焦ったような表情で言った。
「そうです。
ただ、金持ちであったり、社会的地位がある人には、絶対に勧めないで下さい。
出来たら、貧乏で学歴もなく、親もいないような人が理想です。」
「いやいや、今どきそんな人、おりまへんで。
戦後まもなくの話やないんやから。」
「でも、社長
さっき言ったじゃないですか。
ここに来る男性は、貧乏なのが多いって。」
「まあ、それはそうですけど、それでいて天涯孤独な者なんて、なかなかおりまへんて。」
「別にノルマなんてありませんし、もし、該当するようなお客さんがおられたら、是非、この話を勧めてみて下さい。
勿論、専門の担当者が、後日詳しく説明させていただきますので。
一件決めるだけでも、かなりのバックがありますので、お互いにおいしい話だと思います。
是非ともよろしくお願いしますよ。」
桑原は、それだけ言うと、去っていった。
「ホンマ、勝手なことばかり言うてからに。」
檜村はブツブツ言いながらも、桑原が置いていった資料をもう一度目を通した。
そして、立ち上がると、事務所を出て、店頭に行き、従業員の保科百合子に声をかけた。
「保科さん、ちょっといいかな?」
百合子は、頷いて立ち上がった。
ウチの相談所にやってくる男の客に、今言われた話を勧めろと?」
檜村は、少し焦ったような表情で言った。
「そうです。
ただ、金持ちであったり、社会的地位がある人には、絶対に勧めないで下さい。
出来たら、貧乏で学歴もなく、親もいないような人が理想です。」
「いやいや、今どきそんな人、おりまへんで。
戦後まもなくの話やないんやから。」
「でも、社長
さっき言ったじゃないですか。
ここに来る男性は、貧乏なのが多いって。」
「まあ、それはそうですけど、それでいて天涯孤独な者なんて、なかなかおりまへんて。」
「別にノルマなんてありませんし、もし、該当するようなお客さんがおられたら、是非、この話を勧めてみて下さい。
勿論、専門の担当者が、後日詳しく説明させていただきますので。
一件決めるだけでも、かなりのバックがありますので、お互いにおいしい話だと思います。
是非ともよろしくお願いしますよ。」
桑原は、それだけ言うと、去っていった。
「ホンマ、勝手なことばかり言うてからに。」
檜村はブツブツ言いながらも、桑原が置いていった資料をもう一度目を通した。
そして、立ち上がると、事務所を出て、店頭に行き、従業員の保科百合子に声をかけた。
「保科さん、ちょっといいかな?」
百合子は、頷いて立ち上がった。
1
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる