N -Revolution

フロイライン

文字の大きさ
15 / 190

目標

しおりを挟む
ミサトは二段ベッドの下段に腰掛けると、珀を見つめながら言った。

「ねえ、珀クンて新東京プロレスに入りたくて東京に出てきたんだよね?」


「うん。
結局は入れなかったけどね。」


「ワタシは、女子プロレスが好きだったの。

なんかかっこいいなあって。ワタシもああなりたいなあってね。
でも、男の子じゃムリだし、見に行くだけで満足してたのね。

そんなある日、前座でNPWが興行打ってて、ミカさんの試合を見たの。

ワタシにとって、衝撃だったわ。

ミカさんの強さ、美しさ、カッコ良さが、突き抜けてて…

ワタシが求めているのはコレだ!って、確信したの。」


「それでここへ?」


「うん。
ワタシもニューハーフになりたかったし、もう、ここしかないっ!って。
それで入門したの。」


「へえ、そうだったんだ」


「珀クンもそうなんでしょ?」


「えっ、何が?」


「心は女子なのよね?」


「あ、それは…

うん…」

珀は、久美子に続いて、ミサトにもカミングアウトしてしまった。

「珀クン、何もしてないのに顔も綺麗だし、すぐに美人レスラーとしてやっていけるよ。」


「でも、そんな勇気なかったから、プロレスに没頭する事によって、そういう気持ちをなくそうと思ったんだ…」


「そんなのムリに決まってるよ。」


「うーん…

新東京プロレスに入れたら、そういうのを忘れて、プロレスに集中して生きていけると思ったんだよね。」


「なるほどね。

ねえ、ワタシ
珀クンと一緒にここで頑張りたい。

NPWに入ってくれないかな?」


「…
正直言って、ミカさんの事、ワタシもカッコいいなあって思って…
それでもう一度見学にする事にしたんだよ。」


「あ、今、自分のことをワタシって言った」

ミサトは嬉しそうな顔で笑った。


「カミングアウトしたし、もういいかなって。」


「だったら、一緒に頑張ろうよ!
ね?」


「でも、ここでレスラーするには性転換手術してないとダメなんでしょ?」


「あー、その事ね。

一応レギュレーションがあって、細かく決められてるの。

ワタシの場合は、今ホルモン注射してて、タマは一ヶ月前に取っちゃった。」


「えーっ!ホントに?」


「うん。
女の子っぽくなりたいし、ワタシには別に必要ないし。

でも、そこまでしなくても、ホルモン治療だけでも、試合には出れるわよ。

女性ホルモンの血中濃度とか、色々調べる基準があるけどね。」

ミサトは屈託のない笑みを浮かべて言った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

秘書と社長の秘密

廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。 突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。 ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

処理中です...