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佐倉ミカ
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佐倉ミカ…本名は佐倉佳紀といい、NPWにいる選手達と同様に、幼き日から自分の性に違和感を持っていた。
佳紀は、とにかく運動神経が良く、どんなスポーツをさせても、すぐにコツをマスターし、誰よりも上手くこなした。
特に野球の才能は突出しており、佳紀自体も気に入り、リトルリーグに所属し、ピッチャーで四番を任される
中心選手となって活躍していた。
そんな佳紀に、県内の有力校が次々とスカウトに来るようになり、特に甲子園常連校の千田高校が有力候補となり、中学の担任も強く推薦した。
しかし、佳紀は、千田高校に断りを入れ、ほとんど無名の県立高校に進学したのだった。
周囲の人間の誰もが呆れ、そして、佳紀の選択を批判した。
当時、佳紀とバッテリーを組んでいた志村健二だけは、佳紀から本当の理由を聞いていた。
だが、その理由を最初に聞いた時は、信じられなくて、思わず聞き返したという。
「おい、ウソだろ…
そんな理由で、千田に行かなかったのか?」
「うん。」
「いやいや、高校の野球部なんて、だいたいどこも坊主にしてるだろ?
なんでなんだよ。」
「うーん…
単純に坊主になるのがイヤなだけ。」
「それで、門脇高校って…
落差ありすぎじゃね?」
「いいんだよ。
あそこは坊主にしなくてもいいから。
野球は好きだから高校でも続けたいけど、坊主にするのがイヤってなると、結局県立の強くない学校になっちゃうんだよ。」
「もったいないなあ。」
「志村は、本宮学院だろ?
よかったじゃん。あそこはまあまあ強いし、予選の抽選次第では甲子園に行ける可能性もあるし。」
「俺だって、おまえくらいの才能があれば、迷わず千田に行ってたさ。
俺の実力では、本宮行くので精一杯だよ。」
「そっか。
予選で当たるのを楽しみにしてるよ。」
佳紀は笑って、志村の肩をポンポンと叩いた。
志村は、二年生のときにレギュラーに選ばれ、試合にコンスタントに出るようになったが、佳紀が進学した門脇高校とは一度も対戦することはなかった。
そもそも、門脇高校は予選にすら出てこなかったのだ。
佳紀が入っても、周りの選手のレベルとの差は埋めようがなく、また、部員がやめたりして、最低限の数さえも確保できない年もあった。
結局、佳紀も三年時に部員不足で夏の予選に出られないことがわかると、あっさり辞めてしまい、二度と野球をすることはなかった。
佳紀は、とにかく運動神経が良く、どんなスポーツをさせても、すぐにコツをマスターし、誰よりも上手くこなした。
特に野球の才能は突出しており、佳紀自体も気に入り、リトルリーグに所属し、ピッチャーで四番を任される
中心選手となって活躍していた。
そんな佳紀に、県内の有力校が次々とスカウトに来るようになり、特に甲子園常連校の千田高校が有力候補となり、中学の担任も強く推薦した。
しかし、佳紀は、千田高校に断りを入れ、ほとんど無名の県立高校に進学したのだった。
周囲の人間の誰もが呆れ、そして、佳紀の選択を批判した。
当時、佳紀とバッテリーを組んでいた志村健二だけは、佳紀から本当の理由を聞いていた。
だが、その理由を最初に聞いた時は、信じられなくて、思わず聞き返したという。
「おい、ウソだろ…
そんな理由で、千田に行かなかったのか?」
「うん。」
「いやいや、高校の野球部なんて、だいたいどこも坊主にしてるだろ?
なんでなんだよ。」
「うーん…
単純に坊主になるのがイヤなだけ。」
「それで、門脇高校って…
落差ありすぎじゃね?」
「いいんだよ。
あそこは坊主にしなくてもいいから。
野球は好きだから高校でも続けたいけど、坊主にするのがイヤってなると、結局県立の強くない学校になっちゃうんだよ。」
「もったいないなあ。」
「志村は、本宮学院だろ?
よかったじゃん。あそこはまあまあ強いし、予選の抽選次第では甲子園に行ける可能性もあるし。」
「俺だって、おまえくらいの才能があれば、迷わず千田に行ってたさ。
俺の実力では、本宮行くので精一杯だよ。」
「そっか。
予選で当たるのを楽しみにしてるよ。」
佳紀は笑って、志村の肩をポンポンと叩いた。
志村は、二年生のときにレギュラーに選ばれ、試合にコンスタントに出るようになったが、佳紀が進学した門脇高校とは一度も対戦することはなかった。
そもそも、門脇高校は予選にすら出てこなかったのだ。
佳紀が入っても、周りの選手のレベルとの差は埋めようがなく、また、部員がやめたりして、最低限の数さえも確保できない年もあった。
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