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転生
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佳紀は、翌日、久美子と共に近くの美容外科を訪れ、初めての女性ホルモン剤の投与を行った。
そして、この日から、佐倉佳紀という名前を捨て、佐倉ミカと名乗るようになった。
「社長、ホルモン注射ってめっちゃ痛いものなんですね。」
「そうなのよ。
痛いのよ、またあれがねえ。
ワタシなんて十五歳からこの歳になるまで、ずーっとよ。
ホント嫌になるわ。」
「へえ、大変ですねえ。
あ、ワタシもそうなるのか…」
「まあ、ニューハーフの宿命っていうのかな。
こればっかりはどうしようもないのよ。」
「でも、体が女の子っぽくなって、おっぱいが大きくなるのは嬉しいし。
一長一短がありますよね。」
「それも個人差があるからねえ。
ホルモンだけで巨乳になる人も稀にいるけど、基本的にはそんなに大きくなんないから、豊胸手術する子が多いのよ。
でも、ウチらはプロレスを仕事にするから、胸の中にシリコンとか入れるのは、あまりお勧めしないわ。」
「ワタシもそういうのはしないつもりなんで、大丈夫です。」
「なんとなくだけど、ミカちゃんはホルモンだけでおっぱいが育つような気がするなあ。」
「えっ、ホントですか?」
「ワタシの勘よ。
何十年もこの世界で生きてきて、沢山のニューハーフを見てきたワタシのね。」
「社長は、ワタシの事も一発で本質を見抜いちゃったからなあ。
その目は確かなはずだから、ワタシは巨乳になる!
やったー」
「過度な期待はしないでね。」
「でも、社長って巨乳ですよね?
それってナチュラルなんですか??」
「そうよ。
今はもう歳で、だらしなく垂れちゃってるけど、若い時は巨乳の久美子で鳴らしたのよ。」
「えーっ、見たいっ!」
「もう、何言ってんだか。
ミカちゃんて明るいわね。」
「そうですか?」
「この世界に来るコって、いじめられたりして、苦労してるってパターンが多くてね。
どうしても自分に自信がないとか、人とコミュニケーションが取れないとか、色々あって、暗い性格になっちゃうパターンが多いのよ。
それは仕方ない事なんだけどね。
ミカちゃんは、その逆でめちゃくちゃ明るいんだけど、何でかなあ。」
「あ、多分野球やってたからかも。
野球に没頭してる時は、自分の性がどうとか、全然気にしてなかったから。」
「なるほどね。
それはあるかもね。
芸は身を助くね。」
「はい。
ところで、社長、どこに向かってるんですか?」
「あー、ごめん、言ってなかったね。
今から人に会いに行くの。
ミカちゃんにも会って欲しくてね。」
久美子はそう言うと、駅に向かって歩き出した。
「電車に乗るんですか?」
「うん。」
久美子は切符を二枚買い、一枚をミカに手渡した。
そして、この日から、佐倉佳紀という名前を捨て、佐倉ミカと名乗るようになった。
「社長、ホルモン注射ってめっちゃ痛いものなんですね。」
「そうなのよ。
痛いのよ、またあれがねえ。
ワタシなんて十五歳からこの歳になるまで、ずーっとよ。
ホント嫌になるわ。」
「へえ、大変ですねえ。
あ、ワタシもそうなるのか…」
「まあ、ニューハーフの宿命っていうのかな。
こればっかりはどうしようもないのよ。」
「でも、体が女の子っぽくなって、おっぱいが大きくなるのは嬉しいし。
一長一短がありますよね。」
「それも個人差があるからねえ。
ホルモンだけで巨乳になる人も稀にいるけど、基本的にはそんなに大きくなんないから、豊胸手術する子が多いのよ。
でも、ウチらはプロレスを仕事にするから、胸の中にシリコンとか入れるのは、あまりお勧めしないわ。」
「ワタシもそういうのはしないつもりなんで、大丈夫です。」
「なんとなくだけど、ミカちゃんはホルモンだけでおっぱいが育つような気がするなあ。」
「えっ、ホントですか?」
「ワタシの勘よ。
何十年もこの世界で生きてきて、沢山のニューハーフを見てきたワタシのね。」
「社長は、ワタシの事も一発で本質を見抜いちゃったからなあ。
その目は確かなはずだから、ワタシは巨乳になる!
やったー」
「過度な期待はしないでね。」
「でも、社長って巨乳ですよね?
それってナチュラルなんですか??」
「そうよ。
今はもう歳で、だらしなく垂れちゃってるけど、若い時は巨乳の久美子で鳴らしたのよ。」
「えーっ、見たいっ!」
「もう、何言ってんだか。
ミカちゃんて明るいわね。」
「そうですか?」
「この世界に来るコって、いじめられたりして、苦労してるってパターンが多くてね。
どうしても自分に自信がないとか、人とコミュニケーションが取れないとか、色々あって、暗い性格になっちゃうパターンが多いのよ。
それは仕方ない事なんだけどね。
ミカちゃんは、その逆でめちゃくちゃ明るいんだけど、何でかなあ。」
「あ、多分野球やってたからかも。
野球に没頭してる時は、自分の性がどうとか、全然気にしてなかったから。」
「なるほどね。
それはあるかもね。
芸は身を助くね。」
「はい。
ところで、社長、どこに向かってるんですか?」
「あー、ごめん、言ってなかったね。
今から人に会いに行くの。
ミカちゃんにも会って欲しくてね。」
久美子はそう言うと、駅に向かって歩き出した。
「電車に乗るんですか?」
「うん。」
久美子は切符を二枚買い、一枚をミカに手渡した。
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