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双璧をなす
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「こんにちは、日野サオリと申します。
本名は日野伶人っていうんですけど、日頃からサオリって名乗ってます。」
「よろしくね、サオリちゃん。
ホント、よく来てくれたわね。」
久美子が声をかけると、サオリははにかんだような笑みを浮かべ
「いえ、ワタシの方こそ誘っていただいて、ありがとうございます。
どちらにしても、高校辞めよかって考えて、ニューハーフとして働きたいと思っていたところ、友谷さんと偶然知り合えて…」
と、また頭を下げて言った。
「サオリちゃん、紹介するね。
こちらが、ウチと契約した最初のレスラーで、佐倉ミカちゃん。」
「こんにちは。
佐倉ミカです。
本名は佐倉佳紀っていうんですけど…
全くの素人なんで、何もわかってないですけど、よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。
ワタシも、格闘技を少しかじってるだけで、素人には違いありません。」
サオリは、はにかんだような笑みを浮かべて頭を下げた。
この時点では、サオリの方が女子っぽく、頭のてっぺんから足先まで、男を感じさせる箇所はどこにもなかった。
対するミカは、女性ホルモンを既に何回か打っているとはいえ、まだ髪も伸びておらず、体つきも、僅かに胸が膨らんでいるだけで、全てが不完全であった。
それでも、生まれもっての顔の美しさは何にも代え難いものがあったが…
「こちらがウチの専属になっていただいてる、山本トレーナー。
元プロのレスラーで、トレーニングメニューを作ってもらったり、基礎的な訓練を担当してもらってるの。」
「山本です。
よろしくお願いします。
サオリさんは、どんな格闘技をやってたんですか?」
「あ、よろしくお願いします。
ワタシがやってたのは、サンボなんです。」
「ほう、サンボですか。
なかなか珍しいですね。教えてるところもなかなか少ないんじゃないですか?」
「実は、父がサンボのコーチをやっていて、ワタシも小さい時から教えられてきたんです。」
「なるほど。
サンボはプロレスや総合格闘技をやる上でも互換性があるというか、相性もいいから、有利ではあると思いますよ。」
「ありがとうございます。
でも、ワタシがニューハーフになるって言ったらブチ切れられて、ほぼ勘当扱いになってから、もう一年になります。
だから、すっかり忘れちゃってますけど」
サオリは屈託のない笑顔で言った。
その可愛さに、ミカは、完全に心を奪われてしまった。
本名は日野伶人っていうんですけど、日頃からサオリって名乗ってます。」
「よろしくね、サオリちゃん。
ホント、よく来てくれたわね。」
久美子が声をかけると、サオリははにかんだような笑みを浮かべ
「いえ、ワタシの方こそ誘っていただいて、ありがとうございます。
どちらにしても、高校辞めよかって考えて、ニューハーフとして働きたいと思っていたところ、友谷さんと偶然知り合えて…」
と、また頭を下げて言った。
「サオリちゃん、紹介するね。
こちらが、ウチと契約した最初のレスラーで、佐倉ミカちゃん。」
「こんにちは。
佐倉ミカです。
本名は佐倉佳紀っていうんですけど…
全くの素人なんで、何もわかってないですけど、よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。
ワタシも、格闘技を少しかじってるだけで、素人には違いありません。」
サオリは、はにかんだような笑みを浮かべて頭を下げた。
この時点では、サオリの方が女子っぽく、頭のてっぺんから足先まで、男を感じさせる箇所はどこにもなかった。
対するミカは、女性ホルモンを既に何回か打っているとはいえ、まだ髪も伸びておらず、体つきも、僅かに胸が膨らんでいるだけで、全てが不完全であった。
それでも、生まれもっての顔の美しさは何にも代え難いものがあったが…
「こちらがウチの専属になっていただいてる、山本トレーナー。
元プロのレスラーで、トレーニングメニューを作ってもらったり、基礎的な訓練を担当してもらってるの。」
「山本です。
よろしくお願いします。
サオリさんは、どんな格闘技をやってたんですか?」
「あ、よろしくお願いします。
ワタシがやってたのは、サンボなんです。」
「ほう、サンボですか。
なかなか珍しいですね。教えてるところもなかなか少ないんじゃないですか?」
「実は、父がサンボのコーチをやっていて、ワタシも小さい時から教えられてきたんです。」
「なるほど。
サンボはプロレスや総合格闘技をやる上でも互換性があるというか、相性もいいから、有利ではあると思いますよ。」
「ありがとうございます。
でも、ワタシがニューハーフになるって言ったらブチ切れられて、ほぼ勘当扱いになってから、もう一年になります。
だから、すっかり忘れちゃってますけど」
サオリは屈託のない笑顔で言った。
その可愛さに、ミカは、完全に心を奪われてしまった。
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