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降臨
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「みんなごめんね。」
ようやく佐倉ミカが練習に復帰した。
術後の状態が極めて悪く、手術をしてから、既に六十日が経過しており、普通の人から比べても倍程度長くかかってしまった。
「ミカちゃん、大丈夫なの?」
サオリが声をかけると、ミカは頷いた。
「うん。
でも、ずっと寝たきりみたいな生活をしてたから、体がなまっちゃって。
ホント、まずはウォーキングから始めないとダメなくらい、足腰が弱ってる。」
「無理しないでくださいね。」
「アキちゃん
相変わらず綺麗だね」
「ヤダ、ミカさん」
アキは頬を赤くして照れてしまった。
「理亜夢ちゃんと如恵留ちゃんも、今日からよろしくね。」
「はい。
こちらこそよろしくお願いします。」
双子らしく、声を揃えて言うと、周りから笑いが怒った。
「よし、それじゃあ練習始めるぞ。
ミカは別メニューな。
歩行訓練からしないとダメだからな。」
山本が声をかけると、皆が返事をして散っていった。
「久美子さん
ようやく形になってきたわね。」
少し離れて様子を見ていた久美子に、寮母の溝口が声をかけた。
「ええ、そうね。
後三人は欲しいわ。
三人入れば八人になるし、単独で興行が打てるようになるからね。」
「運動能力があって、心が女の子で、それでいてルックスが良い、プロレスラー志望の子なんて…
なかなかいないんじゃない?」
「うん、そうね。
でも、もう五人見つけたわよ。
全員びっくりするくらい可愛いし。
これだけでも奇跡よ。」
「たしかにね。
久美子さん、アンタも若い時は、まあビビるくらいの美人だったよね。
思い出すわ。」
「もう三十年以上前の話じゃないの。
あの頃は、芸能界でお仕事もさせてもらってたし、周りからもチヤホヤされてたわね。
でも、ニューハーフもフツーの女性と同じで、賞味期限があるし、ニューハーフは劣化が早いのよ。
ホルモンバランスの関係で、激太りしたり色々とね。」
「そうだね。
久美子さんも、あの頃は抜群のプロポーションだったもんね。
今も歳のわりにはイケてるわよ。」
「ワタシも今年五十八になるのよ。
あちこちガタガタよ。
イヤになっちゃうわ。ホント」
「それはお互い様よ。
さて、昼ごはんの準備でも始めるかあ。」
溝口はそう言うと、上の階に上がっていった。
久美子は、再びリングの方に目を移した。
サオリとアキ、理亜夢と如恵留が2対2に分かれ、タッグ形式のスパーリングを行っている。
久美子は、彼女達の奮闘ぶりを見つめ、二度、小さく頷いた。
ようやく佐倉ミカが練習に復帰した。
術後の状態が極めて悪く、手術をしてから、既に六十日が経過しており、普通の人から比べても倍程度長くかかってしまった。
「ミカちゃん、大丈夫なの?」
サオリが声をかけると、ミカは頷いた。
「うん。
でも、ずっと寝たきりみたいな生活をしてたから、体がなまっちゃって。
ホント、まずはウォーキングから始めないとダメなくらい、足腰が弱ってる。」
「無理しないでくださいね。」
「アキちゃん
相変わらず綺麗だね」
「ヤダ、ミカさん」
アキは頬を赤くして照れてしまった。
「理亜夢ちゃんと如恵留ちゃんも、今日からよろしくね。」
「はい。
こちらこそよろしくお願いします。」
双子らしく、声を揃えて言うと、周りから笑いが怒った。
「よし、それじゃあ練習始めるぞ。
ミカは別メニューな。
歩行訓練からしないとダメだからな。」
山本が声をかけると、皆が返事をして散っていった。
「久美子さん
ようやく形になってきたわね。」
少し離れて様子を見ていた久美子に、寮母の溝口が声をかけた。
「ええ、そうね。
後三人は欲しいわ。
三人入れば八人になるし、単独で興行が打てるようになるからね。」
「運動能力があって、心が女の子で、それでいてルックスが良い、プロレスラー志望の子なんて…
なかなかいないんじゃない?」
「うん、そうね。
でも、もう五人見つけたわよ。
全員びっくりするくらい可愛いし。
これだけでも奇跡よ。」
「たしかにね。
久美子さん、アンタも若い時は、まあビビるくらいの美人だったよね。
思い出すわ。」
「もう三十年以上前の話じゃないの。
あの頃は、芸能界でお仕事もさせてもらってたし、周りからもチヤホヤされてたわね。
でも、ニューハーフもフツーの女性と同じで、賞味期限があるし、ニューハーフは劣化が早いのよ。
ホルモンバランスの関係で、激太りしたり色々とね。」
「そうだね。
久美子さんも、あの頃は抜群のプロポーションだったもんね。
今も歳のわりにはイケてるわよ。」
「ワタシも今年五十八になるのよ。
あちこちガタガタよ。
イヤになっちゃうわ。ホント」
「それはお互い様よ。
さて、昼ごはんの準備でも始めるかあ。」
溝口はそう言うと、上の階に上がっていった。
久美子は、再びリングの方に目を移した。
サオリとアキ、理亜夢と如恵留が2対2に分かれ、タッグ形式のスパーリングを行っている。
久美子は、彼女達の奮闘ぶりを見つめ、二度、小さく頷いた。
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