N -Revolution

フロイライン

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誰がために

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「実家にカミングアウトするのにワタシまで連れてくってのは…

悪手だよ。」


サオリはミカを諭すように言った。


「わかってるのよ、それは。

でもさあ、怖くて。」


「怖いってカミングアウトが?」


「うん。

なんか性転換してから根性が無くなったっていうか、すごく臆病になったって実感があるのよ。」


「それは、ワタシもよ。
ホルモン始めてからずっとそんな感じだったけど、去勢したらもう完全にそうなっちゃった。」


「サオリもそうなんだ。」


「うん。
でもさあ、ミカちゃん

コレってヤバくね?」


「何が?」


「ウチらこれからプロレスラーとして活動していくわけじゃん。

肉体面は勿論そうなんだけど、メンタルがこんなに弱ってたら、プロレスラーなんてやっていけるのかなあって。」


「たしかにね。

たしかにそうなのよ。

でも、親へのカミングアウトと、プロレスして痛い思いする事は同列には並べられないかな。

精神的な辛さに比べて、肉体的な痛みとかキツさって、全然苦にならないってか、全く平気かな。」


「まあ、たしかに。

特にミカちゃんは、あの地獄の性転換手術を乗り越えてきてんだもんね。」


「うん。
アレに比べたら、どれだけ痛めつけられても全然大丈夫な気がする。」


「うんうん、わかる」


「ごめんね、サオリ

弱気になっちゃって。

ワタシ、一人で行ってくるわ。」


「その意気よ、ミカちゃん。

さて、そろそろ寝よっか。」


「うん。

今日は、一緒に寝たい。」


「いいよ、一緒に寝よ。」


サオリは、下段のミカのベッドに潜り込んだ。


二人はいつものように濃厚なキスをしてギュッと抱きしめ合った。


「ねえ、サオリ
裸になろうよ」


「うん」

二人は一度ベッドから出て、服を脱いで全裸となり、もう一度下段のベッドに入った。


「サオリ、愛してる」


「ミカちゃん、ワタシもすごーく愛してるわ」

顔がくっつくぐらいの距離で愛を語り合った二人は、再び抱き合った。

今はもうミカも胸が大きく膨らんでおり、サオリと比べても遜色がなかった。

違いは、下に付いているかそうでないかくらいで、そこに目が行かなければ、美しく若い女性二人が裸で体を絡め合っている構図にしか見えなかった。


「ヤバいね。
ミカちゃん。肌と肌が触れてるだけでたまらないくらい気持ちいい。」


「そうだね。
あー、サオリと出会えてよかったわ」

ミカがしみじみ言うと、サオリははにかんだような笑みを浮かべ、照れを隠すかのように、ミカの胸に顔をうずめた。


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