N -Revolution

フロイライン

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本領発揮

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ミカは、一瞬気を失ったが、すぐに我に返り、状況を把握した。
そして、体を回転させてリング下に降りると、首を左右に振りながら回復に努めた。

レフェリーがカウントを取る中、ミカは歩きながら、リング上の熊子を見上げた。


熊子は場外乱闘をするかと思いきや、手招きしてミカにリング上で勝負する事を求めたのだった。

実のところ、熊子は若干の焦りを感じていた。
ブックなしで自分の体重の半分しかない相手と対戦した事など一度もない。
こんな組み合わせもニューハーフプロレスならではの事だ。

しかし、実際に投げ技を出すと、異常な威力を示してしまい、さっきのバックドロップは、ミカが受け身を取り損なった事も相俟って、一瞬本当に殺してしまったかと思ったくらいの手応えがあった。

だが、なんとか事なきを得て、リング下で自分を見つめるミカの目が、まだ闘志に包まれている事を確認し、安心したのだった。


ミカは、リングに戻ろうとする際、太ももの辺りを触られ、視線をそのその方向に向けた。

「ミカちゃん…」

自分を泣きそうな顔で見つめているサオリの姿が目に入ってきた。

ミカは、サオリと目を合わせると、深く一度頷き、リングに戻っていった。

ミカの後ろ姿を見つめながら、サオリは団体の旗揚げに向けて切磋琢磨していた時のことを思い出していた。





「ウチのような団体は、イロモノとして扱われる事も多々あるだろうから、とんでもない相手と戦う事も覚悟してないといけない。」


コーチをする山本は、ミカ達にそのような話をよくしていた。


「先生、大きな相手と戦う場合、どういった戦法がいいんですか?」

ミカが質問すると、山本は

「そうだな。
先ず、デカい相手っていうのは、体重はもちろん、リーチ、筋力は比べものにならんくらいの差がある。

逆にミカのように小さい者は、俊敏さ、技を出したり動きの回転数が全く違う。
あとは、打撃技は組んだり投げたりする事に比べたらそこまでの差はない。

狙いはそこだろうな。」


「そうですね。

ワタシもそう考えてて、如恵留と理亜夢に空手を教えてもらってるんですけど。」


ミカがそう言うと、山本は、近くで練習をしていたサオリを指差して

「サオリのサンボも有効だよ。」

と、言った。


「サンボですか?」


「ああ。
関節は鍛えられない事もないが、完全に極めてしまえば、その効果は絶大だ。

サオリのお父さんはサンボはサンボでもコンバットサンボをマスターしていたんだ。

アレなんて相手を骨折させるための技ばっかりだからな。」


山本の言葉に、ミカの目が輝いた。


サオリは、熱い視線を感じ取り


「えっ、何?

怖い…」

と、気味悪がった。
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