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showtime
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「あーっ!」
ミカの悲鳴が会場に響き渡った。
熊子の太い腕で華奢な体を締め上げられ、骨が軋む音がした。
ミカは苦悶の表情を浮かべ、顔を天に向けた。
「ヤバいなあ。
体格差がありすぎて、思いっきりキマっちゃってるよ。」
リング下でアキが言うと、サオリは何も答えず、恋人が苦しむ姿を泣きそうな顔をしながら見つめるだけだった。
ミカ自身もこのままではマズイと感じ、自由のきく両手を使って脱出を試みた。
熊子の脳天を目掛けてチョップをしたが、体勢の悪さ、体格差が災いし、全く効果がなかった。
このままではかなり厳しいと感じた矢先、熊子はミカだけに聞こえる声で
「ウチらはプロレスラーなんだから、お客さんに楽しんでもらわないとね。」
と言うと、両手を離し、巨漢にもかかわらず、素早い動きでミカの背後に回り、今度は後ろから締め上げるように抱きついた。
これで脳天を攻撃される事はない。
「上手いなあ、熊子」
アキは、思わず感嘆の声を上げたが、熊子のレスラーとしての本領は、ここから発揮される。
また、締め上げていくかと思われた瞬間、少し両腕の位置を下げたかと思うと、ミカを抱え上げ、超高速のバックドロップを繰り出した。
受け身も満足に取れないまま、ミカの後頭部、首、背中ぎマットに叩きつけられた。
「ミカちゃん!」
サオリは、顔面蒼白になりながら叫んだ。
あまりにも危険な角度でマットにめり込んだミカは、起き上がれず、大の字で倒れてしまった。
「あれだけの体格差があれば、ああいうふうになる…」
アキは、驚愕しながらも、冷静な口調で呟くように言った。
このとき、ミカは本当に意識を失い、起き上がれなくなっていた。
さすがの熊子もやり過ぎたと感じ、攻撃を続けず、先ほどミカにチョップをされた脳天が痛いというアピールをしながら、コーナーにもたれかかった。
ベビーフェイスが悪役レスラーに完膚なきまでに痛めつけられる序盤戦という、プロレスにおいては、オーソドックスな流れではあったが、先ほどまで静かだった会場のボルテージは一気に上がり、ミカファンからの声援が会場に響き渡った。
だが、ミカがいくら天才でも、二倍の体重差を克服するのは不可能に感じられ、この後の展開は誰にも読めなかった。
ミカの悲鳴が会場に響き渡った。
熊子の太い腕で華奢な体を締め上げられ、骨が軋む音がした。
ミカは苦悶の表情を浮かべ、顔を天に向けた。
「ヤバいなあ。
体格差がありすぎて、思いっきりキマっちゃってるよ。」
リング下でアキが言うと、サオリは何も答えず、恋人が苦しむ姿を泣きそうな顔をしながら見つめるだけだった。
ミカ自身もこのままではマズイと感じ、自由のきく両手を使って脱出を試みた。
熊子の脳天を目掛けてチョップをしたが、体勢の悪さ、体格差が災いし、全く効果がなかった。
このままではかなり厳しいと感じた矢先、熊子はミカだけに聞こえる声で
「ウチらはプロレスラーなんだから、お客さんに楽しんでもらわないとね。」
と言うと、両手を離し、巨漢にもかかわらず、素早い動きでミカの背後に回り、今度は後ろから締め上げるように抱きついた。
これで脳天を攻撃される事はない。
「上手いなあ、熊子」
アキは、思わず感嘆の声を上げたが、熊子のレスラーとしての本領は、ここから発揮される。
また、締め上げていくかと思われた瞬間、少し両腕の位置を下げたかと思うと、ミカを抱え上げ、超高速のバックドロップを繰り出した。
受け身も満足に取れないまま、ミカの後頭部、首、背中ぎマットに叩きつけられた。
「ミカちゃん!」
サオリは、顔面蒼白になりながら叫んだ。
あまりにも危険な角度でマットにめり込んだミカは、起き上がれず、大の字で倒れてしまった。
「あれだけの体格差があれば、ああいうふうになる…」
アキは、驚愕しながらも、冷静な口調で呟くように言った。
このとき、ミカは本当に意識を失い、起き上がれなくなっていた。
さすがの熊子もやり過ぎたと感じ、攻撃を続けず、先ほどミカにチョップをされた脳天が痛いというアピールをしながら、コーナーにもたれかかった。
ベビーフェイスが悪役レスラーに完膚なきまでに痛めつけられる序盤戦という、プロレスにおいては、オーソドックスな流れではあったが、先ほどまで静かだった会場のボルテージは一気に上がり、ミカファンからの声援が会場に響き渡った。
だが、ミカがいくら天才でも、二倍の体重差を克服するのは不可能に感じられ、この後の展開は誰にも読めなかった。
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