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Lesson35
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出勤してからの香菜子は、通常運転で、部下の吉村や浜上には、いつものように厳しく接した。
優斗は、今朝まであんなに自分に甘えていた香菜子が、別人のように振る舞っているのを傍目に見て、そのギャップに大いに萌えた。
俺は山本香菜子と付き合ってるだぞ!
何回も抱いたんだぞ!
そう大声で叫びたい衝動に駆られたが、なんとか抑えた。
「新開君」
「あ、はい」
いきなり香菜子に呼びつけられ、慌てて立ち上がる優斗。
「なんでしょうか」
「企画に該当の絵をもらってきて
キーセンスに提出する資料画像を貼ってくれるかな?」
「わかりました。
すぐやります」
優斗がそう言い、返事をすると
香菜子はニコッと笑い
「お願いね」
と、言った。
その顔は、金曜日の晩から今朝まで家で見ていた女の香菜子だった。
優斗はドキッとしながら、その場を離れた。
他の営業達には絶対に見せない笑顔…
香菜子に普段から一番怒られている吉村は、それを見逃さず、思わず二度見をした。
優斗がトイレに行くと、すぐに吉村が追いかけてきて、横に並んで用を足した。
「おい、新開」
「何すか?」
「どうやったんだよ?」
「えっ」
「いや、山本部長にめちゃ気に入られてんじゃんかよ」
「俺が?」
「そうだよ
あんな笑顔、俺は一度も見たことねえぞ。」
「えっ、そうっすか」
「俺もそろそろ何とかしねえとヤベーよな。」
「何とかするって?」
「山本さんに酒でも飲ませて、抱いてやるとか」
「…」
「冗談だよ
別に俺は年増でもかまわねえんだけど、あの人
可愛げもクソもねえだろ?
金もらってもヤリたくねえわ」
優斗はノーリアクションで、その場を離れていった。
香菜子を煙たがる連中は、この会社の営業全員が該当するだろう。
優斗も最初はそうだった。
しかし、香菜子の本当の姿を知ってしまった今
可愛くて愛おしいという感想しかない。
優斗は、吉村の言動にゲンナリしたが、それと同時に、香菜子への皆の誤解を解かねばならないと、強く思うのだった。
それくらい、香菜子は他の社員達から嫌われていたのだ。
優斗は、今朝まであんなに自分に甘えていた香菜子が、別人のように振る舞っているのを傍目に見て、そのギャップに大いに萌えた。
俺は山本香菜子と付き合ってるだぞ!
何回も抱いたんだぞ!
そう大声で叫びたい衝動に駆られたが、なんとか抑えた。
「新開君」
「あ、はい」
いきなり香菜子に呼びつけられ、慌てて立ち上がる優斗。
「なんでしょうか」
「企画に該当の絵をもらってきて
キーセンスに提出する資料画像を貼ってくれるかな?」
「わかりました。
すぐやります」
優斗がそう言い、返事をすると
香菜子はニコッと笑い
「お願いね」
と、言った。
その顔は、金曜日の晩から今朝まで家で見ていた女の香菜子だった。
優斗はドキッとしながら、その場を離れた。
他の営業達には絶対に見せない笑顔…
香菜子に普段から一番怒られている吉村は、それを見逃さず、思わず二度見をした。
優斗がトイレに行くと、すぐに吉村が追いかけてきて、横に並んで用を足した。
「おい、新開」
「何すか?」
「どうやったんだよ?」
「えっ」
「いや、山本部長にめちゃ気に入られてんじゃんかよ」
「俺が?」
「そうだよ
あんな笑顔、俺は一度も見たことねえぞ。」
「えっ、そうっすか」
「俺もそろそろ何とかしねえとヤベーよな。」
「何とかするって?」
「山本さんに酒でも飲ませて、抱いてやるとか」
「…」
「冗談だよ
別に俺は年増でもかまわねえんだけど、あの人
可愛げもクソもねえだろ?
金もらってもヤリたくねえわ」
優斗はノーリアクションで、その場を離れていった。
香菜子を煙たがる連中は、この会社の営業全員が該当するだろう。
優斗も最初はそうだった。
しかし、香菜子の本当の姿を知ってしまった今
可愛くて愛おしいという感想しかない。
優斗は、吉村の言動にゲンナリしたが、それと同時に、香菜子への皆の誤解を解かねばならないと、強く思うのだった。
それくらい、香菜子は他の社員達から嫌われていたのだ。
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