pretty preschool teacher

フロイライン

文字の大きさ
53 / 273

非日常的な日常

しおりを挟む
人生初の恋人が出来た遥だったが、いつもと同じような朝を迎え、同じように出勤し、同じように子供達と接した。
何も変わらない日常がそこにあった。

ただ、一つ違うことは、俊斗が来ていない事だけだった。

さすがに今日は岩見も会社に休みをもらい、家にいるようで、頻繁にメールを送ってきていた。


そのメールの中で、遥に家に来て欲しい旨の内容が書かれたものがあり、遥は今日も岩見の家を訪ねていく事を決めたのだった。

勿論、そんなメールが無くても、何かと理由を付けて、岩見の家に行くつもりであったが‥


帰りの時間が来るのをこれほど心待ちにした事がない‥
そんな事を考えながら、午後の時間をすごした遥は、退勤の時間が来ると、急いで着替えに行った。


「遥ちゃん、お疲れさま」


「先輩、お疲れ様です。」


更衣室には既に彩がいて、着替え始めていた。

「遥ちゃん、今日って予定どう?

よかったらご飯食べに行けないかなって」


「あ、先輩

今日はちょっと予定があって‥ごめんなさい」


「ううん、いいのよ。

遥ちゃん、ちょっと聞いていい?」


「えっ、はい

なんでしょう」


「何かいい事あった?」


「えっ、何でですか‥」


「なんとなくなんだけど、いつもより表情が明るいなって‥
ちょっと、そう感じただけ。」


「えっ、そうですか?

ヤダ、何か恥ずかしい‥」


「遥ちゃん

ひょっとして‥」

彩は遥が明るい原因について、理由は一つしかないと思っていた。


「あの、先輩‥

実は、この前言ってた人と‥」


「えっ、やっぱり」


「はい…」


「やったじゃん!」



「良くないとは思いつつ…」


「まあ、それは仕方ないわ。
自分の気持ちにウソはつけないものね。」


「はい…」


「でも、バレないように気をつけてね。
そういうのを騒ぎ立てる人達って、世の中には山ほどいるから。」


「はい。気をつけます

先輩、ありがとうございます。」


遥はぺこりと頭を下げて更衣室を出た。


いくら岩見が独身だとはいえ、その子供は自分が担任をするクラスの園児だ。
それに、岩見は独身とはいえ、妻とは離婚ではなく死別しており、そこからまだ一年ちょっとが過ぎたところなのだ。
世間から見れば、略奪愛や不倫と何ら変わりはない。
そう見られてもおかしくないのだ。

遥はやや憂鬱になりながらも、それを凌駕する恋心を胸に、岩見の家を目指した。
勿論、途中、スーパーで買い物をしてから。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

男の娘と暮らす

守 秀斗
BL
ある日、会社から帰ると男の娘がアパートの前に寝てた。そして、そのまま、一緒に暮らすことになってしまう。でも、俺はその趣味はないし、あっても関係ないんだよなあ。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...