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Heat Heart
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遥は始発で自宅に帰る事にした。
「遥、大丈夫?
疲れてない?」
「大丈夫よ。
今日着る服とかの事もあるし、一旦帰らないと。」
「わかった。
じゃあ10時頃に迎えにいくから。」
「うん。
ありがとう」
遥は身支度を整えると、玄関に行き、靴を履いた。
「遥…
昨日の夜話した事だけど、俺はそのつもりでいるから…」
良太は真剣な眼差しで遥に後ろから声をかけた。
「良ちゃん
ありがとう…
気持ちはすごく嬉しいしありがたいんだけど、やっぱり自分が女じゃないっていうのがワタシの中ではすごく大きくて…
もっとお互いの事が分かり合えていけたらって、今はそう思ってるの。
せっかく言ってくれてるのに、ワガママ言ってごめんなさい。」
「遥
そうだね
俺の気持ちばっかりぶつけてしまい、申し訳ない事をしたね。
ごめん。
ゆっくり考えてくれていいから…」
良太の言葉に、遥は振り返ると、笑みを浮かべて頷いた。
そして、送っていくと言う良太の厚意を固辞し、一人で出ていった。
背筋が凍るほど寒い…12月の明け方の道
だが、遥はその寒さの中でも心の中は熱くなっていた。
初めて出来た恋人に、結婚を申し込まれた。
恋愛に対して、諦めというか達観した目で見ていた遥にとって、嬉しい誤算だった。
たとえこの恋が上手く実らなかったとしても、人生を勝手に諦めてはいけない…
そんな心境だった。
午前六時前、自宅に戻った遥は、物音を立てないように注意しながら、自分の部屋に荷物を置き、すぐに浴室に移動した。
そして、シャワーを浴びると、髪を乾かし、肌のケアをして、リビングにやってきた。
幸い、凛太郎も大輝も起きておらず、遥はホッとした思いで、水を飲んだ。
しかし、そうはいかないのが世の常で…
自分の部屋に戻ろうとした瞬間、隣の部屋のドアが開き、凛太郎が顔を出した。
「おいおい、朝帰りかよ」
「ごめん…起こしちゃった?」
「いや、それはいい。
それはいいとして、朝帰りしたのは、例のシングルの家に泊まったからか?」
「…
うん…」
「お前、よく泊まれたなあ
子供いるんだろ?
お前のクラスの…」
「…
そうだけど…
カレと話してたら終電に乗りそびれちゃって…」
「ふーん…話ねえ…
それで?」
「それでって?」
「お前も相手もいい大人なんだ。
何もないわけないだろう?
お前の正体もちゃんと知ってて付き合ってるんだろうし」
「それは、まあ…
うん」
「ヤッたのか?」
「ヤッたって…
嫌な言い方するね。
正確に言うなら、ヤろうとしたけど、ヤレなかった。
そんな感じ」
「あー、だいたいわかるわ、そのニュアンス。
でも、よかったな。」
凛太郎は優しげな口調で遥に言った。
「うん…
ありがとう」
遥は顔を赤くして頷き、そそくさと自分の部屋に入っていった。
「遥、大丈夫?
疲れてない?」
「大丈夫よ。
今日着る服とかの事もあるし、一旦帰らないと。」
「わかった。
じゃあ10時頃に迎えにいくから。」
「うん。
ありがとう」
遥は身支度を整えると、玄関に行き、靴を履いた。
「遥…
昨日の夜話した事だけど、俺はそのつもりでいるから…」
良太は真剣な眼差しで遥に後ろから声をかけた。
「良ちゃん
ありがとう…
気持ちはすごく嬉しいしありがたいんだけど、やっぱり自分が女じゃないっていうのがワタシの中ではすごく大きくて…
もっとお互いの事が分かり合えていけたらって、今はそう思ってるの。
せっかく言ってくれてるのに、ワガママ言ってごめんなさい。」
「遥
そうだね
俺の気持ちばっかりぶつけてしまい、申し訳ない事をしたね。
ごめん。
ゆっくり考えてくれていいから…」
良太の言葉に、遥は振り返ると、笑みを浮かべて頷いた。
そして、送っていくと言う良太の厚意を固辞し、一人で出ていった。
背筋が凍るほど寒い…12月の明け方の道
だが、遥はその寒さの中でも心の中は熱くなっていた。
初めて出来た恋人に、結婚を申し込まれた。
恋愛に対して、諦めというか達観した目で見ていた遥にとって、嬉しい誤算だった。
たとえこの恋が上手く実らなかったとしても、人生を勝手に諦めてはいけない…
そんな心境だった。
午前六時前、自宅に戻った遥は、物音を立てないように注意しながら、自分の部屋に荷物を置き、すぐに浴室に移動した。
そして、シャワーを浴びると、髪を乾かし、肌のケアをして、リビングにやってきた。
幸い、凛太郎も大輝も起きておらず、遥はホッとした思いで、水を飲んだ。
しかし、そうはいかないのが世の常で…
自分の部屋に戻ろうとした瞬間、隣の部屋のドアが開き、凛太郎が顔を出した。
「おいおい、朝帰りかよ」
「ごめん…起こしちゃった?」
「いや、それはいい。
それはいいとして、朝帰りしたのは、例のシングルの家に泊まったからか?」
「…
うん…」
「お前、よく泊まれたなあ
子供いるんだろ?
お前のクラスの…」
「…
そうだけど…
カレと話してたら終電に乗りそびれちゃって…」
「ふーん…話ねえ…
それで?」
「それでって?」
「お前も相手もいい大人なんだ。
何もないわけないだろう?
お前の正体もちゃんと知ってて付き合ってるんだろうし」
「それは、まあ…
うん」
「ヤッたのか?」
「ヤッたって…
嫌な言い方するね。
正確に言うなら、ヤろうとしたけど、ヤレなかった。
そんな感じ」
「あー、だいたいわかるわ、そのニュアンス。
でも、よかったな。」
凛太郎は優しげな口調で遥に言った。
「うん…
ありがとう」
遥は顔を赤くして頷き、そそくさと自分の部屋に入っていった。
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