pretty preschool teacher

幸せの意味

三人は、家の近くの公園に行き、ブランコや滑り台で遊んだ。

幼稚園教諭という、子供との遊びのプロフェッショナルである遥は、俊斗を心から楽しめるように演出した。


「やっぱさすがだなあ」

良太は寒さに震えながら、その光景を少し後ろから見つめていた。


「パパもこっち！」


俊斗はブランコに乗りながら、自分の右隣のブランコに乗るように良太に言った。

左隣には遥がブランコに乗り、良太を見て笑っていた。


「よっしゃ！」

良太もブランコに乗り、思いっきり後方に下がると、勢いよく前に飛び出した。

二人よりも大きな軌道を描きながら、高らかに笑った。


「もう、大人げないんだから。」

遥も笑いながら、ブランコを降りると、俊斗の後ろに行き、ブランコを前に力強く押し出した。


「あー、ママもずるいぞー

俊斗の押しちゃダメじゃん」

良太は大笑いしながら遥に言った。


良太自身、こんなに笑ったのはいつ以来だろうかと、そんな思いが頭をよぎった。

妻が突然亡くなり、小さな俊斗を抱えて、一心不乱に頑張ってきた。

それでも男親の弱点が露呈し、上手くいかないことが多々あった。

そんな中で知り合い、好意を抱くことになった遥に、笑顔を取り戻してもらったのである。

遥もようやく、結婚に対して前向きな言葉を発するようになり、良太はこの幸せを絶対に離してはならないと、心に誓った。