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旧交
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「翔子
忙しいのに本当にごめんなさい。」
綺世は、昼間からわざわざ翔子を呼び出してしまった事を深く詫びた。
「ううん。
今、実家に帰ってきてんのよ。
それに、ワタシもアヤと会って話がしたいって思っていたところなのよ。」
「そうなの?
ひょっとして、話したい事って大友組のこと?」
「えっ、なんでわかったの?」
「だって、ワタシが呼び出した理由もそれなんだもの。」
「そうなのね…
じゃあ、アヤから話して。」
「うん。
実は、ワタシの働いているお店のママさんで、ユウさんて方がいるんだけど…
その人の元カレっていうのが、二十何年前の抗争で大友組の手の者に殺されたの。」
「えっ…」
「そのママも今はなんとか立ち直って前向きに生きてらっしゃるんだけど…
今お付き合いされてる方もいて…
今の彼氏は、上本組の人らしいのよ。」
「えっ、ウチの?」
「うん。
その人が教えてくれたらしいんだけど、大友組の息子っていうのが動き出したらしくて、うちの店周辺がシマだから、気をつけろって。」
「そうね…
たしかに、アンタのお店のある場所は、昔抗争が多発したところだし…」
「うん。
ワタシも十分に気をつけるわ。
でも、もう一つ気になる事があるの。」
「どうしたの?」
「翔子には言ってなかったんだけど、うちのパパって、元極道なのよ。」
「ウソ…」
「松山亮輔って名前なんだけど、翔子もそっちの世界にいるなら、うちのパパの名前を耳にしたことがあるかなあって。」
「松山亮輔…
あ、松山綺世!
アンタって松山亮輔の子供だったの!?」
「うん。
その様子だと、知ってるのね。」
「知ってるも何も、この世界にいる者で、その名前を知らない者はいないわ。
岡田未来、新田薫、そしてアンタのお父さんの三人だけで大友組に乗り込んで行って、事実上組を壊滅させたっていう伝説の人よ…」
「うん。
なんでも、大友の息子っていうのが、うちのパパや、未来さん、薫さんを狙ってるから、気をつけろって。」
「そうね。
十分に考えられるわね。
実のところ、ウチも狙われてるって噂よ。
敵対していた垂水組が弱体化して、分裂して出来たのがウチ…
上本組なの。
それも今や日本一の大組織であるし…
大友の息子が名前を売るには、今の垂水組より、旧垂水組の路線が色濃く残るウチを的にかけた方が効果的だとね。」
「えーっ、翔子
大丈夫?」
「大丈夫よ。
ワタシはヤクザだよ。
それも上本組の組長なの。
大友なんて恐るるに足らないわ。」
「もう
ちょっとしたときに、男時代の翔が顔を出すんだから。」
綺世が笑うと、翔子もつられて笑った。
しかし、すぐに真顔になり
「ワタシの心配はいいから、アンタは自分の身のことを第一に考えなさい。
雲行きが怪しくなったら店を辞めることも視野に入れとくべきよ。」
綺世の手を強く握って言った。
忙しいのに本当にごめんなさい。」
綺世は、昼間からわざわざ翔子を呼び出してしまった事を深く詫びた。
「ううん。
今、実家に帰ってきてんのよ。
それに、ワタシもアヤと会って話がしたいって思っていたところなのよ。」
「そうなの?
ひょっとして、話したい事って大友組のこと?」
「えっ、なんでわかったの?」
「だって、ワタシが呼び出した理由もそれなんだもの。」
「そうなのね…
じゃあ、アヤから話して。」
「うん。
実は、ワタシの働いているお店のママさんで、ユウさんて方がいるんだけど…
その人の元カレっていうのが、二十何年前の抗争で大友組の手の者に殺されたの。」
「えっ…」
「そのママも今はなんとか立ち直って前向きに生きてらっしゃるんだけど…
今お付き合いされてる方もいて…
今の彼氏は、上本組の人らしいのよ。」
「えっ、ウチの?」
「うん。
その人が教えてくれたらしいんだけど、大友組の息子っていうのが動き出したらしくて、うちの店周辺がシマだから、気をつけろって。」
「そうね…
たしかに、アンタのお店のある場所は、昔抗争が多発したところだし…」
「うん。
ワタシも十分に気をつけるわ。
でも、もう一つ気になる事があるの。」
「どうしたの?」
「翔子には言ってなかったんだけど、うちのパパって、元極道なのよ。」
「ウソ…」
「松山亮輔って名前なんだけど、翔子もそっちの世界にいるなら、うちのパパの名前を耳にしたことがあるかなあって。」
「松山亮輔…
あ、松山綺世!
アンタって松山亮輔の子供だったの!?」
「うん。
その様子だと、知ってるのね。」
「知ってるも何も、この世界にいる者で、その名前を知らない者はいないわ。
岡田未来、新田薫、そしてアンタのお父さんの三人だけで大友組に乗り込んで行って、事実上組を壊滅させたっていう伝説の人よ…」
「うん。
なんでも、大友の息子っていうのが、うちのパパや、未来さん、薫さんを狙ってるから、気をつけろって。」
「そうね。
十分に考えられるわね。
実のところ、ウチも狙われてるって噂よ。
敵対していた垂水組が弱体化して、分裂して出来たのがウチ…
上本組なの。
それも今や日本一の大組織であるし…
大友の息子が名前を売るには、今の垂水組より、旧垂水組の路線が色濃く残るウチを的にかけた方が効果的だとね。」
「えーっ、翔子
大丈夫?」
「大丈夫よ。
ワタシはヤクザだよ。
それも上本組の組長なの。
大友なんて恐るるに足らないわ。」
「もう
ちょっとしたときに、男時代の翔が顔を出すんだから。」
綺世が笑うと、翔子もつられて笑った。
しかし、すぐに真顔になり
「ワタシの心配はいいから、アンタは自分の身のことを第一に考えなさい。
雲行きが怪しくなったら店を辞めることも視野に入れとくべきよ。」
綺世の手を強く握って言った。
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