新•ニューハーフ極道

フロイライン

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反射

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何故胸を触ったのか?

そう問われた、彼の偉人はこう答えた。


「そこに胸があったから」


と。


自分で望の胸を触っておいて、パニックに陥った佐竹は、そんな訳のわからない事を頭に描きながら、固まった。

しかし


「ちょ、ちょっとおっ!

何するんすかあっ!」

触られた方の望は、佐竹の手を払いのけ、大騒ぎした。


「す、すまん…」


ようやく我に返った佐竹は、望にその場で土下座した。


「マジで、そういうことやめてくれます?

ようやく、吹っ切れて前向きに生きていこうと思ってんのに…

なんか、現実に引き戻されましたよ」


望は、道着を着直しながら、少しキレ気味に言った。


「本当に申し訳ない…」


「もう…」


「でも、早川も悪いぞ。」


「えっ、なんで?」


「そんな体してながら、アンダーシャツも着ずに道着着るから、こんな事になるんだよ。」


「そんなの当たり前じゃないっすか。

佐竹さんも着てないし、俺も一度だってそんなもん着たことないっすよ。」


「いやいや、それは昔の話で、今のお前は女の体をしてるんだ。

女子と同じようにシャツの上から道着を着てもらわないと、俺も困る。」


佐竹も段々キレてきて、少し不機嫌な口調で反論した。



「もう、気をつけて下さいよ、本当に。」


望は、ため息をつき、立ち上がると、佐竹に背を向け、その場から去っていった。


佐竹は、望の後ろ姿を見ながら、あらためて悪いことをしたと、深く反省した。


しかし、望がその場を去ったのは、佐竹に怒りを覚えての事ではなかった。


望は、何者かによって性転換手術をされ、女の体にされてしまった。

もちろん、本人が望んだわけではない。

それ故に、この体になってからというもの、鏡で見るのさえ悍ましく、況してや触る事などあり得なかった。


しかし、思いもよらぬところから、乳房に触れられてしまった。

それも、先輩である佐竹に…


もちろん、驚きはしたが、それよりもショックだったのは、望は、佐竹に胸を触られて、感じてしまったのだ。

その事実が恥ずかしくて、どうしようもない望は、佐竹の顔をまともに見られず、思わず立ち去ってしまったのだった。



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