聖也と千尋の深い事情

フロイライン

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日常の光

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月曜日に初めて一条と一緒に帰ったのを機に、俺達は学校でも連むようになってきた。

でも、一条は人気者でいろんな奴に引っ張りだこだったから、俺なりに少し遠慮をしながら、様子を見計らって話しかけたりしていた。

一条を通じて他のクラスメイトとも少しずつ話が出来るようになり、その辺の事についてはすごく感謝した。

しかし、一条は男子だけじゃなく、そのルックスから女子にも人気があり、女子ともワイワイと話をしている。

そこだけは一条を通じてもムリで、俺にとって女子との会話は皆無だった。


その日もまた、一条と二人で帰ってたんだけど、聞きたかった事があったので、思い切って言ってみた。


「一条って女子とも仲良いやん。

あれってすごいと思う」


「えっ、どういうこと?」


「いや、俺なんて一度も会話したことあらへんし、すごいなあって。」


「何もすごないよ。

奥田だけに言うと、実は女子と会話してる方が楽しいねん。」


「えっ、ウソやん

それはないやろ、女子なんて笑いのレベル低いし」


「何やねん、その笑いのレベルって」

一条はケラケラと笑った。

「あっ、奥田って苗字
何となく呼びにくいって思ててん。

下の名前って聖也やろ?

これから聖也って呼ぶわ。」


「えっ、何で知ってんの?
俺の下の名前」


「そんなん一緒のクラスやねんから、わかるやん。」

「へえ、俺はほとんどわからへん。

一条の下の名前も知らんわ。
なんていうの?」


「千尋っていうねん

千と千尋のちひろや。」


「女子っぽい名前やん。」


「親が千と千尋が大好きで、男でも女でも、どっちが生まれようが千尋にするって決めてたみたいやわ。

それに千尋って男女どっちに付けてもいい名前なんやて。」


「ふーん

でも、一条って女子みたいな顔してるから、その名前よく合ってると思う。」


俺がそう言うと、一条は

「聖也クン

ワタシのこと好きになった?」

と、女声を出して言ってきた。

「な、何やねん!」

俺はビックリして一条を見ると、声を出して笑ってる。


「じゃあ、また明日ー」

ちょうど一条の家の前まで来てたので、エントランスの方に歩きながら手を振ってきた。

そして

「明日から聖也って呼ぶし、僕の事も千尋って呼んでや」

と、言ってドアの向こうに消えてった。


(千尋…)

その名前と、さっき女声で言ってきた事が俺の頭の中で何度も反芻された。

何を動揺してるんだろ…

俺は何とも言えない気分で家路についたのだった。
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