タイは若いうちに行け

フロイライン

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「翔太クンてさあ、元々女の子顔っていうか、可愛い顔してんのよ。」

広野さんはじっと俺の顔を見つめながら言った。


「えっ、そうですか…

自分ではそうでは思えないんですが。」


「すっぴんでそれだから、ちゃんとお化粧したらめちゃくちゃ可愛くなるわよ。」


「化粧…ですか…」


「って言っても、いきなりは無理だし、化粧品も持ってもいないと思うから。

今日はワタシがメイクしてあげる」


「えっ、広野さんが?」


「こう見えてもメイクアップアーティスト志望なのよ、ワタシ」


「へえ、そうなんですかあ」


「そうなのよ。

じゃあ、ワタシのもので悪いんだど、準備するね」


「あ、はい」


化粧されるなんて、ちょっと嫌だったけど、これから女として生きていくためには、必要な事だし、素直に学ばせてもらおうと思った。

でも…


すぐに、広野さんが困ったような顔になった。


「どうしようかな…」


そうなんだ

俺の部屋は男丸出しの部屋で、まともに鏡とかもなく、とてもじゃないが、ここでは化粧なんて到底出来ない感じだった。


広野さんが思案してると、徐に部屋がノックされた。


ノックしたのはお母さんだった。


お茶とお菓子を持って入ってくると、広野さんに


「広野さん、こんにちは

こんな遠いところまでわざわざ来てもらってすみません」

と、恐縮気味に頭を下げた。


「お邪魔しています。

こちらこそ、押しかけてしまって申し訳ありません。
翔太さんのことが心配で、来ちゃいました。」


広野さんもまた恐縮した感じだっだけど、笑みを浮かべて言った。


「広野さん
翔太も辛いとは思うんですが、女性として生きることを決めました。

どうか力になってやって下さい。」


「はい。
勿論です…


あ、そうだ」


広野さんは何か閃いたようで、少し声が上擦った。


「すいません、お母さま

化粧台ってお持ちですか?」


「化粧台…ですか?

ええ、ありますけど
それが、何か?」


「よろしければお貸しいただけませんか

翔太さんに化粧を教えようと思って道具を持ってきたんですけど、この部屋ってホント男の子の部屋って感じで」


広野さんは苦笑いして言った。


「あー、そういうことでしたか

私のでよければどうぞお使いください。」


「ありがとうございます。

それではお言葉に甘えさせていただきます。

翔太クン、行こう」

と、いうことで、俺は広野さんは、いつも化粧に使ってるドレッサー?のところまで、お母さんに案内された。


「うわあ、スゴイ

立派なドレッサーですね」


「そんな事ないんですよ。

自分で組み立てるやつで、主人が作ってくれました。」

お母さんは恥ずかしそうに答えた。
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