タイは若いうちに行け

フロイライン

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何でもない日常

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お付き合いする相手が見つかったとはいえ、急に日々の生活が変わるわけでもなく、翌日からのワタシは、いつもと変わらない日常生活を送っていた。

夕方までアルバイトをするというルーティンもそのまま


帰ってきてからも勿論、何も変わりはしない。

楓悟からLINEや電話がかかってくるけど、これは付き合う前からの事で、今に始まったことではない。


楽しみなのは、休みの日に楓悟に会えることくらいかな。

今度はどこに連れてってくれるんだろう。

あ、そうか

倉敷って言ってたなあ…

楽しみ


なんて事を考えながら出勤した。


いつものようにお店の裏側の従業員入口から入店し、保安のおじさんに挨拶をして、G階段ってところから2階に上がる。
ワタシは制服を貸与されていないので、事務所に荷物を置き、売場に行く。


まだ開店前で薄暗い売場では、既に佐藤チーフと鞄メーカーの派遣販売員の人が来ていた。


「おはようございます。」

ワタシは若者らしく元気に挨拶をした。


「おはよう、酒井さん。」

佐藤チーフは顔を上げると、ワタシを見てニコッと笑った。

ワタシは売場周りの掃除をし、商品を整頓したりして、開店に備えた。


「まもなく開店2分前です」

店内放送が入り、ワタシは掃除道具を直しに行く。

帰ってくると、ちょうど開店時間となり、音楽が流れ出す。


ワタシは通路の前に立ち、お客様をお出迎えする。

音楽が終わると、一礼してカウンターの中に戻る。

これが朝の流れだ。

早番のときはぜったいにコレ。


で、二時間ほど働き、お昼休憩となる。
ここには、その昔は従業員食堂があったらしいが、今はもう無くなっており、ワタシの場合は、休憩中のバッジを付けて、一階に下り、食料品売場でお弁当などを購入する。
それを持って、休憩室に入り、お昼ご飯を食べるのだ。

食堂で、顔見知りになった人がいた場合には、隣に座らせてもらい、おしゃべりしながらご飯を食べる。

ワタシと同年代の人はなかなかいないんだけど、元々女じゃないし、同年代の人がいても多分話が合わないから、別にかまわない。

それより、ワタシのお母さんくらいかそれより、もっと上の年代の人の方が話が合う。

おしゃべりしてたら、あっという間に時間が経ち、ワタシは慌てておトイレに行き、その後、化粧直しをして売場に戻る。
これが、ワタシの昼のすごし方だ。

3時頃に休憩があるんだけど、それもだいたい同じようなすごし方をする。
いつもお菓子をくれる人もいて、何か癒される。

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