泥々の川

フロイライン

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恋を止めないで

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望月は、高そうなイタリアンレストランに久美子を連れて入った。


「へえ、こんな店があったのね。

知らなかったわ。」



「僕も知らなかったんですけど、ほら、ウチで料理番組やってるじゃないですか。

料理地獄って番組。」


「あー、やってるね。

土曜の夕方の」


「番組に出演いただいてるオーナーシェフの林先生のお店がここなんです。

僕も何度か、下打ち合わせで来させてもらってて。

それで。」



「なるほどね。」



「林先生は、気さくな方で、僕みたいなペーペーのADにも声をかけて下さって、是非プライベートでも来て下さいって言って下さったんです。」


「そうなのね。

楽しみだわ。」



「はい。」


望月は、少し緊張気味だったが、顔を紅潮させながら、デートの主導権を握ろうと頑張った。


お互いのことを何も知らない二人は、色々と話をして、距離を縮めようと努力していた。



「ねえ、望月君。」



「はい。」




「望月君はどうしてテレビの世界に入ったの?」


久美子は、フォークを置き、質問した。


「僕ですか…


それは…」



「別に言いにくかったら大丈夫よ。

漠然となんでかなあって思っただけだから。」



「あ、いえ…


あの、きっかけは…


嘘っぽいと思われるかもしれませんが、本当の事なんで…」



「そんな事思わないわよ。

言ってみて」


久美子がそう言うと、望月は頷き、ゆっくりとした口調で話し始めた。
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