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スターへの道
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「史上最も美しいニューハーフと呼ばれた友谷久美子さんと、松永友美子さん
現在のニューハーフブームの礎を築いたと言っても過言じゃありません。
松永さんは、結婚されて今どこにいるのかもわかりませんし、無理に出てきてもらうのもさすがに気が引けます。
久美子さんも、一応引退はされてますが、こうしてテレビにも出てらっしゃいます。
それに、松永さんより若いですし、今もその美貌は健在です。」
「いえ、そんなことは…」
「失礼ですけど、久美子さんて今おいくつですか」
「えっと、二十五です。」
「まだ全然若いじゃないですか!
ジローさん、久美子さん
これは、テレビマンとしてのカンなんですが、ニューハーフブームはこんなもんじゃ終わりませんよ。
もっとすごい事になります。
そして、最強の久美子さんがメディアに復活すれば、このニューハーフブームの最後のピースが埋まるんです。」
「おいおい、大げさだなあ。
まあ、たしかに久美子は美人だし、世間のニューハーフへの偏見も薄れてきた今、もう一回芸能界で頑張れば、相当人気が出ると思うよ、俺も。」
「もう、ジローさんまで…」
「なあ、久美子
俺たちの仕事ってのはな、自分達で引退を決められるもんじゃないんだよ。
需要があるかないかは視聴者が決めるんだ。
求められてるうちが華ってわけさ。
それに、お前もこのまま隠居しようってわけじゃねえだろ?
たしかに色々あって、しばらく休みたいって言ったお前の気持ちもよくわかる。
だけど、まだ二十代半ばの一番いい時期じゃねえか。
俺は悪い話じゃないと思うがな。」
「でも、ジローさん
ワタシは恭子の事を…」
「それはわかるが、恭子ちゃんの事を一日中心配したからって、事件の解決が早まるわけでもねえよ。
逆にお前さんの方がマイッちまうよ。
ここは、メリハリ付けてさあ、並行して活動するのもいいと思うぜ。
気分転換て意味でもな。」
「事務所にもワガママ言って辞めさせてもらったっていうのもあるし、今さら復帰させて欲しいなんて言えないわ。」
「だったら、俺がマネージャーになってやるよ。
運転だって出来るし、一応この世界の連中への顔もきくし。
後はスケジュール管理さえキッチリすればいいんだろ?」
「ジローさん、その案!
いいですよ!!
それで行きましょう!」
戸惑う久美子をよそに、立川とジローは二人だけで盛り上がり、話をつけてしまった。
久美子は、あまり乗り気はしなかったが、ジローのセカンドキャリアへの道が開けるなら、それでもいいと、この話を受ける事にしたのだった。
現在のニューハーフブームの礎を築いたと言っても過言じゃありません。
松永さんは、結婚されて今どこにいるのかもわかりませんし、無理に出てきてもらうのもさすがに気が引けます。
久美子さんも、一応引退はされてますが、こうしてテレビにも出てらっしゃいます。
それに、松永さんより若いですし、今もその美貌は健在です。」
「いえ、そんなことは…」
「失礼ですけど、久美子さんて今おいくつですか」
「えっと、二十五です。」
「まだ全然若いじゃないですか!
ジローさん、久美子さん
これは、テレビマンとしてのカンなんですが、ニューハーフブームはこんなもんじゃ終わりませんよ。
もっとすごい事になります。
そして、最強の久美子さんがメディアに復活すれば、このニューハーフブームの最後のピースが埋まるんです。」
「おいおい、大げさだなあ。
まあ、たしかに久美子は美人だし、世間のニューハーフへの偏見も薄れてきた今、もう一回芸能界で頑張れば、相当人気が出ると思うよ、俺も。」
「もう、ジローさんまで…」
「なあ、久美子
俺たちの仕事ってのはな、自分達で引退を決められるもんじゃないんだよ。
需要があるかないかは視聴者が決めるんだ。
求められてるうちが華ってわけさ。
それに、お前もこのまま隠居しようってわけじゃねえだろ?
たしかに色々あって、しばらく休みたいって言ったお前の気持ちもよくわかる。
だけど、まだ二十代半ばの一番いい時期じゃねえか。
俺は悪い話じゃないと思うがな。」
「でも、ジローさん
ワタシは恭子の事を…」
「それはわかるが、恭子ちゃんの事を一日中心配したからって、事件の解決が早まるわけでもねえよ。
逆にお前さんの方がマイッちまうよ。
ここは、メリハリ付けてさあ、並行して活動するのもいいと思うぜ。
気分転換て意味でもな。」
「事務所にもワガママ言って辞めさせてもらったっていうのもあるし、今さら復帰させて欲しいなんて言えないわ。」
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戸惑う久美子をよそに、立川とジローは二人だけで盛り上がり、話をつけてしまった。
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