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正義なき世界
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警察で保護出来ない事を、ジローや江藤に叱責され、困惑の表情を浮かべる柳原だったが
「理由は後で話します。
とにかく、先ずはここを離れましょう。」
と、諭すように言った。
久美子は、恭子を抱き抱えるようにして
「恭子、大丈夫?
歩ける?」
と、優しい口調で問いかけた。
だが、恭子は心ここに在らずといった感じで、目の焦点が合っておらず、久美子の言葉にも無反応だった。
五人はタクシーを拾うために、大通りまで移動する事にした。
「こっちに行けば、タクシーが拾えます。
急ぎましょう。」
柳原が大通りの方を指差して言うと、江藤が
「あっ」
と、声を出した。
なんと、大通りを左折してこちらに向かってくる車があった。
それも…
「おい、パトカーが来たぞ。
なんだ、ちゃんと保護してもらえんじゃねえか。」
ジローが安堵の表情を浮かべて言うと、江藤と久美子もホッとした様子で顔を見合わせたが…
しかし、柳原だけは顔面蒼白で固まってしまった。
パトカー二台から降りてきたのは、制服の警官二名と、課長の竹之内だった。
竹之内は、タバコを吸いながら、柳原の前に来て
「おい、柳原
オマエ、どういうつもりだ?」
と、だるそうな口調で言った。
「自分は…」
「言っただろう?
この事件に首を突っ込むなって。
お前、警察官を辞めたいのか?」
「…」
「ちょっと待ってくれ!
アンタ、俺たちの話を聞いてくれた人じゃねえか!
なんだよ、今の話は!」
ジローは、竹之内に詰め寄ったが
「後はこちらでやりますので、皆さんはお引き取り下さい。
おい、彼女を早く乗せろ。」
竹之内は制服の警官に指示を出し、恭子をパトカーに乗せようとした。
「やめて下さい!
恭子をどうするつもりなんですか!
やっと見つける事が出来たのに」
久美子は、恭子と警官の間に割り込んで、必死に抵抗したが、竹之内は
「これ以上、聞き分けのない事をされると、公務執行妨害で、皆さんを逮捕しなけれはならなくなりますが、かまいませんか?」
と、丁寧ながら、冷たい口調で言い放った。
恭子は、警官によって久美子から引き離されてしまい、久美子は、その光景を見つめる事しか出来なくなってしまった。
なす術もなく立ち尽くす、柳原と久美子ら一行だったが…
次の瞬間、彼ら四人と、竹之内達が一斉に後ろを振り返った。
「理由は後で話します。
とにかく、先ずはここを離れましょう。」
と、諭すように言った。
久美子は、恭子を抱き抱えるようにして
「恭子、大丈夫?
歩ける?」
と、優しい口調で問いかけた。
だが、恭子は心ここに在らずといった感じで、目の焦点が合っておらず、久美子の言葉にも無反応だった。
五人はタクシーを拾うために、大通りまで移動する事にした。
「こっちに行けば、タクシーが拾えます。
急ぎましょう。」
柳原が大通りの方を指差して言うと、江藤が
「あっ」
と、声を出した。
なんと、大通りを左折してこちらに向かってくる車があった。
それも…
「おい、パトカーが来たぞ。
なんだ、ちゃんと保護してもらえんじゃねえか。」
ジローが安堵の表情を浮かべて言うと、江藤と久美子もホッとした様子で顔を見合わせたが…
しかし、柳原だけは顔面蒼白で固まってしまった。
パトカー二台から降りてきたのは、制服の警官二名と、課長の竹之内だった。
竹之内は、タバコを吸いながら、柳原の前に来て
「おい、柳原
オマエ、どういうつもりだ?」
と、だるそうな口調で言った。
「自分は…」
「言っただろう?
この事件に首を突っ込むなって。
お前、警察官を辞めたいのか?」
「…」
「ちょっと待ってくれ!
アンタ、俺たちの話を聞いてくれた人じゃねえか!
なんだよ、今の話は!」
ジローは、竹之内に詰め寄ったが
「後はこちらでやりますので、皆さんはお引き取り下さい。
おい、彼女を早く乗せろ。」
竹之内は制服の警官に指示を出し、恭子をパトカーに乗せようとした。
「やめて下さい!
恭子をどうするつもりなんですか!
やっと見つける事が出来たのに」
久美子は、恭子と警官の間に割り込んで、必死に抵抗したが、竹之内は
「これ以上、聞き分けのない事をされると、公務執行妨害で、皆さんを逮捕しなけれはならなくなりますが、かまいませんか?」
と、丁寧ながら、冷たい口調で言い放った。
恭子は、警官によって久美子から引き離されてしまい、久美子は、その光景を見つめる事しか出来なくなってしまった。
なす術もなく立ち尽くす、柳原と久美子ら一行だったが…
次の瞬間、彼ら四人と、竹之内達が一斉に後ろを振り返った。
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