鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

副作用

「校長先生、見ましたよテレビ」

校長室を訪れた高山は少し興奮した面持ちで言った。

「見ていただきましたか。

この前の紅陽との練習試合で、たまたま向こうさんの取材で張り付いていたクルーが、新田さんに注目してくれましてねえ。

翌日の朝の情報番組と夕方のニュースで取り上げてくれまして、すごい反響です。」


「いやあ、すごいですね。

あの薬を提供する事が出来て、私としても嬉しいですよ。」


「このまま上手く進んでくれるといいのですが…

ところで、高山先生、今日はどういうご用で？」


「ええ。
その新田さんについてなんですが、何か言ってきてはいませんか？」

「いえ、こちらには…」

「そうですか…なら、いいんですが」

「ひょっとして、この前おっしゃっていた副作用についてですか？」

「ええ。まあ…

正直申しまして、まだまだ手探り状態の部分が多いので、今はまだ何とも言えないのですが…

あの薬は肉体の運動能力を飛躍的に伸ばす事が出来ると同時に、異常な性欲が湧くということがわかりました。

最初から大体の事は想定していたのですが、こちらの予測を上回る数値を示しましたので、心配になってこうして馳せ参じたわけなんです。」

「うーん

どうなんでしょうか。私が見る限り、本人に変わった点は見受けられませんがねえ」


「新田さんは、しっかりとした真面目なお嬢さんに見受けられましたので、まあその辺は大丈夫だと思うことにしますよ。」


高山は楽観的な感想を述べ、帰っていった。


しかし…