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準々決勝
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「あと三つ」
三つ勝てば全国行きの切符を手にする。
そして、その三つ勝てばいい相手は…
決勝は、言わずと知れた紅陽
準決勝は、おそらく美蘭
今日の相手は、英知女子
実力的には、鐘ヶ岡がやや上と言われているが、チームの中心メンバー三人が不調とあって、この試合がどう転がるかわからない。
だが、まどか自体は隔離対策により、調子を取り戻していた。
元々、薬による肉体機能の向上で、フツーにやれば、高校生の女子で敵うものなど誰もいない。
問題があるとすれば、試合中に欲情してしまい下半身の制御が利かなくなる事…
それが怖い。
しかし…
元来、真面目でストイックなまどかは、薬の副作用に打ち勝つべく、強い精神力で自分を律し、万全の状態で、この試合に臨むことが出来たのだった。
この日の朝、しばらくぶりにチームメイトと合流したまどかは、唯一の不安材料である、連携プレイの練習を軽くした後、バスに乗り込み、試合会場に向かった。
「いよいよ、準々決勝ですね。」
久々に学校を訪れた高山は、校長の佐藤に話しかけた。
「決勝まではフツーに進めそうです。
まあ、例年、決勝まで行く事が殆どでしたからね。
そして、その決勝全ての試合で、紅陽に敗れてきました。
これまではね。
高山先生、本当にあなたが開発した薬の力で、紅陽に勝てるんでしょうか。」
「それは、わかりません。
ろくな試験もせずに、ぶっつけ本番で新田さんに使ったんですから。」
「ちょっと待ってください
最初のときに言ってたのと、話が違ってきてるんじゃありませんか?」
「まあ、後になってわかる事も多々ありましてね。
これほどまでに酷い副作用が出るとは思ってもみませんでした。」
「酷い副作用って、例の男性器が生えてくるやつですか?」
「それは、最初からわかっていた事ですので、今の状況は織り込み済みです。」
「それじゃあ、どんな?」
「異常な性欲に見舞われるってことです。」
「新田さんは、その異常な性欲に苦しんでるっていうんですか?」
「そうです。
しかし、驚きました。」
「何がです?」
「新田さんの精神力にですよ。
薬の副作用による性欲っていうのが、それは凄まじいもので、覚醒剤による禁断症状より酷いんです。
その何倍もね。
並の人間なら、延々とセックスをし続けて死んでしまうようような状態に陥ってもおかしくないんですが、新田さんはよく抑え込んでいる。」
高山が、感心したような口ぶりで言うと
「まるで他人事ですね。
酷い人だ、あなたは。」
佐藤は、吐き捨てるように言い、高山を睨みつけた。
三つ勝てば全国行きの切符を手にする。
そして、その三つ勝てばいい相手は…
決勝は、言わずと知れた紅陽
準決勝は、おそらく美蘭
今日の相手は、英知女子
実力的には、鐘ヶ岡がやや上と言われているが、チームの中心メンバー三人が不調とあって、この試合がどう転がるかわからない。
だが、まどか自体は隔離対策により、調子を取り戻していた。
元々、薬による肉体機能の向上で、フツーにやれば、高校生の女子で敵うものなど誰もいない。
問題があるとすれば、試合中に欲情してしまい下半身の制御が利かなくなる事…
それが怖い。
しかし…
元来、真面目でストイックなまどかは、薬の副作用に打ち勝つべく、強い精神力で自分を律し、万全の状態で、この試合に臨むことが出来たのだった。
この日の朝、しばらくぶりにチームメイトと合流したまどかは、唯一の不安材料である、連携プレイの練習を軽くした後、バスに乗り込み、試合会場に向かった。
「いよいよ、準々決勝ですね。」
久々に学校を訪れた高山は、校長の佐藤に話しかけた。
「決勝まではフツーに進めそうです。
まあ、例年、決勝まで行く事が殆どでしたからね。
そして、その決勝全ての試合で、紅陽に敗れてきました。
これまではね。
高山先生、本当にあなたが開発した薬の力で、紅陽に勝てるんでしょうか。」
「それは、わかりません。
ろくな試験もせずに、ぶっつけ本番で新田さんに使ったんですから。」
「ちょっと待ってください
最初のときに言ってたのと、話が違ってきてるんじゃありませんか?」
「まあ、後になってわかる事も多々ありましてね。
これほどまでに酷い副作用が出るとは思ってもみませんでした。」
「酷い副作用って、例の男性器が生えてくるやつですか?」
「それは、最初からわかっていた事ですので、今の状況は織り込み済みです。」
「それじゃあ、どんな?」
「異常な性欲に見舞われるってことです。」
「新田さんは、その異常な性欲に苦しんでるっていうんですか?」
「そうです。
しかし、驚きました。」
「何がです?」
「新田さんの精神力にですよ。
薬の副作用による性欲っていうのが、それは凄まじいもので、覚醒剤による禁断症状より酷いんです。
その何倍もね。
並の人間なら、延々とセックスをし続けて死んでしまうようような状態に陥ってもおかしくないんですが、新田さんはよく抑え込んでいる。」
高山が、感心したような口ぶりで言うと
「まるで他人事ですね。
酷い人だ、あなたは。」
佐藤は、吐き捨てるように言い、高山を睨みつけた。
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