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追求
しおりを挟む翌日から俺は女装したまま家に帰ることにした。我ながらなかなか大胆な行動に出たもんだ。
前日に真相を話し、納得してるはずの圭太も
唖然として俺の姿を見つめた。ここで恥ずかしがると余計に疑惑を膨らませる事になるので、俺は堂々と振る舞い、化粧を落としてから風呂に入った。
風呂から上がるとようやくいつも見慣れた俺の姿になった為、圭太の見る目も元に戻った。
しかし、風呂上がりの俺から視線を一向に外そうとしない。
「何ジロジロ見てんだよ」
俺は耐えきれず、怒り口調でたしなめた。
「いくら化粧落としても、なんかお前の雰囲気… 変わったなあって思てな。」
「別に変わってねーよ」
「いや、変わったわ。髪型、眉毛の揃え方、爪の切り方にいたるまで、全部が変わったって。」
「これは仕事上 やむを得ずやってる事だ。」
俺は顔を真っ赤にして反論した。
圭太の指摘通り、俺の髪型や眉毛は女性っぽく整えられておりそう言われても仕方ない感は否めなかった。店の先輩達が皆キレイでライバル意識ってわけじゃないけど、俺も少しでも近づきたいって思ってるうちにこうなってしまったってわけだ。
「とりあえず寝るわ。」
そう言って俺は部屋に戻った。
浪人生という立場上、少し勉強しようかと思ったが、仕事の疲れには勝てずベッドに直行した。ベッドの中に入り、眠りにつくまでの間、圭太に言われた言葉が頭の中を反芻していた。そんなに女っぽくなってるのかな…
いやいや、まだまだ足りない。
俺はもっとキレイになりたいし、もっと女っぽくなりたいんだ。
実は最近密かに思ってる計画を実現させたいんだけど、具体的にどうすれば良いのかもわからない。
やっぱり俺はのめり込むタイプだよな…
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