ニューハーフな生活

フロイライン

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交わらない線

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ワタシは、沙耶香の真意が掴めず、彼女が風俗の仕事をする事に反対も出来ず、ただ、時間だけが過ぎていった。

家での沙耶香はごくフツーで、これまでとワタシへの接し方も変わらない。

だから、ワタシ達は今まで通り仲良く暮らす事が出来た。

しかし、夜の生活は完全になくなってしまった。

ワタシとしては、有り難かったんだけど、実際にそうなってしまうと、何か腑に落ちないものが出てきてしまって…

こうして同棲生活を続けていくことが意味のあるものなのかどうか、さっぱりわからなくなってしまったのだ。

でも、こういう事態を招いたのは、全てワタシが悪いわけで、沙耶香が咎められるべき点は一つもない。

沙耶香の仕事はデリヘルで、泊まりになる事もあって、何日もワタシと顔を合わさなかったりして、すれ違いの状況が生まれてしまった。

ワタシも佳澄の部屋に泊まりに行く回数も増え、長ければ一週間くらい、沙耶香と顔を合わさないときもあった。


そして、今日もワタシは佳澄の家に来ていた。

もう、ワタシはダメなのである。

この佳澄の魅力にどっぷりとハマってしまい、少しでも彼女と一緒にいたいと思ってしまう。




「ねえ、佳澄」


「はい。ユキ様
どうされたんですか」


「ワタシさあ、今のお仕事に、ちょっと行き詰まりを感じてるんだよね。」


「えっ…」


「カミングアウトさせてもらって、こんな姿で働く事も許されてるんだけど、周りに気を遣わせてしまってるのが、なんだか辛くてね。」


「それは、考え過ぎじゃないんですか。
気を遣ってるんじゃなくて、ユキ様を女性として扱ってくれているから、そう感じるだけですよ。」


「そうかなあ。」


「きっと、そうです。」


佳澄は、真っ直ぐな目でワタシにそう言った。


「ねえ、佳澄

ワタシが会社を辞めるって言ったら、どう思う?」


「えっ!」


佳澄は、目を見開き、大きな声を上げた。
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