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人間やめますか?男である事をやめますか?
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「桑原
診察の時間だ。
出ろ!」
独房に一人でいた和人に、看守の男が声をかけた。
和人は素直に従い、房を出たが、歩き方が変で、その速度もゆっくり目だった。
「桑原」
「はい。」
「しかし、気の毒な事だな。」
「何がですか?」
「それだよ、それ」
和人の前を歩いていた看守の男は、振り返りながら、和人の股間を指差した。
「あ、これですか…」
「いくら強制労働から免れるためにとはいえ、タマ二つ取っちゃうんだからなあ。
見上げたもんだよ。」
「会長から、ここからは一生出られないんだから、別にいいだろうと言われまして…」
「フフッ
オマエさんは相当にバカだなあ。
いや、馬鹿正直だって言うべきか。」
「どういうことですか?」
「会長の言った通り、たしかにここから出る事は不可能だ。
オマエ達は、莫大な借金を抱える多重債務者だからな。
厳しく接しているのも、お前らには人権など存在しないからだ。
しかしだ。
よく考えてみろ。
この中じゃあ会長が作った法律が全てだが、外の世界は違う。
ここの事が世間に知れてみろ。
お前らは自由の身となり、会長をはじめ、ウチの会社は袋叩きにあって、最悪は倒産もあり得る。
その奇跡に賭けたいと思わないか?」
「たしかに…
この情報化社会であれば、ずっと隠し通すなんて事は不可能だと思いますし…」
「だが、お前はそのチャンスを逃した。
会長に唆されて、タマを取っちまったんだからな。
万が一、外に出られたとしても、お前はもう男じゃない。」
看守の男は、そう言うと、ケラケラと笑った。
診察の時間だ。
出ろ!」
独房に一人でいた和人に、看守の男が声をかけた。
和人は素直に従い、房を出たが、歩き方が変で、その速度もゆっくり目だった。
「桑原」
「はい。」
「しかし、気の毒な事だな。」
「何がですか?」
「それだよ、それ」
和人の前を歩いていた看守の男は、振り返りながら、和人の股間を指差した。
「あ、これですか…」
「いくら強制労働から免れるためにとはいえ、タマ二つ取っちゃうんだからなあ。
見上げたもんだよ。」
「会長から、ここからは一生出られないんだから、別にいいだろうと言われまして…」
「フフッ
オマエさんは相当にバカだなあ。
いや、馬鹿正直だって言うべきか。」
「どういうことですか?」
「会長の言った通り、たしかにここから出る事は不可能だ。
オマエ達は、莫大な借金を抱える多重債務者だからな。
厳しく接しているのも、お前らには人権など存在しないからだ。
しかしだ。
よく考えてみろ。
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その奇跡に賭けたいと思わないか?」
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「だが、お前はそのチャンスを逃した。
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看守の男は、そう言うと、ケラケラと笑った。
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