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第2章 獄中生活
第四十八話
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牢獄に入って早いもので一ヶ月が過ぎた。
僕は四人部屋の雑居房で本を読んでいた。
時刻は二十時をまわったとこ。
十畳くらいの部屋の四隅にそれぞれの机と椅子、そしてベッドが置かれている。
奥には洗面台と和式の水洗トイレ。
あとは机の上に私物を置く簡素な木の棚があるだけの殺風景な部屋。
(あと一時間で消灯か…)
二十一時には就寝時間となり眠くなくてもベッドで横にならなければならない。
これといって夜はイベントがないのでそのまま落ちるつもりだ。
(現実と同じ時間軸なのがなあ……)
不満を僕は胸の内でぼやいた。
現実と同じ時間軸でここは過ぎている。
平日の昼間はそこそこイベントがあるけど、土日の休日は獄中のイベントも特に変わりなく過ごすことになる。ぶっちゃけつまらない。
僕のような半分引きこもりのPCはともかく、昼間は学校や会社に行ってるPCは特につまらなく感じると思う。
課金して早く出てくださいと催促されてるような気がする。
若しくはゲームを辞めろと言われてる気がするのは僕の気のせいだろうか?
まあ、そこは置いておいて僕がいま読んでいる本は小説。赤川○郎の三毛猫○ームズシリーズだ。
昔からある有名な作家の小説を仮想世界で読むには理由があった。
きちんと読むとSPが習得できてINTとMNDも上がるのだ。
SP1、INTとMNDも1上昇と微々たるモノだけど、回数こなせばかなり上がると思う。
ぶっちゅけ盾役のタンクの僕にはINTはともかくMNDの上昇は魅力的だ。
そんなわけで読んでいるんだけど案外面白い。
最初は面倒くさくて本をパラ見したり流し読みしたら上がらなかった。
どうやらきちんと読むことが重要らしい。
ちゃんと読まないとSPが習得しないしINTとMNDが上がらない。
ゲームの中で読書…(笑)と思わなくもないけど仕方ない。
とりあえず僕は面白そうな本を選んで読んでいる。
レベル上げが満足にできない状況でSPとステータスが少しとはいえ上がるのは非常に助かるしね。
貸し出し許可の本ならなんでもいいみたいだけど、今のところ夜の余暇時間くらいしか読む時間がない。
昼間は何気に忙しいし就寝時間にこっそり読むと規律違反で連行される。
そうなったら独居房に移されて取り調べを受けたあと、審査会なるものを受けて懲罰を与えられる。
規律違反を犯した時点でアウトだ。速攻で看守が来て連行されると聞いた。
そうなると下手をしたら刑期が延びる場合がある。
ここは大人しく規則正しい生活をするしかない。
朝は六時に起床。
朝の点呼の前に部屋の掃除を僕と同じ部屋の人(といってもNPC)三人と手分けして手早く掃除してベッドの上で正座して点呼を待つ。
点呼のあとは朝食。
小学校とか中学校の給食で使うような食器に盛られた食事は普通に美味かった。
こういう所のごはんって不味いイメージがあったけど、そんなにひどいモノは出てこなかった。
普通に朝はごはん、味噌汁、漬物と納豆とか海苔佃煮、シーチキンとかフレーク系が食卓に並ぶ。
米は麦飯ってイメージあったけど少し麦が入っているだけで、ほとんど白米と変わらなかったし。
あと昼と夕食は肉系と魚系のレトルトが多かった(笑)
ファンタジー世界でこれはないだろう…と思ったけどリアルに準じている影響でこうなっているんだろうと僕は推測する。
運営さん。もうちょっとやりようがなかったの?と僕は思った。
あと週一でカレーやシチュー(レトルトではない)が昼に出たり、何気に昼食に出るパン食が美味かった。
ただの食パンとジャム、マーガリン、小倉あんなんだけど、食パンに挟んで食べると何故か美味く感じてしまった。
平日の午前中は工場へ行って作業。
ここに入った最初の二週間は新入期間でここでのルールを教える為の訓練をやらされた。
教室で看守の講和を聞いたり、運動場で行進や整列の訓練をやらされていた。
話は退屈で訓練もどこぞの軍隊みたいにしごかれて大変だった…。
それらが終わったあと僕は配属される工場に移された。
僕が配属された場所は鍛治工場。
武器や防具の強化や作製をする作業だ。
そこで僕は【鍛治師】と【槌使い】のジョブスキルを習得した。
まあ【鍛治師】は別に欲しくなかったジョブだったけど、ここでは転職せずにレベルとスキルを上げれるみたいだ。
シャバだといちいち転職してジョブを変えないとレベルを上げることができない。
そのことを考えれば戦士のままで鍛治師のレベルが上げれるのは得だと思った。
自分で強化とかできれば楽だしね(笑)
合間に運動の時間がある。
運動場で他のNPCと一緒に#運動をするんだけどかなりキツい内容だった。
軽くランニングがてらの__・__#サーキットトレーニングから始まり、腕立て、腹筋、スクワットなどの基本的な筋トレを百、二百単位で何セットもこなした。
少しでも遅れたり休んだりすると看守に怒られる。
この仮想体だからこなせるだけで、ぶっちゃけリアルでこれをやれと言われたら絶対にできない。
それぐらいキツい運動だった…。
でも運動をこなすとHPとSTRとAGIが上がる。
その日によって上がる数値が変わるけど大体2~5くらい上がる。
イベントによってステータスが上がるのはいいけど、逆に上がらないイベントは萎える。
例えば作文や感想文。
自分の生い立ちや今回起こした事件の反省文を400字詰め原稿用紙に何枚も書かなきゃいけないイベントは、ぶっちゃけ面倒くさい。
自分の生い立ちってなに書けばいいの?
看守に聞いたら幼少期から今に至るまでのことを書けばいいと言われたけど、正直どう書けばいいのかわからなかった。
悩んだ末、僕は普通に現実にあった自分のことを書いてみた。
ていうかそれしか書くことがない。
ファントムというキャラの設定を書くのかとも思ったけど、そんな設定を考えて作ったわけじゃないし(笑)
ここに入ることになった事件のことについても、書くことがなくて苦労した。
妹が僕の仮想体を勝手に使ってやっちゃったことだから経緯が全くわからない。
聞いてみても「ムカついたから殴った」の一点張り。
詳しく話してもくれなかった。
誰かに尋ねようにも現場には当事者しかいなかったみたいだし、被害者に聞く勇気なんて持ち合わせていない僕は、殴ってごめんなさい的なことを言い方を変えて書くことしかできなかった。
なにより書き上げても僕になんの利益もないのがイヤだった。
まだステータスかSPもらえるならやる気がでるのに…。
そんなこんなで僕は昼間は更生?を、夜は二十一時には落ちて零時には寝るという規則正しい生活を送っていた。
最初は犯罪者と集団生活をおくれるか不安だったけど、過ごしてみると案外苦じゃなかった。
少年房は基本私語厳禁なので、誰かに話しかけられることは滅多にないから精神的にとても楽だ。
おかしな話だけど、集団生活なのにお互いの干渉が必要最低限しか交流がないこの生活は僕にとって過ごしやすい環境だった。
このまま仮退院するまで居てもいいかなと思うくらいに居心地が良かった。
冒険のことを考えるとバイトして課金しようかなと考えてしまうけど、僕はもう少しここで過ごして様子を見てみようと思う。
少年房は、新入から前期、後期、出院準備の房に分かれている。
僕が今いるのは前期。
全てのイベントを見ることを考えると数ヶ月くらい課金して違う房に移ったほうがいいんじゃないかと考えている。
どうせなら一通りどんなイベントがあるのか確認したいしね。
『読了しました!ファントムはSPを1獲得しました』
『ファントムのINTが1上昇しました!』
『MNDが1上昇しました!』
就寝前に読み終えるとシステムメッセージが流れた。
よしよし。順調に上がっていることに一人ほくそ笑む僕。
「就寝準備!」
外から看守の声が響き渡った。
その声を聞いた僕達は素早い動きでベッドの上に畳んであった布団を敷いていく。
そして服を脱ぎ、代わりにハンガーにかけていたパジャマを着る。
準備を整えた僕達はそれぞれのベッドの上で正座して待機。
端の部屋から順番に看守が点呼をとっていく。
自分の部屋の番になって点呼をとったあとも終わるまで待機。
「就寝!」
看守の声とともに室内の灯りが消えた。
といっても常夜灯の灯りで室内を見回せるくらいは明るい。
僕達は布団に入って横になる。
「おやすみ」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
外に聞こえないようにヒソヒソ声で挨拶するみんなに、僕も「おやすみ」と返した。
さて、落ちるか。
やることのなくなった僕はメニューを開いてログアウトした。
僕は四人部屋の雑居房で本を読んでいた。
時刻は二十時をまわったとこ。
十畳くらいの部屋の四隅にそれぞれの机と椅子、そしてベッドが置かれている。
奥には洗面台と和式の水洗トイレ。
あとは机の上に私物を置く簡素な木の棚があるだけの殺風景な部屋。
(あと一時間で消灯か…)
二十一時には就寝時間となり眠くなくてもベッドで横にならなければならない。
これといって夜はイベントがないのでそのまま落ちるつもりだ。
(現実と同じ時間軸なのがなあ……)
不満を僕は胸の内でぼやいた。
現実と同じ時間軸でここは過ぎている。
平日の昼間はそこそこイベントがあるけど、土日の休日は獄中のイベントも特に変わりなく過ごすことになる。ぶっちゃけつまらない。
僕のような半分引きこもりのPCはともかく、昼間は学校や会社に行ってるPCは特につまらなく感じると思う。
課金して早く出てくださいと催促されてるような気がする。
若しくはゲームを辞めろと言われてる気がするのは僕の気のせいだろうか?
まあ、そこは置いておいて僕がいま読んでいる本は小説。赤川○郎の三毛猫○ームズシリーズだ。
昔からある有名な作家の小説を仮想世界で読むには理由があった。
きちんと読むとSPが習得できてINTとMNDも上がるのだ。
SP1、INTとMNDも1上昇と微々たるモノだけど、回数こなせばかなり上がると思う。
ぶっちゅけ盾役のタンクの僕にはINTはともかくMNDの上昇は魅力的だ。
そんなわけで読んでいるんだけど案外面白い。
最初は面倒くさくて本をパラ見したり流し読みしたら上がらなかった。
どうやらきちんと読むことが重要らしい。
ちゃんと読まないとSPが習得しないしINTとMNDが上がらない。
ゲームの中で読書…(笑)と思わなくもないけど仕方ない。
とりあえず僕は面白そうな本を選んで読んでいる。
レベル上げが満足にできない状況でSPとステータスが少しとはいえ上がるのは非常に助かるしね。
貸し出し許可の本ならなんでもいいみたいだけど、今のところ夜の余暇時間くらいしか読む時間がない。
昼間は何気に忙しいし就寝時間にこっそり読むと規律違反で連行される。
そうなったら独居房に移されて取り調べを受けたあと、審査会なるものを受けて懲罰を与えられる。
規律違反を犯した時点でアウトだ。速攻で看守が来て連行されると聞いた。
そうなると下手をしたら刑期が延びる場合がある。
ここは大人しく規則正しい生活をするしかない。
朝は六時に起床。
朝の点呼の前に部屋の掃除を僕と同じ部屋の人(といってもNPC)三人と手分けして手早く掃除してベッドの上で正座して点呼を待つ。
点呼のあとは朝食。
小学校とか中学校の給食で使うような食器に盛られた食事は普通に美味かった。
こういう所のごはんって不味いイメージがあったけど、そんなにひどいモノは出てこなかった。
普通に朝はごはん、味噌汁、漬物と納豆とか海苔佃煮、シーチキンとかフレーク系が食卓に並ぶ。
米は麦飯ってイメージあったけど少し麦が入っているだけで、ほとんど白米と変わらなかったし。
あと昼と夕食は肉系と魚系のレトルトが多かった(笑)
ファンタジー世界でこれはないだろう…と思ったけどリアルに準じている影響でこうなっているんだろうと僕は推測する。
運営さん。もうちょっとやりようがなかったの?と僕は思った。
あと週一でカレーやシチュー(レトルトではない)が昼に出たり、何気に昼食に出るパン食が美味かった。
ただの食パンとジャム、マーガリン、小倉あんなんだけど、食パンに挟んで食べると何故か美味く感じてしまった。
平日の午前中は工場へ行って作業。
ここに入った最初の二週間は新入期間でここでのルールを教える為の訓練をやらされた。
教室で看守の講和を聞いたり、運動場で行進や整列の訓練をやらされていた。
話は退屈で訓練もどこぞの軍隊みたいにしごかれて大変だった…。
それらが終わったあと僕は配属される工場に移された。
僕が配属された場所は鍛治工場。
武器や防具の強化や作製をする作業だ。
そこで僕は【鍛治師】と【槌使い】のジョブスキルを習得した。
まあ【鍛治師】は別に欲しくなかったジョブだったけど、ここでは転職せずにレベルとスキルを上げれるみたいだ。
シャバだといちいち転職してジョブを変えないとレベルを上げることができない。
そのことを考えれば戦士のままで鍛治師のレベルが上げれるのは得だと思った。
自分で強化とかできれば楽だしね(笑)
合間に運動の時間がある。
運動場で他のNPCと一緒に#運動をするんだけどかなりキツい内容だった。
軽くランニングがてらの__・__#サーキットトレーニングから始まり、腕立て、腹筋、スクワットなどの基本的な筋トレを百、二百単位で何セットもこなした。
少しでも遅れたり休んだりすると看守に怒られる。
この仮想体だからこなせるだけで、ぶっちゃけリアルでこれをやれと言われたら絶対にできない。
それぐらいキツい運動だった…。
でも運動をこなすとHPとSTRとAGIが上がる。
その日によって上がる数値が変わるけど大体2~5くらい上がる。
イベントによってステータスが上がるのはいいけど、逆に上がらないイベントは萎える。
例えば作文や感想文。
自分の生い立ちや今回起こした事件の反省文を400字詰め原稿用紙に何枚も書かなきゃいけないイベントは、ぶっちゃけ面倒くさい。
自分の生い立ちってなに書けばいいの?
看守に聞いたら幼少期から今に至るまでのことを書けばいいと言われたけど、正直どう書けばいいのかわからなかった。
悩んだ末、僕は普通に現実にあった自分のことを書いてみた。
ていうかそれしか書くことがない。
ファントムというキャラの設定を書くのかとも思ったけど、そんな設定を考えて作ったわけじゃないし(笑)
ここに入ることになった事件のことについても、書くことがなくて苦労した。
妹が僕の仮想体を勝手に使ってやっちゃったことだから経緯が全くわからない。
聞いてみても「ムカついたから殴った」の一点張り。
詳しく話してもくれなかった。
誰かに尋ねようにも現場には当事者しかいなかったみたいだし、被害者に聞く勇気なんて持ち合わせていない僕は、殴ってごめんなさい的なことを言い方を変えて書くことしかできなかった。
なにより書き上げても僕になんの利益もないのがイヤだった。
まだステータスかSPもらえるならやる気がでるのに…。
そんなこんなで僕は昼間は更生?を、夜は二十一時には落ちて零時には寝るという規則正しい生活を送っていた。
最初は犯罪者と集団生活をおくれるか不安だったけど、過ごしてみると案外苦じゃなかった。
少年房は基本私語厳禁なので、誰かに話しかけられることは滅多にないから精神的にとても楽だ。
おかしな話だけど、集団生活なのにお互いの干渉が必要最低限しか交流がないこの生活は僕にとって過ごしやすい環境だった。
このまま仮退院するまで居てもいいかなと思うくらいに居心地が良かった。
冒険のことを考えるとバイトして課金しようかなと考えてしまうけど、僕はもう少しここで過ごして様子を見てみようと思う。
少年房は、新入から前期、後期、出院準備の房に分かれている。
僕が今いるのは前期。
全てのイベントを見ることを考えると数ヶ月くらい課金して違う房に移ったほうがいいんじゃないかと考えている。
どうせなら一通りどんなイベントがあるのか確認したいしね。
『読了しました!ファントムはSPを1獲得しました』
『ファントムのINTが1上昇しました!』
『MNDが1上昇しました!』
就寝前に読み終えるとシステムメッセージが流れた。
よしよし。順調に上がっていることに一人ほくそ笑む僕。
「就寝準備!」
外から看守の声が響き渡った。
その声を聞いた僕達は素早い動きでベッドの上に畳んであった布団を敷いていく。
そして服を脱ぎ、代わりにハンガーにかけていたパジャマを着る。
準備を整えた僕達はそれぞれのベッドの上で正座して待機。
端の部屋から順番に看守が点呼をとっていく。
自分の部屋の番になって点呼をとったあとも終わるまで待機。
「就寝!」
看守の声とともに室内の灯りが消えた。
といっても常夜灯の灯りで室内を見回せるくらいは明るい。
僕達は布団に入って横になる。
「おやすみ」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
外に聞こえないようにヒソヒソ声で挨拶するみんなに、僕も「おやすみ」と返した。
さて、落ちるか。
やることのなくなった僕はメニューを開いてログアウトした。
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