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第2章 獄中生活
第四十九話
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今日は午前の作業の代わりに少年房の棟の隣にある体育館でイベントがあった。
なにやら今日は外から先生を呼んできたみたいだ。
整列している僕達の前に前期担当の看守、刑務官のおやっさんと見知らぬおじさん。
着物のような服と背中に剣を背負ったおじさんは僕達を見回すように視線を巡らしている。
僕のところに視線が止まった。
目が合い反射的にうつむき視線を外す僕。
視線を感じる。なんで僕のところで止まってるんだよ?
「本日は外部より剣術の先生が来てくださった。皆、先生の好意に感謝し真面目に指導を受けるように」
そう担当の刑務官は剣術の先生を紹介した。
「サブローだ。大体月一で君達前期に剣術を教えたいと思う。ここを出た時に役に立つかどうかはわからんが、まあよろしく頼むわ」
ちらりと視線を上げると、まだ先生は僕を見ていた。
さっと視線を外す僕。
一瞬しか目を合わせてないけど、僕を興味深そうに見つめていた目が気になった。
先生の指導のもと僕達は竹刀を手にとって一心不乱に素振りを続けていた。
基本の正眼の構えから竹刀を振り上げ振り下ろす。
「187…188…ほら声出せ声ぇ!」
竹刀を肩に担ぎながら叱咤する先生。
「はいそこ!剣先ブレてるぞ。背筋伸ばせ!握りが甘いぞ!」
竹刀の切っ先を指して指導する先生。
結構スパルタな感じだ。
剣術というよりまるで剣道の授業だ。
剣道なんて学校の授業でしかやったことない僕は授業より厳しいと思った。
結局その日は二時間ぶっ通しで素振りをやらされた。
◇
午後はまた外部から人が来た。
教会の司祭が僕達に講和をするらしい。
今度は宗教か…。
午前の剣術の授業はなにも習得しなかったしステータスも上がらなかった。
イベントなんだからせめてなにかあってもいいものなのに…。
講和は基本話を聞くだけだから特になにかあるわけでもなさそうだし、今日は望み薄かな?
これだったら普通に運動したり作業したりしてSPやステータス上げたかったな…。
そんなことを思いながら僕は講和を行う大部屋に行進して向かっていた。
どうでもいいけどここでは移動する際に行進して向かう。
みんなと一緒の時はもちろん一人の時も行進しての移動はぶっちゃけ面倒くさい。
サンダルをパタンパタンと音を出して歩くと怒られるし、看守によってはきちんとやれと怒られる時もある。
みんなとの移動の時は「いちに、いちに」と声出さなきゃいけない時もあるし、同じ房のNPCの話だと成人房はそこまで厳しくはないらしい。
あくまで成人房は刑に服するだけの施設で、少年房は更生させるための矯正施設だから厳しく指導みたいだ。
今から聞く講和も更生教育のプログラムの一環だと思うけど、実際に僕はやってないから更生する必要あるのかと疑問に感じてしまう。
(ただ話を聞くだけなら退屈なんだよな…。イベントスキップとか欲しい)
そんなことを胸の内で呟きながら席に着くと、教壇に神父らしきNPCが立った。
「皆さんこんにちは。私はシュウ。七星教会の司祭を務めています。今日は皆さんに教会の成り立ちと主の御話を…」
はあ…退屈な時間になりそうだと僕は思った。
姿勢正しく椅子に座ったままで聞くのは疲れる…。
ちょっとでも姿勢を崩すとあとでおやっさんに怒られるし、ここは真面目に拝聴しないと……
「遥か昔、この地を創造された神とその神の父が争いを起こしました。世界は二柱の神の炎に包まれ海は枯れ地は裂き、この地を創造した神は封じられ、勝利した神の父はこの地を去りました。神々の大いなる御力の世界は滅びあらゆる命が絶滅したかにみえましたが、我々は辛うじて死滅を免れていたのです」
うん…?
「人族は数少ない同胞と争うだけでなく他にも生き残った亜人種とも争っていました。
血で血を洗う乱世の時代となったのです。そんな時に現れたのが北斗七星を司る救世主様なのです」
あれ?教会の主とやらは南十字星の聖帝様かと思ってたよ。あれ?それは堕天使のほうだっけ?主が北斗の人だったか?
うろ覚えの記憶を手繰り寄せる僕。
ていうか七星教会っていうんだ。初めて知ったよ。
話を聞いていると両親世代の大人に大人気だったマンガの話によく似ていた。
変な風にパロってるけど、大筋はまんまだよねコレ…。
「…こうして主は恋人を奪った南斗の神を打ち破ったのです」
恋人とやらは実は生きてますってオチなんだろうな…と胸の内で呟く僕。
神父の話は主と義星の天使が互いに龍虎の奥義を構えたところで時間がきてしまった。
神父が退室し、おやっさんが僕達に整列しろと号令をかけた。
「クソッ…話が気になるぜ…!」
隣の席にいた同室のNPCの呟きが聞こえた僕は、
「このあと相打ちになるよ」
そっと呟いた。
「えっ!?」と驚いた顔で僕を見るカイ。
僕は素知らぬ顔で整列に加わる。
聞きたそうな顔をしたまま黙って列に加わるカイ。
これはあとでこっそり教えたほうがいいのかな…などと思いつつ僕達は自分達の房へ戻っていった。
◇
夜の余暇時間。
「…そんな感じで獣人族のボスを倒すと思うよ?」
「マジかよ…!すげえな」
僕は机に本を開いたまま、読んでいるフリをした状態で、反対側の後ろの席についているカイと話をしていた。
居室では私語禁止だけど、こっそりヒソヒソ話すれば、なかなかバレない。
最近では同室のNPCとこうして話したりしている。
問答無用で看守が来て連行されると思っていたから、最初にカイに話しかけられた時はビクビクしてしていたけど、案外バレずに会話できた。
居室の入り口の壁際に二人、奥に二人、隅に離れた場所にそれぞれの机があるから、声を潜めて話すには話しづらいけど、なんとか会話はできる。
ちなみに僕の席は奥のトイレ側、反対側の洗面台側にカイ。
出入り口側にはアレフレッドとヴァイス。
僕以外の三人は全員NPCだ。
ていうか、ここに僕以外のPCは見たことがない。
みんな案外話しやすい雰囲気で、僕にしてみればけっこうすぐに打ち解けた。
そんなわけでついつい調子にのって話に夢中になってしまう。
バレないように注意しないといけないけど、顔を合わせずに話をするのは個人的に気が楽だ。
「ずいふんと詳しいんだな。ファントムは洗礼を受けているのか?」
出入り口側のアレフレッドの問いに僕はかぶりを振って答えた。
「ううん、教会の知り合いから聞いた話」
(マンガだとそんな感じだったし…)と声に出さずに呟いた。
「女か?」
「うん、まあ…友達?」
「シスターと友達かよ…!」
「申請して改宗すれば会えるかもしれない…」
「えっ!?」
ヴァイスの呟きに思わず声が大きくなってしまった。
「バカ…!」
しー…と三人同時に口を揃えた。
「ごめん…」
「………大丈夫。来てない…」
恐る恐る出入り口の方に顔を向けると、出入り口側に席があるヴァイスは椅子に座ったままで器用に後ろに傾いて出入り口の小窓から外を覗き込んでいた。
僕は顔を戻して再び本を読むフリをして尋ねてみた。
「申請って…?」
「朝の願い事の時に刑務官に教会に改宗したいから請願書くれって言えばくれるぞ」
「ファントム真面目だし、この部屋の班長だから申請すれば洗礼受けれると思うよ」
「それがどうして会えることに?」
「囚人の信者は週末の休みに講堂で集会する。その時にシャバの司祭やシスターが何人か来るから、もしかしたらその時会えるかも?」
「それに、出院準備の奉仕活動で一時的に外に出れるしな」
「へえ…」
「なんだよ?気乗りしなさそうだな」
「うーん、まあ…」
ぶっちゃけマリアさんに会えるだけなら改宗する気はない。
こんなとこに入ったことを知らせたくないし…
「なんかメリットとかないの?」
「メリット…!?………そんなこと聞かれてもな…」
「強いて言うなら主の教えを学べるとこ?」
「それだけ?」
「おいおい、それだけって…」
呆れた声を出すカイ。
「…洗礼受けたら【僧侶】に就ける。…主の教えを学べば白魔法を習得できる」
ヴァイスの言葉に僕の食指が動いた。
僧侶系のスキルっていうか魔法にリジェネ系の自動回復や攻撃をする度に回復する手段があると攻略サイトの掲示板に載っていた。
「じゃあ、明日申請してみようかな」
「現金なヤツだな…」
「まったくだ」
「…頑張れ」
呆れるカイとアルフレッド。
応援してくれたのはヴァイスだけだった。
「いいでしょ別に、色々覚えて損はないんだし。ところで、リジェネっていつ覚えるかな?」
「…それはわからない」
「白魔法は俺も知らね」
「右に同じく」
さすがにわからないか…。
掲示板にはレベル10で覚えたとか、20で覚えたとかみんなまちまちなんだよね。
なにか習得条件があるのかな?
とりあえず明日の願い事で申請してみようと思った。
なにやら今日は外から先生を呼んできたみたいだ。
整列している僕達の前に前期担当の看守、刑務官のおやっさんと見知らぬおじさん。
着物のような服と背中に剣を背負ったおじさんは僕達を見回すように視線を巡らしている。
僕のところに視線が止まった。
目が合い反射的にうつむき視線を外す僕。
視線を感じる。なんで僕のところで止まってるんだよ?
「本日は外部より剣術の先生が来てくださった。皆、先生の好意に感謝し真面目に指導を受けるように」
そう担当の刑務官は剣術の先生を紹介した。
「サブローだ。大体月一で君達前期に剣術を教えたいと思う。ここを出た時に役に立つかどうかはわからんが、まあよろしく頼むわ」
ちらりと視線を上げると、まだ先生は僕を見ていた。
さっと視線を外す僕。
一瞬しか目を合わせてないけど、僕を興味深そうに見つめていた目が気になった。
先生の指導のもと僕達は竹刀を手にとって一心不乱に素振りを続けていた。
基本の正眼の構えから竹刀を振り上げ振り下ろす。
「187…188…ほら声出せ声ぇ!」
竹刀を肩に担ぎながら叱咤する先生。
「はいそこ!剣先ブレてるぞ。背筋伸ばせ!握りが甘いぞ!」
竹刀の切っ先を指して指導する先生。
結構スパルタな感じだ。
剣術というよりまるで剣道の授業だ。
剣道なんて学校の授業でしかやったことない僕は授業より厳しいと思った。
結局その日は二時間ぶっ通しで素振りをやらされた。
◇
午後はまた外部から人が来た。
教会の司祭が僕達に講和をするらしい。
今度は宗教か…。
午前の剣術の授業はなにも習得しなかったしステータスも上がらなかった。
イベントなんだからせめてなにかあってもいいものなのに…。
講和は基本話を聞くだけだから特になにかあるわけでもなさそうだし、今日は望み薄かな?
これだったら普通に運動したり作業したりしてSPやステータス上げたかったな…。
そんなことを思いながら僕は講和を行う大部屋に行進して向かっていた。
どうでもいいけどここでは移動する際に行進して向かう。
みんなと一緒の時はもちろん一人の時も行進しての移動はぶっちゃけ面倒くさい。
サンダルをパタンパタンと音を出して歩くと怒られるし、看守によってはきちんとやれと怒られる時もある。
みんなとの移動の時は「いちに、いちに」と声出さなきゃいけない時もあるし、同じ房のNPCの話だと成人房はそこまで厳しくはないらしい。
あくまで成人房は刑に服するだけの施設で、少年房は更生させるための矯正施設だから厳しく指導みたいだ。
今から聞く講和も更生教育のプログラムの一環だと思うけど、実際に僕はやってないから更生する必要あるのかと疑問に感じてしまう。
(ただ話を聞くだけなら退屈なんだよな…。イベントスキップとか欲しい)
そんなことを胸の内で呟きながら席に着くと、教壇に神父らしきNPCが立った。
「皆さんこんにちは。私はシュウ。七星教会の司祭を務めています。今日は皆さんに教会の成り立ちと主の御話を…」
はあ…退屈な時間になりそうだと僕は思った。
姿勢正しく椅子に座ったままで聞くのは疲れる…。
ちょっとでも姿勢を崩すとあとでおやっさんに怒られるし、ここは真面目に拝聴しないと……
「遥か昔、この地を創造された神とその神の父が争いを起こしました。世界は二柱の神の炎に包まれ海は枯れ地は裂き、この地を創造した神は封じられ、勝利した神の父はこの地を去りました。神々の大いなる御力の世界は滅びあらゆる命が絶滅したかにみえましたが、我々は辛うじて死滅を免れていたのです」
うん…?
「人族は数少ない同胞と争うだけでなく他にも生き残った亜人種とも争っていました。
血で血を洗う乱世の時代となったのです。そんな時に現れたのが北斗七星を司る救世主様なのです」
あれ?教会の主とやらは南十字星の聖帝様かと思ってたよ。あれ?それは堕天使のほうだっけ?主が北斗の人だったか?
うろ覚えの記憶を手繰り寄せる僕。
ていうか七星教会っていうんだ。初めて知ったよ。
話を聞いていると両親世代の大人に大人気だったマンガの話によく似ていた。
変な風にパロってるけど、大筋はまんまだよねコレ…。
「…こうして主は恋人を奪った南斗の神を打ち破ったのです」
恋人とやらは実は生きてますってオチなんだろうな…と胸の内で呟く僕。
神父の話は主と義星の天使が互いに龍虎の奥義を構えたところで時間がきてしまった。
神父が退室し、おやっさんが僕達に整列しろと号令をかけた。
「クソッ…話が気になるぜ…!」
隣の席にいた同室のNPCの呟きが聞こえた僕は、
「このあと相打ちになるよ」
そっと呟いた。
「えっ!?」と驚いた顔で僕を見るカイ。
僕は素知らぬ顔で整列に加わる。
聞きたそうな顔をしたまま黙って列に加わるカイ。
これはあとでこっそり教えたほうがいいのかな…などと思いつつ僕達は自分達の房へ戻っていった。
◇
夜の余暇時間。
「…そんな感じで獣人族のボスを倒すと思うよ?」
「マジかよ…!すげえな」
僕は机に本を開いたまま、読んでいるフリをした状態で、反対側の後ろの席についているカイと話をしていた。
居室では私語禁止だけど、こっそりヒソヒソ話すれば、なかなかバレない。
最近では同室のNPCとこうして話したりしている。
問答無用で看守が来て連行されると思っていたから、最初にカイに話しかけられた時はビクビクしてしていたけど、案外バレずに会話できた。
居室の入り口の壁際に二人、奥に二人、隅に離れた場所にそれぞれの机があるから、声を潜めて話すには話しづらいけど、なんとか会話はできる。
ちなみに僕の席は奥のトイレ側、反対側の洗面台側にカイ。
出入り口側にはアレフレッドとヴァイス。
僕以外の三人は全員NPCだ。
ていうか、ここに僕以外のPCは見たことがない。
みんな案外話しやすい雰囲気で、僕にしてみればけっこうすぐに打ち解けた。
そんなわけでついつい調子にのって話に夢中になってしまう。
バレないように注意しないといけないけど、顔を合わせずに話をするのは個人的に気が楽だ。
「ずいふんと詳しいんだな。ファントムは洗礼を受けているのか?」
出入り口側のアレフレッドの問いに僕はかぶりを振って答えた。
「ううん、教会の知り合いから聞いた話」
(マンガだとそんな感じだったし…)と声に出さずに呟いた。
「女か?」
「うん、まあ…友達?」
「シスターと友達かよ…!」
「申請して改宗すれば会えるかもしれない…」
「えっ!?」
ヴァイスの呟きに思わず声が大きくなってしまった。
「バカ…!」
しー…と三人同時に口を揃えた。
「ごめん…」
「………大丈夫。来てない…」
恐る恐る出入り口の方に顔を向けると、出入り口側に席があるヴァイスは椅子に座ったままで器用に後ろに傾いて出入り口の小窓から外を覗き込んでいた。
僕は顔を戻して再び本を読むフリをして尋ねてみた。
「申請って…?」
「朝の願い事の時に刑務官に教会に改宗したいから請願書くれって言えばくれるぞ」
「ファントム真面目だし、この部屋の班長だから申請すれば洗礼受けれると思うよ」
「それがどうして会えることに?」
「囚人の信者は週末の休みに講堂で集会する。その時にシャバの司祭やシスターが何人か来るから、もしかしたらその時会えるかも?」
「それに、出院準備の奉仕活動で一時的に外に出れるしな」
「へえ…」
「なんだよ?気乗りしなさそうだな」
「うーん、まあ…」
ぶっちゃけマリアさんに会えるだけなら改宗する気はない。
こんなとこに入ったことを知らせたくないし…
「なんかメリットとかないの?」
「メリット…!?………そんなこと聞かれてもな…」
「強いて言うなら主の教えを学べるとこ?」
「それだけ?」
「おいおい、それだけって…」
呆れた声を出すカイ。
「…洗礼受けたら【僧侶】に就ける。…主の教えを学べば白魔法を習得できる」
ヴァイスの言葉に僕の食指が動いた。
僧侶系のスキルっていうか魔法にリジェネ系の自動回復や攻撃をする度に回復する手段があると攻略サイトの掲示板に載っていた。
「じゃあ、明日申請してみようかな」
「現金なヤツだな…」
「まったくだ」
「…頑張れ」
呆れるカイとアルフレッド。
応援してくれたのはヴァイスだけだった。
「いいでしょ別に、色々覚えて損はないんだし。ところで、リジェネっていつ覚えるかな?」
「…それはわからない」
「白魔法は俺も知らね」
「右に同じく」
さすがにわからないか…。
掲示板にはレベル10で覚えたとか、20で覚えたとかみんなまちまちなんだよね。
なにか習得条件があるのかな?
とりあえず明日の願い事で申請してみようと思った。
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