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第6章 迷宮攻略
第百七十四話
しおりを挟む熟考と本人達との相談の結果、ゼルは盗賊系、カイは剣士系、アルは僧侶系といった具合に斥候、攻撃職、回復職のスキルをそれぞれの職業適正に合わすことにした。
ただ一部の人(ヴァイスとかヴァイスとかヴァイス)に関しては好きにさせることにした。
言っても聞かなそうだし、しばらく魔獣使いとしてやっていくらしいから放っておくことにした。
ちなみにヴァイスに魔獣使いになった経緯を聞いた瞬間、僕を含めた全員から責められた。
まさかあんなみんなを騙すようなことをするとは夢にも思わなかったよ……(苦笑)
それはともかくアーチェさんは索敵系のスキルを覚えつつ弓使いとして腕を上げたいと言っていたし、さくらは戦闘メイドのスキルを極めたいのでこのまま熟練度を上げていきたいとのことだ。
アーチェさんは近いうちに転職するみたいだけど、さくらは転職せず習得しているスキルの熟練度をCSまで上げる予定だ。
なんでもあるスキルをいくつかCSしなければ得られないスキルがあるみたいだ。
同じような理由でゼル、ルビーさん、カイとアル、ルーネも今のところ転職せずスキルや魔法の熟練度を上げていくことになった。
ルーネの場合はレベルを上げたり魔法、スキルと色々覚えなくちゃいけないことがあって大変そうだ。
余裕があれば手伝ってあげようと考えている。
とりあえずそんな感じでみんなの方向性を決めたあと、僕はそろそろ本格的に迷宮攻略しようと提案してみた。
みんなの了承は得られたけど、北の魔神迷宮はここからだと遠いし人族の領地を通らないといけない。
僕やゼルは指名手配というか人族から賞金懸けられてるから襲撃にも気をつけなきゃいけない。
迷宮に潜るときの面子というかPTを考えなきゃいけないし色々準備が必要だということで出発は一週間後となった。
「それでは兄貴、少し出かけてきます」
「お供しますわ」
ゼルとルビーさんが退室した。
ゼルはルビーさんと特務の人達とで魔神迷宮までの安全なルートを探す役割を受け持った。
今から速攻で旅立って魔神迷宮の最寄りにある町に行くらしい。
かなりの強行軍になるみたいだけど、その町にある転移門に登録すれば僕のいるパライーソからひとっ飛びだ。
「んじゃ俺は新入りと組合行ってなんか手頃な討伐依頼受けてくるわ」
「あ、じゃあ俺も行くよ」
「私も行くわ」
そう言ってカイとアル、アーチェさんが席を立った。
「……花子の世話してくる」
と呟きヴァイスも席を立ち、
「僕は部屋で迷宮に役立ちそうなアイテムを錬成してますね」
ルーネも退室していった。
「………………」
ぽつんと一人取り残された僕……。
「ご主人様、お茶のおかわりはいかがですか?( ◠‿◠ )」
「あ、ああうん、いただきます……」
そういえばさくらがいた。
傍らにさくらがいたことをすっかり忘れていた僕は、ぼっちじゃなかったことに安堵しつつ、この後どうしようか考えていた。
手持ち無沙汰になった僕は、さくらが買い出しに行くというのでついていくことにした。
商店街をさくらと二人並んで歩いていると、
「オウオウオウ!誰に断ってここに店出してんだアアン!」
「だ、誰って、商会ギルドの許可はとってるよ……」
「んなことは聞いてねーだんだよコラアアア!」
柄の悪い戦士風のNPCが屋台を開いていたPCに因縁をふっかけている場面に出くわした。
「えええ……!?マジか……」
僕はありえないと呟くと屋台のほうへ足を向けた。
「ご主人様……」
「ああうん、ごめんさくら。すぐすむと思うからここで待ってて」
「いえ、お供します( ̄∇ ̄)」
僕はさくらとともに屋台のPCを助けにいった。
はぁ……やっぱ見て見ぬフリはできないよね。
だってあの二人、うちのギルドメンバーだし……。
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