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一話
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カラン、とベルの音が鳴る。
それはお店の扉に付けた来客を知らせる音。
「…眠いのに…」
白髪に赤い瞳を持つ男は、乾燥した草束の中からノロノロと立ち上がり、黒のズボンと白のワイシャツを身に付け、カウンターに出る。
「いらっしゃい」
「すげー美人!あれ?化け物は?魔族か、お前!名前は何だ?」
「ゆ、勇者様!お待ち下さい!!」
「り、りりリーリャ様!も、申し訳ございません!」
綺麗な黒髪に黒い瞳を持つ少年は男…リーリャを指差し、顔を赤く染めた。
「どーしたの?」
少年と共に店に入って来た王宮勤めの文官は、リーリャを見て顔色を真っ青にした。
小柄な老人文官達は今にも気絶しそうだった。
「おい!俺を無視するなよ!」
少年…榊 学は、リーリャの居るカウンター前に立つと、大声で怒鳴る。
「初めまして。僕はリーリャ」
「リーリャ!俺は学!榊 学!よろしくな!」
呑気に告げるリーリャに気分を良くし、学は楽しそうに己の名前を告げる。
「で、お前が化け物?魔族なの?」
「ゆ、勇者様!リーリャ様は人間です!ですから、その様な無礼は…!」
「へ?そーなんだ?じゃあ噂の化け物は、どこ?そいつは魔族なんだろ?リーリャ、今助けてやるからな!」
学は辺りの棚を開けたりして、化け物を探し始めた。
それを止められない文官達は、リーリャと学を見て顔色を更に悪くする。
「勇者様は此処に居られるか」
欠伸をしながら様子を見ていたリーリャは、新しく来店した客に目を向けた。
「ロイ!」
「フェイドリア様!?」
文官達が急ぎ頭を下げる。
客…ロイと呼ばれた黒の騎士服を着る長身の男は、青色の瞳を勇者へ向けた。
「リーフレット王がお呼びです。至急、お戻り下さい」
「でも、まだ化け物見つけてないし…」
「化け物?…どう言うことだ」
ロイが文官達へ目を向ける。
文官達の下げた頭がビクッ、と震えた。
「と、都市伝説を勇者様に話した者がおりまして…」
「あぁ…あの話か」
ロイは都市伝説を思い出して頷く。
確かに此処は内容の通りだ、と。
「ねぇ。何も買わないなら、帰って欲しーんだけど」
綺麗な声にロイは視線を移す。
「~~~ッ!」
リーリャの存在を瞳に移すと、ロイの顔は茹でたタコ状態になった。
「…貴様。名前はなんと言う」
「…?リーリャ」
「リーリャか」
リーリャの名前を何度も呟き、ロイは固まった。
そして、それを見ていた最年長の老人文官は気絶した。
それはお店の扉に付けた来客を知らせる音。
「…眠いのに…」
白髪に赤い瞳を持つ男は、乾燥した草束の中からノロノロと立ち上がり、黒のズボンと白のワイシャツを身に付け、カウンターに出る。
「いらっしゃい」
「すげー美人!あれ?化け物は?魔族か、お前!名前は何だ?」
「ゆ、勇者様!お待ち下さい!!」
「り、りりリーリャ様!も、申し訳ございません!」
綺麗な黒髪に黒い瞳を持つ少年は男…リーリャを指差し、顔を赤く染めた。
「どーしたの?」
少年と共に店に入って来た王宮勤めの文官は、リーリャを見て顔色を真っ青にした。
小柄な老人文官達は今にも気絶しそうだった。
「おい!俺を無視するなよ!」
少年…榊 学は、リーリャの居るカウンター前に立つと、大声で怒鳴る。
「初めまして。僕はリーリャ」
「リーリャ!俺は学!榊 学!よろしくな!」
呑気に告げるリーリャに気分を良くし、学は楽しそうに己の名前を告げる。
「で、お前が化け物?魔族なの?」
「ゆ、勇者様!リーリャ様は人間です!ですから、その様な無礼は…!」
「へ?そーなんだ?じゃあ噂の化け物は、どこ?そいつは魔族なんだろ?リーリャ、今助けてやるからな!」
学は辺りの棚を開けたりして、化け物を探し始めた。
それを止められない文官達は、リーリャと学を見て顔色を更に悪くする。
「勇者様は此処に居られるか」
欠伸をしながら様子を見ていたリーリャは、新しく来店した客に目を向けた。
「ロイ!」
「フェイドリア様!?」
文官達が急ぎ頭を下げる。
客…ロイと呼ばれた黒の騎士服を着る長身の男は、青色の瞳を勇者へ向けた。
「リーフレット王がお呼びです。至急、お戻り下さい」
「でも、まだ化け物見つけてないし…」
「化け物?…どう言うことだ」
ロイが文官達へ目を向ける。
文官達の下げた頭がビクッ、と震えた。
「と、都市伝説を勇者様に話した者がおりまして…」
「あぁ…あの話か」
ロイは都市伝説を思い出して頷く。
確かに此処は内容の通りだ、と。
「ねぇ。何も買わないなら、帰って欲しーんだけど」
綺麗な声にロイは視線を移す。
「~~~ッ!」
リーリャの存在を瞳に移すと、ロイの顔は茹でたタコ状態になった。
「…貴様。名前はなんと言う」
「…?リーリャ」
「リーリャか」
リーリャの名前を何度も呟き、ロイは固まった。
そして、それを見ていた最年長の老人文官は気絶した。
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