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かつての英雄
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「お前、ーーーじゃないか?」
僕は牢屋の中で唸っている男にこっそり話し掛ける。
だが反応は無かった。
まぁ見たところ右足は切断されており、左手も逆方向に曲がっている。
僕はそんな状態じゃ反応は出来ないか、と考えた。
「……」
「喋れないのか。」
首元を良く見たら奴隷の首輪が着いていた。
この首輪は喋る・動く・考える、を他人に制御される品物だ。物によっては生死も操れる。
「おにーさん買うかい?」
ボロボロの服を着た奴隷商人が僕に話掛けてきた。
急に買い取りの話をして来たのは僕が金を持っていると見るからに分かるから言ってきたのだろう。
普通の服装なら顔をしかめて対応するからな。
「そーだね。じゃぁこの男を貰うよ」
消息不明で死んだとされていた国の英雄。その男にならこのお金を使っても誰も文句は言うまい。
僕は商人に銅貨を渡した。
「毎度あり!」
商人はニヘニヘと笑って英雄ーーアクルトーーを牢屋から引っ張って出した。
この地域は貧民街より治安が悪い。だから奴隷が豊富なのだ。
人口の八割が奴隷。だから両足手足がついてない奴は安い。
今のアクルトは1食分の食べ物より、安いのだ。
「歩けるか?」
アクルトの頬を触って目を見る。
やはり以前とは比べ物にならない位…いいや、此処まで来ると別人だ。
キラキラ光る白銀の髪は灰色になり
綺麗だった青い瞳は光を灯していない。
「ーーーまるで死人だな」
馬に乗って手を降っていたあの姿は好んでいた。あの瞳が好きだった。
「まぁ…良い」
戦力になればどうでも良い。僕を裏切らなければ、どうでも良い。
僕はアクルトをお姫様だっこして館に向かった。
その間アクルトは暗い瞳を空に向けたままだった。
僕は牢屋の中で唸っている男にこっそり話し掛ける。
だが反応は無かった。
まぁ見たところ右足は切断されており、左手も逆方向に曲がっている。
僕はそんな状態じゃ反応は出来ないか、と考えた。
「……」
「喋れないのか。」
首元を良く見たら奴隷の首輪が着いていた。
この首輪は喋る・動く・考える、を他人に制御される品物だ。物によっては生死も操れる。
「おにーさん買うかい?」
ボロボロの服を着た奴隷商人が僕に話掛けてきた。
急に買い取りの話をして来たのは僕が金を持っていると見るからに分かるから言ってきたのだろう。
普通の服装なら顔をしかめて対応するからな。
「そーだね。じゃぁこの男を貰うよ」
消息不明で死んだとされていた国の英雄。その男にならこのお金を使っても誰も文句は言うまい。
僕は商人に銅貨を渡した。
「毎度あり!」
商人はニヘニヘと笑って英雄ーーアクルトーーを牢屋から引っ張って出した。
この地域は貧民街より治安が悪い。だから奴隷が豊富なのだ。
人口の八割が奴隷。だから両足手足がついてない奴は安い。
今のアクルトは1食分の食べ物より、安いのだ。
「歩けるか?」
アクルトの頬を触って目を見る。
やはり以前とは比べ物にならない位…いいや、此処まで来ると別人だ。
キラキラ光る白銀の髪は灰色になり
綺麗だった青い瞳は光を灯していない。
「ーーーまるで死人だな」
馬に乗って手を降っていたあの姿は好んでいた。あの瞳が好きだった。
「まぁ…良い」
戦力になればどうでも良い。僕を裏切らなければ、どうでも良い。
僕はアクルトをお姫様だっこして館に向かった。
その間アクルトは暗い瞳を空に向けたままだった。
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