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「こうして、二人仲良く暮らしましたとさ…って感じ?」
ラピス魔法学校の寮の談話室でサリナは手紙手にしたままそうつぶやく。
ロナルドが母カナリアと対面した日からしばらく帰らずにいた彼女だが、帰ってみると16年間離れていたのが嘘であるかのような2人の仲睦まじい姿があった。
そんな光景に一安心した彼女は、その空間に入り込んだのだった。
「おい、スタインベック。お前の父親の事が新聞に載ってるぞ」
「アルト」
談話室に新聞を持ってやってきたアルト。
一面には“あのクロイツ公爵がついに結婚!?お相手はあのスタインベック大臣!?”とデカデカと書かれていた。
「大騒ぎしすぎじゃない?結婚するだけなのに」
「問題は“あの”クロイツ公爵がするという点だ。クロイツ公爵が好いた女と結婚すると公言してるのは民衆も知っている。その相手があのスタインベックさんともなれば…」
サリナはアルトから新聞を受け取り、読んでみる。
そこには交際に至った経緯や、今後の予想などが書かれていた。
「根掘り葉掘り聞かれるものなんだね~。というか、お母さんまだ“大臣”扱いだったことに驚いてるんだけど」
「辞表はあったが、受理されたわけではなかったらしい。あくまで表向きは“無期限の療養”になってる」
「確かに療養だけど……」
「スタインベックさんがまた表舞台に顔を出されるのもそう遠くない筈だ!」
「そういえば、アルトはお母さんに憧れてるんだっけ?」
そう、何を隠そうアルトはカナリア・スタインベックを敬愛していた。
王宮で暮らす中、魔法省の平民出身のカナリア異質さは常に話のネタになった。
実力、品行方正、人間性、おまけに蛇語を理解する知性などは何時聞いてもアルトの心をくすぐった。
故に、彼女と似た経歴を持とうとしたサリナに敵意を向け、決闘を申し込むに至ったのだ。
「お母さんはしばらくお父さんと過ごすって。体調もすこぶる快調に向かってるし」
「スタインベックさん、本当に何かご病気なのか?」
サリナは新聞に目線を落としてあえて無視した。
16年ぶりの再会を果たしたカナリアとロナルドは、時間さえあれば禁断の森の自宅で2人の時間を過ごしていた。
ロナルドは自身の屋敷にカナリアを連れて行きたいようだったが、カナリアは呪いの件もあり拒絶したからだ。
そんなこともあり数日間過ごしている内に、カナリアの身体に変化があった。
蛇の鱗が徐々にではあるが消えつつあったのだ。
これには祖父も驚いており、何がきっかけか研究し始めるほどだった。
しかし、サリナには何となく分かった気がしていた。
解呪の決め手は“愛”なのではないか?というものだ。
あまりに不確かではあるが、ロマンティックではあるが、そのほうが素敵であるとサリナは思っていた。
「ところでアルト。“マダム・ローズ”って知ってる?」
「王族御用達の衣装屋だが?」
「お父さん、その人にお母さんのドレス頼むんだって」
「は!?予約数年待ち確定の人気デザイナーだぞ!?」
「なんでも、無名の新人時代にお世話したことがあるらしく、その伝手で頼むんだって」
「お、おぉ。クロイツ公爵、相当な結婚式を挙げるきなんだな」
「だね~」
サリナはふと窓の外から空を見る。
ここ数日の中で一番澄んだ青空をした、清々しいものだった。
「私も恋とかしてみたいな~」
「ぶっ!?」
「どうしたアルト?」
「い、いや、何も無い。そもそも、お前は公爵家の令嬢な訳だし、嫌でも婚約の話は来るだろう」
「私がしたいのは恋愛結婚!そもそも公爵家の血筋でも平民だよ?婚約の話なんて来るわけ無い無い」
「クロイツ家と繋がりを持ちたい貴族なんて沢山あるぞ」
「マジ…?」
サリナは少し苦笑いした。
ラピス魔法学校の寮の談話室でサリナは手紙手にしたままそうつぶやく。
ロナルドが母カナリアと対面した日からしばらく帰らずにいた彼女だが、帰ってみると16年間離れていたのが嘘であるかのような2人の仲睦まじい姿があった。
そんな光景に一安心した彼女は、その空間に入り込んだのだった。
「おい、スタインベック。お前の父親の事が新聞に載ってるぞ」
「アルト」
談話室に新聞を持ってやってきたアルト。
一面には“あのクロイツ公爵がついに結婚!?お相手はあのスタインベック大臣!?”とデカデカと書かれていた。
「大騒ぎしすぎじゃない?結婚するだけなのに」
「問題は“あの”クロイツ公爵がするという点だ。クロイツ公爵が好いた女と結婚すると公言してるのは民衆も知っている。その相手があのスタインベックさんともなれば…」
サリナはアルトから新聞を受け取り、読んでみる。
そこには交際に至った経緯や、今後の予想などが書かれていた。
「根掘り葉掘り聞かれるものなんだね~。というか、お母さんまだ“大臣”扱いだったことに驚いてるんだけど」
「辞表はあったが、受理されたわけではなかったらしい。あくまで表向きは“無期限の療養”になってる」
「確かに療養だけど……」
「スタインベックさんがまた表舞台に顔を出されるのもそう遠くない筈だ!」
「そういえば、アルトはお母さんに憧れてるんだっけ?」
そう、何を隠そうアルトはカナリア・スタインベックを敬愛していた。
王宮で暮らす中、魔法省の平民出身のカナリア異質さは常に話のネタになった。
実力、品行方正、人間性、おまけに蛇語を理解する知性などは何時聞いてもアルトの心をくすぐった。
故に、彼女と似た経歴を持とうとしたサリナに敵意を向け、決闘を申し込むに至ったのだ。
「お母さんはしばらくお父さんと過ごすって。体調もすこぶる快調に向かってるし」
「スタインベックさん、本当に何かご病気なのか?」
サリナは新聞に目線を落としてあえて無視した。
16年ぶりの再会を果たしたカナリアとロナルドは、時間さえあれば禁断の森の自宅で2人の時間を過ごしていた。
ロナルドは自身の屋敷にカナリアを連れて行きたいようだったが、カナリアは呪いの件もあり拒絶したからだ。
そんなこともあり数日間過ごしている内に、カナリアの身体に変化があった。
蛇の鱗が徐々にではあるが消えつつあったのだ。
これには祖父も驚いており、何がきっかけか研究し始めるほどだった。
しかし、サリナには何となく分かった気がしていた。
解呪の決め手は“愛”なのではないか?というものだ。
あまりに不確かではあるが、ロマンティックではあるが、そのほうが素敵であるとサリナは思っていた。
「ところでアルト。“マダム・ローズ”って知ってる?」
「王族御用達の衣装屋だが?」
「お父さん、その人にお母さんのドレス頼むんだって」
「は!?予約数年待ち確定の人気デザイナーだぞ!?」
「なんでも、無名の新人時代にお世話したことがあるらしく、その伝手で頼むんだって」
「お、おぉ。クロイツ公爵、相当な結婚式を挙げるきなんだな」
「だね~」
サリナはふと窓の外から空を見る。
ここ数日の中で一番澄んだ青空をした、清々しいものだった。
「私も恋とかしてみたいな~」
「ぶっ!?」
「どうしたアルト?」
「い、いや、何も無い。そもそも、お前は公爵家の令嬢な訳だし、嫌でも婚約の話は来るだろう」
「私がしたいのは恋愛結婚!そもそも公爵家の血筋でも平民だよ?婚約の話なんて来るわけ無い無い」
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「マジ…?」
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