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2 登場!魔法戦士
シーン5 変身!魔法戦士オキシペタラム
しおりを挟む「アクセプト!」
ピックがそう叫ぶと、優子の指輪に光が宿った。
「リプレイスメント・スタート!
…さあ、変身のキーワードを叫んで!」
「き、キーワードは……」
結局大した単語を思いつかなかった優子はありきたりな言葉を選んだ。
「チェンジ!マジカルバトラー!!」
「後は自分の変身する魔法戦士、オキシペタラムって叫んで指輪に念を送るんだ!」
「おっ…オキシペタラムっ!!」
優子がそう叫ぶと、指輪から青白い光が湧き出るように飛び出してくる。
(うわぁ・・・本格的…え?!)
かすかに目眩のようなものを感じたが、それが何なのかを考える間も無くすぐに優子の前にリボンで作った花のようなものが飛んできて、激しく発光した。
自分の目の前に何か魔法陣のようなものが浮かび、リボンの花びらが一斉に伸びて彼女の体にまとわりついていく。
(あ…魔法少女とかの変身シーンの定番かぁ…)
まとわりついたリボンが弾けて実体化していく。
ふわっ…と何か花のようないい匂いがして優子はゆっくりと目を閉じた。
(あぁ…何だろ?なんだか、落ち着くような……)
甘くて優しい香りに包まれて、優子はそのまま身を任せるように力を抜いた。
やがて、自分の体を包むようにしていた花の香が圧縮されるような感覚を感じ、彼女は変身が終わったのだと感じた。
「・・・変身、完了。」
後は、定番通りに自分の変身した姿の名前を言いながらポーズを決めればお約束どおりの変身が終わる。
優子は少し自分が名乗りを上げながらポーズを取る姿を頭の中に想像しながら恥ずかしくなった。
(やば…チョー恥ずかしいやつじゃん?!
第一、魔法少女が変身した後って見た目もあんま変わらないから普通は正体がバレそうなものなのに・・・正体がバレるのは嫌だな、私…)
「・・・さあ!名乗りを上げて決めポーズを取ろう!コレでキミは最強の魔法戦士、オキシペタラムだ!」
横からピックの横槍が入った瞬間、優子の頭の中で
(そもそも・・・コイツを拾わなかったら私はこんな恥ずかしいことしなくて済んだんだよね…あの場でペンギンのぬいぐるみだけ持って帰るように考えていたらなぁ…)
ピックがくっついていた大きな青いペンギンのぬいぐるみを頭の中で思い出し、
(…どうせならくっついてたあのぬいぐるみで戦えばよかったのに。ジャッカルがしてるみたいにさぁ)
・・・などと考えてそんな様子を頭の中に描いた瞬間
「早く!ミルフィーユが危ないんだ!」
ピックが変身をせかし、優子は我に返った。
(いけない!そういやそんな状態だった!)
「・・・ま、魔法、戦士、オキシペタラム……参上っ!わあ!やっぱ恥ずいっ!!!」
決めポーズもまともに思いつかなかった優子はとりあえず右手を突き出すだけのポーズを取った。
・・・その途端。
ぽむっ☆
何かが優子の周りで弾けるような音がした・・・・。
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