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第6巻
第3話 通信の春
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三月。
常時通信システムの試験運用が始まった。
アメリアの研究室で、小さな装置を試した。
「繋がっています。ファビアンと話してみてください」
ルーカスは装置に向かって話した。
「……聞こえますか」
「聞こえます」とファビアンの声が返ってきた。
前回よりも、音が鮮明だった。
「良くなりましたね、音質が」
「アメリアの改良のおかげです。遅延もほぼなくなりました」
「本当に、向こうと話せている」
「話せています。今夜も東京は深夜ですが、高橋さんがいます。代わりますか」
「代わってもらえますか」
少し音が動いた。
「ルーカスさん」
高橋の声だった。
穏やかで、静かな声。
「高橋さん。元気ですか」
「元気ですよ。清子も元気です。今夜は礼奈さんが来ています」
「礼奈さん、元気ですか」
「元気です」と礼奈の声が聞こえた。
「担当本、おめでとうございます」
「ありがとうございます。ルーカスさんに一番に報告したかったんですが、手紙で先に届いてしまいましたね」
「嬉しかったですよ、手紙で読んでも」
「次は直接報告します。向こうへ来た時に」
「楽しみにしています」
会話が終わった後、アメリアが言った。
「常時繋がれるようになりました」
「そうですね」
「これで、向こうへ行かなくても声が届きます」
「行く理由がなくなるわけではないですが——距離が縮まりました」
「そうです。少し前に進みました」
ルーカスは装置を見た。
小さな金属の箱。
でもその中に、二つの世界を繋ぐ声がある。
「アメリアの研究が、二つの世界を繋げました」
「研究者としての夢でした。世界を繋ぐ扉を作ることが」
「完成しました」
「まだ途中です。でも——扉の枠組みは、できました」
常時通信システムの試験運用が始まった。
アメリアの研究室で、小さな装置を試した。
「繋がっています。ファビアンと話してみてください」
ルーカスは装置に向かって話した。
「……聞こえますか」
「聞こえます」とファビアンの声が返ってきた。
前回よりも、音が鮮明だった。
「良くなりましたね、音質が」
「アメリアの改良のおかげです。遅延もほぼなくなりました」
「本当に、向こうと話せている」
「話せています。今夜も東京は深夜ですが、高橋さんがいます。代わりますか」
「代わってもらえますか」
少し音が動いた。
「ルーカスさん」
高橋の声だった。
穏やかで、静かな声。
「高橋さん。元気ですか」
「元気ですよ。清子も元気です。今夜は礼奈さんが来ています」
「礼奈さん、元気ですか」
「元気です」と礼奈の声が聞こえた。
「担当本、おめでとうございます」
「ありがとうございます。ルーカスさんに一番に報告したかったんですが、手紙で先に届いてしまいましたね」
「嬉しかったですよ、手紙で読んでも」
「次は直接報告します。向こうへ来た時に」
「楽しみにしています」
会話が終わった後、アメリアが言った。
「常時繋がれるようになりました」
「そうですね」
「これで、向こうへ行かなくても声が届きます」
「行く理由がなくなるわけではないですが——距離が縮まりました」
「そうです。少し前に進みました」
ルーカスは装置を見た。
小さな金属の箱。
でもその中に、二つの世界を繋ぐ声がある。
「アメリアの研究が、二つの世界を繋げました」
「研究者としての夢でした。世界を繋ぐ扉を作ることが」
「完成しました」
「まだ途中です。でも——扉の枠組みは、できました」
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