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第6巻
第4話 ユーリとアメリアの春
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四月。
アメリアが来た。今日は一人で。
「ユーリと、一緒にいることにしました」
「そうですか」
「正式に、そうなりました。研究が一段落したので」
「おめでとうございます」
「ありがとうございます。研究を優先してくれたことへの感謝も、ユーリに伝えました」
「どう言いましたか」
「……待ってくれてありがとう、と」
「ユーリは何と言いましたか」
「一言だけ言いました。『少しずつで良かった』と」
「それは——ユーリらしい言葉ですね」
アメリアは少し笑った。
「ルーカスさんが教えたんですよね、少しずつ、という言葉」
「ユーリが来た時に、話した記憶があります」
「その言葉が、ユーリの中に残って——私への気持ちの伝え方になって——最後にまた出てきた」
「言葉は、意外なところで出てきますね」
「そうです。だから言葉は大切に使わないといけない」
渓望を見た。
今夜のアメリアの渓望は——この夜を、この場所で確認したい。
「今夜、ここへ来たのは、記念のためですか」
「そうです。大切なことが決まった夜に、ここへ来たかった」
「来てくれて良かったです」
「最初にここへ来た夜、壁に詰まっていて、ぐったりしていた。あの夜から比べると——全然違います」
「どう違いますか」
「あの夜は、一人だった。今は——研究も進んで、ユーリがいて、ファビアンと繋がっていて、ルーカスさんがいて。一人だった壁の前から、こんなに来ました」
「来ましたね」
「来ました。信じられないくらい」
ルーカスはモクテルを一杯作った。
今夜のアメリアのために。
薬草と春の花の蜜と、この世界の柑橘系の果汁。甘くて、複雑で、春の夜に合う味。
「これは」
「今夜のためです」
アメリアは一口飲んで、目を細めた。
「……春の味がします」
「春だから」
「春に決まったことが、多かった。転移の承認も、ユーリとのことも」
「春が、アメリアさんの季節かもしれないですね」
「そうかもしれない」
「来年の春も、良いことがあるといいですね」
「あると思います。予感がします」
アメリアが来た。今日は一人で。
「ユーリと、一緒にいることにしました」
「そうですか」
「正式に、そうなりました。研究が一段落したので」
「おめでとうございます」
「ありがとうございます。研究を優先してくれたことへの感謝も、ユーリに伝えました」
「どう言いましたか」
「……待ってくれてありがとう、と」
「ユーリは何と言いましたか」
「一言だけ言いました。『少しずつで良かった』と」
「それは——ユーリらしい言葉ですね」
アメリアは少し笑った。
「ルーカスさんが教えたんですよね、少しずつ、という言葉」
「ユーリが来た時に、話した記憶があります」
「その言葉が、ユーリの中に残って——私への気持ちの伝え方になって——最後にまた出てきた」
「言葉は、意外なところで出てきますね」
「そうです。だから言葉は大切に使わないといけない」
渓望を見た。
今夜のアメリアの渓望は——この夜を、この場所で確認したい。
「今夜、ここへ来たのは、記念のためですか」
「そうです。大切なことが決まった夜に、ここへ来たかった」
「来てくれて良かったです」
「最初にここへ来た夜、壁に詰まっていて、ぐったりしていた。あの夜から比べると——全然違います」
「どう違いますか」
「あの夜は、一人だった。今は——研究も進んで、ユーリがいて、ファビアンと繋がっていて、ルーカスさんがいて。一人だった壁の前から、こんなに来ました」
「来ましたね」
「来ました。信じられないくらい」
ルーカスはモクテルを一杯作った。
今夜のアメリアのために。
薬草と春の花の蜜と、この世界の柑橘系の果汁。甘くて、複雑で、春の夜に合う味。
「これは」
「今夜のためです」
アメリアは一口飲んで、目を細めた。
「……春の味がします」
「春だから」
「春に決まったことが、多かった。転移の承認も、ユーリとのことも」
「春が、アメリアさんの季節かもしれないですね」
「そうかもしれない」
「来年の春も、良いことがあるといいですね」
「あると思います。予感がします」
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