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第6巻
第23話 晴樹の手紙
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秋。
東京から、晴樹が手紙を書いてきた。
通信装置で読み上げてもらった。
---
ルーカスさんへ。
久しぶりに手紙を書きます。
最近、図書館で新しいことを始めました。
夜の読書会です。月に一度、閉館後に図書館で本を読む会を開くことにしました。
来てくれる人は、まだ少ないですが——来てくれる人は来ます。
本を読んで、少し話す。それだけの会です。
ルーカスさんがLUNAでしていることと、少し似ているかもしれないと思いました。場所を開けて、来た人と少し話す。
始めてみて、毎回「今夜も、よかった」と思います。
その言葉、ルーカスさんからもらいました。
ありがとうございます。
晴樹
---
ルーカスは手紙を聞いて、しばらく動けなかった。
「今夜も、よかった」という言葉を、晴樹が使っている。
自分の言葉が、東京に残っている。
香月が言っていた通りだった。
染み込んだものは消えない。
「……良かった」
小さく言った。
カウンターを磨きながら、思った。
言葉も、場所のように深くなっていく。
誰かに届いた言葉が、その人の中で深くなって、また誰かに届く。
晴樹の読書会に来る人が、「今夜も、よかった」を覚えるかもしれない。
そうやって言葉は旅をする。
東京から、晴樹が手紙を書いてきた。
通信装置で読み上げてもらった。
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ルーカスさんへ。
久しぶりに手紙を書きます。
最近、図書館で新しいことを始めました。
夜の読書会です。月に一度、閉館後に図書館で本を読む会を開くことにしました。
来てくれる人は、まだ少ないですが——来てくれる人は来ます。
本を読んで、少し話す。それだけの会です。
ルーカスさんがLUNAでしていることと、少し似ているかもしれないと思いました。場所を開けて、来た人と少し話す。
始めてみて、毎回「今夜も、よかった」と思います。
その言葉、ルーカスさんからもらいました。
ありがとうございます。
晴樹
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ルーカスは手紙を聞いて、しばらく動けなかった。
「今夜も、よかった」という言葉を、晴樹が使っている。
自分の言葉が、東京に残っている。
香月が言っていた通りだった。
染み込んだものは消えない。
「……良かった」
小さく言った。
カウンターを磨きながら、思った。
言葉も、場所のように深くなっていく。
誰かに届いた言葉が、その人の中で深くなって、また誰かに届く。
晴樹の読書会に来る人が、「今夜も、よかった」を覚えるかもしれない。
そうやって言葉は旅をする。
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