女神の幼女体で異世界生活

さんらいず

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第3章 空白を求める

39

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「だから、何でダメなんですか!」
「…何度も言っているでしょう…ここの住人にとって神と同列の存在であるリア様を危ない目に合わせるわけには…」
「でも、何もしなければ人員不足で結局危ないでしょう!?」
「む…」

現在、私が防衛に参加できるように中だ。
そう、話し合いだから…

あの後、帝国軍、それに伴って魔物も撤退していった。
おそらく、魔物も帝国軍の兵士、または勇者が使役しているものだったのだろう…

そして、こちらは防衛隊、警備隊の半数を失った。
細かく言えば、警備隊の大半と防衛隊の少数。

警備隊隊長であるサジェさんも重傷を負い、戦えない状況。
それで、私が防衛戦力になると言ったら、長老さんが大反対したのだ…

何度も何度も説得して……

「仕方ありません…村の近くまで敵がきたときだけお願いします…」

なんとか認めてもらえた。
正直、私が防衛に参加したくらいで軍隊には勝てないのだろうけれど…

多分、次は帝国軍は兵数を増やしてくるだろう。
…村を守るために、大罪スキルを使う時が来るかもしれない。

でも、あれを使ったのは住んでいた村のときだけ。
イメージトレーニングはしたけれど…うまく使える自信はない。あとで、こっそり村の外で練習しようかな…

「リア様」
「なに?」
「次に帝国軍が攻めてくるときは、兵数を増やす、または勇者の数を増やしてくるでしょう」
「…そうだね」

長老さんも同じ考えだったらしい。
少し話し合って、防衛隊の残りの人数のほとんどを、村の周囲の警戒に当たらせることにした。


それにしても、なぜ私はこう言うことに首を突っ込みたがるのか…と自分で自分を不思議に思ったが、前世の性格を引きずっているのかもしれない、と言うことにしておこう……


それからしばらくは、帝国軍はエルフの村に何もしてこなかった。

だからといって、私たちができることもほとんどない。
サジェさんは全治1ヶ月。爆発が直撃したのだから、それで済んだだけマシな気がするが…

防衛隊は警備の合間に訓練…私は…


のんびり過ごしながら魔法の訓練。


いや、非難の目を向けないで。
仕方ない…魔法の訓練が日常に入っただけマシなのだから…異世界転生モノの主人公なら、地球の武器を開発したりするのだろうけれど…
もう、刀は存在している。クロスボウは構造がわからない。銃なんか実銃を見たことも、調べたこともないのだ。

そんな私が作れるわけもなく。

そして、魔法に関して私は完全に感覚で行使しているので、魔法講座みたいなのも開けず…

上級魔法やら大罪スキルやらの練習しかやることがなかった。


しばらくして。

前回の帝国軍の侵攻から2週間後。

たった1の帝国兵…もとい、が、エルフの村へと送り込まれた。


警備隊とその1人の勇者が対峙した時、私は物陰から様子を伺っていた。

見た目は日本人。それも、不良っぽい髪型、服装。

そして黒髪に似合わない、黒との、オッドアイだった。


あれは、私と同じ…?

いや、でも色が違うし……もともとかもしれない。
私のあの日赤くなった片目については、なんとなく察していた。

そして、彼。

容姿からしてもうやばい感じがひしひしと伝わってくるが…


「おい、エルフ供、水色のエルフのチビを探してるんだが、しらねぇか?」

…あれ、戦ったりしないの…
というか、目的は私だね…

「ふん、貴様ら人間に教えてやる義理などない!」

…敵対心満々な答え。

いや、勇者を煽っちゃいけないでしょう!?

多分…というか、絶対勝てないよ…1人でも大丈夫だと思われるぐらいに強いんだろうし…

「…チッ…人間嫌いの方かよ…少しショックだな…」

あれ? 見た目に反して結構繊細?

「仕方ねぇ…この村でな?」
「なっ!?」

ちょっと、潰すって何!?
住民のみんながいるのに!

気づいたら、勇者に向かって魔法を飛ばしていた。

「『風鎌』!」
「…? 『カウンター』」

私が飛ばした風でできた鎌(?)は、勇者の魔法で受け止められて…こっちに向かってきた!? ちょっ!

「『逆風』」

…と、なんとか中和…

風系の魔法は大抵渦状だから、中和は簡単…

って、やばい…

「お、いた。お前か…水色と…赤色か? どれだ?」

見つかった…というか、どれって…?

もしかしてこいつが…大罪スキル持ち、かぁ…なんか前言ってた勇者が言っていた…
じゃあやっぱり……

「まあ、どうでもいいや。捕まえればいいし。『地縛』」

勇者が何か魔法を…っ!

「ひゃっ!?」

急にとんでもなく体が重くなり、地面にうつ伏せ状態に…って、重力操作!? 何そのありがちな能力!
って…どうするの…逃げられないじゃん…

こんな時でも、私はお気楽…というか、楽観視していた。
破壊魔法があるからだろうか…って、破壊魔法でどうやって脱出するのさ!?

やばいかも…

……あ、そうだ。


「『転移』」
「……んなっ!」

ふぅ……
転移便利だね!
当の勇者は、わなわなと震えていた。

どうやら、怒っている…というわけではないらしい。

「……どうやった」
「へ?」
「俺の大罪魔法の範囲内では魔法は使えないはずだ! なのになぜ使える!?」

……そうだったの?
なんでだろうか……うん、まったくもって心当たりがありません。
別に大罪系の魔法使ってないし。

「そう言われても…わかりませんけど…」
「……まあいい、どうせただの魔法だから…!」


そのあとは、避けるだけだった。
魔法による重力操作は、私が転移によって脱出できるということによって、使用できる魔法の選択の幅を大きく縮められた。

それでも……


「『浮遊』!」
「『火矢』×5!」

彼が飛ばしてきた森の木を、多少の罪悪感を感じながら火の矢で消し飛ばす。

そこらへんのものを色々と私に向けて飛ばしてくるので、すごく面倒だ。

あぁ、面倒臭い……もう!

「『重力増幅』!」

彼は地面に吸い寄せられ、自身の大罪スキルで抗おうとして……失敗した。

「「…え?」」

戸惑いの声をあげたのは、2人同時だった。

なぜ私の魔法が大罪魔法に勝てるの…?

そう思ったのは彼も同じのようで、私のことを怯えたように見ていた。

「…なんなんだよ、お前は…!」
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