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愚か者には罰を2
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コンコン
ノックの音を聞いてメイドがドアを開けると、お兄様が立っていました。
「やあ、オルフェリア!とても綺麗だね!流石我が妹だね」
無視無視。集中しなさい。チャンスは一回きりなんだから。
「おや、ご機嫌斜めかい?大丈夫!もうすぐオルフェリアは王妃になるんだ!」
本当に何を言っているのかしら?怒りを通り越して呆れてきます。こんなのが私の家族だったなんて吐き気がします。
「さあ、行こうか」
お兄様は強引に私の手を引いて部屋の外へと連れ出しました。そして、大きな扉の前へ連れて行かれました。何度か見たことがあります。一番豪華で大きな広間の扉です。
ーガチャー
両サイドに立っていた兵により、扉は開かれました。
あぁ眩しい。眼が痛い。私の嫌いな人達。気分は最悪です。
私はお兄様に引っ張られながら祭壇の前まで歩きました。そこには神官と王太子が立っていました。
お兄様は王太子に私を預けると、元家族の方へと戻っていきました。
「あぁ、オルフェリア。すまなかった。私はあの女に騙されていたんだ!全てあの女が悪いんだ。でももうあの女は牢の中だ。もう一度私の手を取ってくれるだろう?」
「オルフェリア、ごめんなさいね。息子を許してやって?大体、この子が他の子に振り向かないくらい夢中にさせることができなかった貴方も悪いのよ?」
「すまなかったな、オルフェリア嬢。なに、若いが故じゃ、多少色事も知っておくべきじゃろ?」
馬鹿なのでしょうか?こいつらは、どいつもこいつも馬鹿ばっかり。王太子も、王様も、王妃も。おっと、失礼しましたわ、怒りのあまり…許してくださいませ?
この方達の話を聞いているだけでイライラしますのでさっさと始めて欲しいところです。
「では、式を始めよう!」
私が許したとでも思ったのでしょうか、この馬鹿…王太子は式を始めさせました。
まぁ、好都合です。
神官が祝言を唱え始めました。
女神様から結婚の許可と祝福をいただくのです。もちろん愛しの旦那様方ともやりましたわ。とってもカッコ良くて素敵でした!っと話が逸れましたね。
そっと隠し持っていた石を取り出し、握り締めます。うまく行くことを祈りながら。
祭壇のすぐそばに飾られていた女神像が淡い光を放ち始めました。この光の正体は精霊です。精霊が加護を女神様の代わりに授けてくださるのです。加護がもらう事はつまり結婚が許可されたことを意味しますから。
精霊が花嫁に触れれば完了。触れずに消えれば許可はされなかったということになります。
本格的に女神像が光り始めました。その光景を、王族をはじめとする家族などの参列者がうっとりと見ています。
あと少し…3、2、1
「今!」
私は持っていた石を女神像に投げつけました。すると、アレクセードの魔力を多量に蓄えた魔石を受け取った精霊たちが、アレクの魔力を求めて精霊魔法を使った大喧嘩を始めました。
周りはなにが起こったのかわからないようでまだ固まったままです。
お願い…気づいて…!!!
「僕のリアからその汚い手を話してくれる?」
後ろに引っ張られ、誰かに抱きしめられました。
あぁ、きずいてくれた…!
「大丈夫?リア」
振り向くと、そこには私の大好きな人。銀色とエメラルドの彼。
「アレク!!」
ノックの音を聞いてメイドがドアを開けると、お兄様が立っていました。
「やあ、オルフェリア!とても綺麗だね!流石我が妹だね」
無視無視。集中しなさい。チャンスは一回きりなんだから。
「おや、ご機嫌斜めかい?大丈夫!もうすぐオルフェリアは王妃になるんだ!」
本当に何を言っているのかしら?怒りを通り越して呆れてきます。こんなのが私の家族だったなんて吐き気がします。
「さあ、行こうか」
お兄様は強引に私の手を引いて部屋の外へと連れ出しました。そして、大きな扉の前へ連れて行かれました。何度か見たことがあります。一番豪華で大きな広間の扉です。
ーガチャー
両サイドに立っていた兵により、扉は開かれました。
あぁ眩しい。眼が痛い。私の嫌いな人達。気分は最悪です。
私はお兄様に引っ張られながら祭壇の前まで歩きました。そこには神官と王太子が立っていました。
お兄様は王太子に私を預けると、元家族の方へと戻っていきました。
「あぁ、オルフェリア。すまなかった。私はあの女に騙されていたんだ!全てあの女が悪いんだ。でももうあの女は牢の中だ。もう一度私の手を取ってくれるだろう?」
「オルフェリア、ごめんなさいね。息子を許してやって?大体、この子が他の子に振り向かないくらい夢中にさせることができなかった貴方も悪いのよ?」
「すまなかったな、オルフェリア嬢。なに、若いが故じゃ、多少色事も知っておくべきじゃろ?」
馬鹿なのでしょうか?こいつらは、どいつもこいつも馬鹿ばっかり。王太子も、王様も、王妃も。おっと、失礼しましたわ、怒りのあまり…許してくださいませ?
この方達の話を聞いているだけでイライラしますのでさっさと始めて欲しいところです。
「では、式を始めよう!」
私が許したとでも思ったのでしょうか、この馬鹿…王太子は式を始めさせました。
まぁ、好都合です。
神官が祝言を唱え始めました。
女神様から結婚の許可と祝福をいただくのです。もちろん愛しの旦那様方ともやりましたわ。とってもカッコ良くて素敵でした!っと話が逸れましたね。
そっと隠し持っていた石を取り出し、握り締めます。うまく行くことを祈りながら。
祭壇のすぐそばに飾られていた女神像が淡い光を放ち始めました。この光の正体は精霊です。精霊が加護を女神様の代わりに授けてくださるのです。加護がもらう事はつまり結婚が許可されたことを意味しますから。
精霊が花嫁に触れれば完了。触れずに消えれば許可はされなかったということになります。
本格的に女神像が光り始めました。その光景を、王族をはじめとする家族などの参列者がうっとりと見ています。
あと少し…3、2、1
「今!」
私は持っていた石を女神像に投げつけました。すると、アレクセードの魔力を多量に蓄えた魔石を受け取った精霊たちが、アレクの魔力を求めて精霊魔法を使った大喧嘩を始めました。
周りはなにが起こったのかわからないようでまだ固まったままです。
お願い…気づいて…!!!
「僕のリアからその汚い手を話してくれる?」
後ろに引っ張られ、誰かに抱きしめられました。
あぁ、きずいてくれた…!
「大丈夫?リア」
振り向くと、そこには私の大好きな人。銀色とエメラルドの彼。
「アレク!!」
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