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邪竜編
忍び寄る厄災
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苦しい…暗い…誰か…ダレカ…
タスケテ…
クルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイ
コワシテヤル
世界から明かりが消えた頃、あかつて栄えたある国の跡地で鈍く、怪しく光る黄色くよどんだ二つの玉が浮かんでいた。
しかし、それを見たものはいない。
見たものがいたとしても何にもならないだろう。
かつて存在した国の最後の歴史を書いた本が一冊だけあった。
かの国が滅びた理由がかかれた本。いや、日記というべきなのかもしれない。
大陸一の大国であったかの国滅びた理由…それは…
『それは突如現れた。
大国と呼ばれる我が国の空を悠々と飛ぶナニカ。
それは突如王宮に攻撃を仕掛けてきた。
誰も、どうにもすることはできない。
それは巨大なドラゴンだった。ギョロギョロとこちらを見つめる瞳は淀んだ黄色。体は所々ボロボロで腐敗臭のような強烈な臭いがした。
ここでは其れのことを邪竜と呼ぼう。
邪竜は破壊のかぎりを尽くした。
邪竜をどうにかする手はない。
そんな時、王家の書庫から邪竜を封印する術が見つかった。しかしあれだけのものを封印するのだ。代償がとてつもなく大きい。だが国民はその代償を受け入れた。そうするしか方法がないのならばそうするべきだと。国民の国を思う心を誇らしく思うと同時に、守ることのできない己の不甲斐なさに心が痛む。
だから、せめて邪竜のことをここに記そう。
あれの脅威と封印方法を。我が国の犠牲を無駄にしないためにも。封印場所として犠牲になった我が国の最後を愛しい国民全員の最後を見届けながら、警告しよう。絶対に邪竜の封印を解いてはならない。
あぁ、私の愛しい国が今滅んでゆく…だが、私たちの犠牲で世界が平和になるのならば、誇らしく、思う。
カシェラ王国王太子 フェリド・カシェラ』
タスケテ…
クルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイ
コワシテヤル
世界から明かりが消えた頃、あかつて栄えたある国の跡地で鈍く、怪しく光る黄色くよどんだ二つの玉が浮かんでいた。
しかし、それを見たものはいない。
見たものがいたとしても何にもならないだろう。
かつて存在した国の最後の歴史を書いた本が一冊だけあった。
かの国が滅びた理由がかかれた本。いや、日記というべきなのかもしれない。
大陸一の大国であったかの国滅びた理由…それは…
『それは突如現れた。
大国と呼ばれる我が国の空を悠々と飛ぶナニカ。
それは突如王宮に攻撃を仕掛けてきた。
誰も、どうにもすることはできない。
それは巨大なドラゴンだった。ギョロギョロとこちらを見つめる瞳は淀んだ黄色。体は所々ボロボロで腐敗臭のような強烈な臭いがした。
ここでは其れのことを邪竜と呼ぼう。
邪竜は破壊のかぎりを尽くした。
邪竜をどうにかする手はない。
そんな時、王家の書庫から邪竜を封印する術が見つかった。しかしあれだけのものを封印するのだ。代償がとてつもなく大きい。だが国民はその代償を受け入れた。そうするしか方法がないのならばそうするべきだと。国民の国を思う心を誇らしく思うと同時に、守ることのできない己の不甲斐なさに心が痛む。
だから、せめて邪竜のことをここに記そう。
あれの脅威と封印方法を。我が国の犠牲を無駄にしないためにも。封印場所として犠牲になった我が国の最後を愛しい国民全員の最後を見届けながら、警告しよう。絶対に邪竜の封印を解いてはならない。
あぁ、私の愛しい国が今滅んでゆく…だが、私たちの犠牲で世界が平和になるのならば、誇らしく、思う。
カシェラ王国王太子 フェリド・カシェラ』
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