NEW WORLD

伊右衛門

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プロローグ

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二度と戻ってこないと思っていた。
俺を捨てたこの街は3年前と何も変わっていない。
生まれたことを全否定されたような場所だった。「お前の居場所など無いのだ」と神に否定された気分に苛まれ、胸の辺りがチクチクと痛み出す。
その傷口から溢れ出るのは、寂しさでも懐かしさでもなく

憎悪ーーー

その言葉ひとつで片付けるには収まらないほどの恨みと憎しみだった。
この感情を解放する方法などひとつしかない。それを果たすためにまたこの地に帰ってきたのだ。
「アンタを絶対許さない…天条…楽ッ…!!」
握った拳が白くなるほどその手に込めた力は確かに強いもので、口から吐き出された言葉には様々な感情が入り交じっている。
俺は今、どんな声で、どんな顔で、どんな気持ちでアンタへの恨みを吐いているのだろうか。
酷く滑稽な顔をしていないことだけが頼みだが、それを確かめる術など生憎どこにも持ち合わせていない。
首に手を当て、存在理由であり居場所だったものの証に触れる。

あぁ、胸が苦しい。

この証がある限り、俺は忘れることが出来ないのだ。
これから先ずっとそれに縛られて生きていくことになる。
我ながら女々しい男だと嘲笑を漏らせば、それを肯定するかのようにカラスが鳴きながら頭上を通り過ぎて行った。
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