NEW WORLD

伊右衛門

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動かされる憎悪

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ただまぁ、不信感を抱いていても始まらないものは始まらないのでそんな気分も3か月この男と暮らしていたら自然となくなっていた。

「まぁ…俺が東京での知り合いを集めたらそうなっただけというか…ハハッ…」

それって海斗さん、暗に自分は友達がいないと言っているのと同じなのでは。と思ってしまうけどそんなこと言ってしまったら俺が揚げ足とられてしまうのは分かり切っているから押し黙ることにした。
まぁ、海斗さんの知り合いなんて俺にも分からない人は多いかもしれないが、頭に真っ先に思い浮かぶ人物たちといえば、俺が怒り狂ってしまうであろうことは分かり切っているだろう。

「それで?なんで左館なの?別に俺たちならこのチビに顔は割れてなかっただろうからよかったけど、左館は違うだろ」

と、鵜飼が口を挟む。
それは俺も気になった。元REVERSIのメンバーである二人なら俺も素性は分からない分簡単に折り合いをつけられるだろうが、この人は話が別だ。

左館 夏樹。
元Dirty Emperorの1人であり、俺のことを1番に可愛がってくれていたであろう人物だ。
その反動は予想以上にデカかったのだから、俺が嫌がってしまうのは目に見えていただろう。
だからこそこの瞬間まで俺には何も言わなかったのだと思う。

「俺は、この話を聞いたときに自分から入ることを決めたから…」

「は…?」

話の流れ。
自分がこのグループに入った理由を答えるのが自然な流れであるのは間違いないことだ。
それでも、俺の口から飛びてた言葉は止まることを知らなかった。

「あんた、俺がいることを知っててここに来たってことかよ」

「それは…」

「あんたは!!!自分たちが何をしたかも忘れて俺の前にノコノコ現れたってことかよ!!!!」

気が付いたら俺は目の前にいた男に掴みかかる。
左館の顔が歪んだ。それは、俺に責められたことへの後悔なのかは分からない。

「ふざけやがって!!!お前らのせいで俺はッ…、」

何も言い返してこない左館を睨みつけても、溢れてきたのは虚しい気持ちだけだった。
唇を噛み胸元を掴んでいた手を離す。

俺は、なんだ。
傷付いた??俺がこいつらに裏切られたことで、傷付いたとでも言うのか。

「くそッ…!」

何故こんなに気持ちが揺らぐ。
俺はもう忘れたはずだ。こんな感情も、あの日々のことも。
こんなにもどうしようもない感情なんて忘れてしまえたほうが楽だ。

「芙雪?」

拳を握りしめて俯く俺に左館は心配そうに俺の名前を呼んだ。
そんな声で呼ばないでくれ。あんたのその優しい声が、一瞬でも俺の決意を壊そうとしてくる。
もう、誰も信じないと決めたのだ。
信じた人達に裏切られるくらいなら、初めからもう信じることをやめるしかない。
そう俺に教えてくれたのもあんた達なのに。

「…ぶな」

「え??」

「呼ぶな…その声で俺を…」

あぁ、俺は今どんな顔をしているのだろう。
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