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勇者不在のレコンキスタ編
第33話 嵐の前の静けさ
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メンバーは、総勢20人。まずは、前衛班、遊撃班、回復班、支援班の4つに分けた。アオヤ君は遊撃班、俺は支援班の所属だ。
「……キータさん」
ダンジョンの入口付近で作戦を考えていると、グレフさんの前を歩いてモモコちゃんが俺のところへやって来た。ホーリーロッドを抱いて、俯いている。
「シロウさんが居なくなってからの記憶が、無いんです。私、とんでもない事を……」
「大丈夫?体の調子、悪くない?」
話を遮ったのは、彼女がいなければこんなに早く制圧することが出来なかったからだ。
「……はい。少し、体がふわふわしますけど」
「なら、よかったよ。今回は、お父さんや戦えない人たちと一緒に待機しておいてね」
「やっぱり、もう戦っちゃダメですか?」
自分を抑えられなかった事を悔やんでいるのか、彼女は俺と目を合わせなかった。もし、ここで戦いに参加する事を拒んだら、彼女は一生責任を感じて生きていくことになるのだろうか。
「動けるの?」
「大丈夫です」
シロウさんなら、休んでろと言うのだろうか。もしかしたら、クビを言い渡しているかもしれない。
でも、俺の答えは違った。
「なら、行こうか。大丈夫だよ、もしあの黒い炎が出たら、俺とアオヤ君が止めるから」
「……ありがとうございます」
という訳で、彼女には遊撃班に加わってもらう事になった。グレフさんは、何も言わなかった。ようやく再会することが出来た自分の娘を死地へ送る事の辛さは、どれだけのモノなのだろうか。
「それじゃあ、みなさん。侵入しましょう」
遊撃班には、昨日買っておいた俺たちのセカンダリのダガーナイフを渡して火力を底上げし、他のメンバーたちには掘削用のシャベルを装備してもらった。
「道中で働く男たちを仲間にしながら、奥に進みます。怪我をしていたり、戦う体力のない人には支援班の方たちが力を貸して、脱出を手伝ってあげてください」
「わかりました」
答えたのは、支援班のリーダーのナバスさんだ。彼は、メルベンの調査に向かってここに囚われたベテランの冒険者で、使えるスキルも豊富なのが特徴だ。
「進軍は、アオヤ君を筆頭に行います。もしもカチョークラスの敵が現れたら、すぐに彼にスイッチしてください。その時は、各々が使えるバフのスキルを全て彼に」
ブレイブ系等の強化スキルは、レベル5のヘヴまでの効果を、同一の冒険者に重複させることが出来る。しかし、普通であればあまりにも効率が悪い為、それを実践しているパーティは少ないのだ。
「では、状況開始です」
言って、俺はパーティの中心に位置取って進んでいく。しかし、不意打ちの攻略とはいえ、勢いに任せて突撃していくワケではなかった。
ただ、自然に。現れたシャインたちを、叫ばせもせずに処理しながらゆっくりと進んでいったのだ。
入口方面からやってくる団体に戸惑ったシャインたちは、まず武器を構えてこちらへ向かってくる。それを、俺やアオヤ君で阻止した後に、全員で囲んでスコップで叩きのめす。戦いは数だと、いつだったか本に書いてあったのを覚えている。なるほど、確かに下手な小細工を弄するよりも、よほど効果的だ。
それを繰り返して、ただ冷静に、奥へ、奥へ。レジスタンスの怒りは、ドロドロに溶けたマグマのように静かだった。
しかし、シャインたちもバカではない。ダンジョンの中腹に至った頃には状況を理解し始めたのか、人間たちを放置して姿を消していた。残された彼らに話を聞くと、どうやら何かを叫んだ後に撤退していったとの事だ。
「恐らく、この先で待ち構えている筈です」
ブチョーが居るだけあって、最深部のボス部屋に辿り着くまでにいくつか中ボスの部屋が用意されているようだ。もしも俺なら、そこに閉じ込めて何らかの策を講じる。
「ラスさん。この近くに水場はありますか?」
ラスさんは、遊撃班のリーダー。嘗て滅ぼされたフォイトという街の憲兵だった彼は、レベル5の強力なスキル、ヘヴスパークを扱うのとが出来る。
「ないな、水路などのインフラもまだ引いていない」
「罠の設置は?」
「それもまだだ。ここまで来てわかったと思うが、何せ、デビルブチョー用の超巨大なダンジョンだからな。工事もかなり慎重だったんだ。どうやら、ここが周囲の街を滅ぼす為の起点になるって話だぜ」
ということは、今回はシャインたちの技によって防衛を行う可能性が高い。北の森の例もあるし、特殊な力を持っている悪魔がいても、何も不思議ではない。
「ならば、ここからは電撃戦です。フォーメーションを鋒矢の陣形に変えて、遊撃班を先頭に戦いましょう。」
鋒矢は、矢印の形のように組む一点突破に優れた陣形だ。反面、横からの攻撃に酷く脆いが、屋内戦である今はそこまでの欠点にはならない筈だ。
「恐らく、シャインたちは通常の攻撃の効かない悪魔幹部を先頭に据えた、人海戦術を取るはずです。そこを、俺たち宝具持ちが奴らの技を防いで道を切り開きますので、ダメージの通るシャインをみなさんに片付けて頂きたいです」
「なるほど。連中はまだ、キータさんたちが居るって知らないワケだから、こっちも大将を最前に置いて意表を突くってことか」
大将かどうかはさておき。
「その通りです。それでは、みなさんのダメージの回復が済んだら、一斉にカチコミを決めてやりましょう」
相手の手が分からないのなら、繰り出される前にそれを潰す。先手必勝、シロウさんがいつも教えてくれている事だ。
「それでは、みなさんに伝えてきます」
言って、俺はアオヤ君とモモコちゃんを呼んでから、隊の先頭に立った。
―――――――――――――――――――――――――――――
TIPS
スキルの効果について:決められた数値はないものの、スキルは所謂レベル5を超えた効果を重複することは無い。つまり、どれだけ回復を重ねたからと言って、本人の体力以上に回復することは無く、どれだけバフを重ねたからと言って、そのスキルによって与えられるモノよりも強い力を手に入れる事はできない。
それがなぜかと言えば、そんな事が可能であれば、そもそもスキルに多様性など生まれていないからだ。つまり、使い手や対象に問題があるのではなく、スキル自体に限界があるという事だ。
そして、別々のスキルを同一の対象に掛けた場合、2つ以上のスキルを重ねると一番効果の薄いスキルから打ち消されてしまう。それがスキルの理であり、真実なのだ。
一説によると、古代にスキルの根幹をなす術を生み出した者が施した保険だと言われているが、その真相は解明されていない。
尚、勇者パーティにバフだけをするお引きや付き人を付ければいいと思うかもしれないが、世界を救う仕事は、引くほどに薄給で労働時間の長いブラックな職場である為、それを名乗り出る者はいない。
「……キータさん」
ダンジョンの入口付近で作戦を考えていると、グレフさんの前を歩いてモモコちゃんが俺のところへやって来た。ホーリーロッドを抱いて、俯いている。
「シロウさんが居なくなってからの記憶が、無いんです。私、とんでもない事を……」
「大丈夫?体の調子、悪くない?」
話を遮ったのは、彼女がいなければこんなに早く制圧することが出来なかったからだ。
「……はい。少し、体がふわふわしますけど」
「なら、よかったよ。今回は、お父さんや戦えない人たちと一緒に待機しておいてね」
「やっぱり、もう戦っちゃダメですか?」
自分を抑えられなかった事を悔やんでいるのか、彼女は俺と目を合わせなかった。もし、ここで戦いに参加する事を拒んだら、彼女は一生責任を感じて生きていくことになるのだろうか。
「動けるの?」
「大丈夫です」
シロウさんなら、休んでろと言うのだろうか。もしかしたら、クビを言い渡しているかもしれない。
でも、俺の答えは違った。
「なら、行こうか。大丈夫だよ、もしあの黒い炎が出たら、俺とアオヤ君が止めるから」
「……ありがとうございます」
という訳で、彼女には遊撃班に加わってもらう事になった。グレフさんは、何も言わなかった。ようやく再会することが出来た自分の娘を死地へ送る事の辛さは、どれだけのモノなのだろうか。
「それじゃあ、みなさん。侵入しましょう」
遊撃班には、昨日買っておいた俺たちのセカンダリのダガーナイフを渡して火力を底上げし、他のメンバーたちには掘削用のシャベルを装備してもらった。
「道中で働く男たちを仲間にしながら、奥に進みます。怪我をしていたり、戦う体力のない人には支援班の方たちが力を貸して、脱出を手伝ってあげてください」
「わかりました」
答えたのは、支援班のリーダーのナバスさんだ。彼は、メルベンの調査に向かってここに囚われたベテランの冒険者で、使えるスキルも豊富なのが特徴だ。
「進軍は、アオヤ君を筆頭に行います。もしもカチョークラスの敵が現れたら、すぐに彼にスイッチしてください。その時は、各々が使えるバフのスキルを全て彼に」
ブレイブ系等の強化スキルは、レベル5のヘヴまでの効果を、同一の冒険者に重複させることが出来る。しかし、普通であればあまりにも効率が悪い為、それを実践しているパーティは少ないのだ。
「では、状況開始です」
言って、俺はパーティの中心に位置取って進んでいく。しかし、不意打ちの攻略とはいえ、勢いに任せて突撃していくワケではなかった。
ただ、自然に。現れたシャインたちを、叫ばせもせずに処理しながらゆっくりと進んでいったのだ。
入口方面からやってくる団体に戸惑ったシャインたちは、まず武器を構えてこちらへ向かってくる。それを、俺やアオヤ君で阻止した後に、全員で囲んでスコップで叩きのめす。戦いは数だと、いつだったか本に書いてあったのを覚えている。なるほど、確かに下手な小細工を弄するよりも、よほど効果的だ。
それを繰り返して、ただ冷静に、奥へ、奥へ。レジスタンスの怒りは、ドロドロに溶けたマグマのように静かだった。
しかし、シャインたちもバカではない。ダンジョンの中腹に至った頃には状況を理解し始めたのか、人間たちを放置して姿を消していた。残された彼らに話を聞くと、どうやら何かを叫んだ後に撤退していったとの事だ。
「恐らく、この先で待ち構えている筈です」
ブチョーが居るだけあって、最深部のボス部屋に辿り着くまでにいくつか中ボスの部屋が用意されているようだ。もしも俺なら、そこに閉じ込めて何らかの策を講じる。
「ラスさん。この近くに水場はありますか?」
ラスさんは、遊撃班のリーダー。嘗て滅ぼされたフォイトという街の憲兵だった彼は、レベル5の強力なスキル、ヘヴスパークを扱うのとが出来る。
「ないな、水路などのインフラもまだ引いていない」
「罠の設置は?」
「それもまだだ。ここまで来てわかったと思うが、何せ、デビルブチョー用の超巨大なダンジョンだからな。工事もかなり慎重だったんだ。どうやら、ここが周囲の街を滅ぼす為の起点になるって話だぜ」
ということは、今回はシャインたちの技によって防衛を行う可能性が高い。北の森の例もあるし、特殊な力を持っている悪魔がいても、何も不思議ではない。
「ならば、ここからは電撃戦です。フォーメーションを鋒矢の陣形に変えて、遊撃班を先頭に戦いましょう。」
鋒矢は、矢印の形のように組む一点突破に優れた陣形だ。反面、横からの攻撃に酷く脆いが、屋内戦である今はそこまでの欠点にはならない筈だ。
「恐らく、シャインたちは通常の攻撃の効かない悪魔幹部を先頭に据えた、人海戦術を取るはずです。そこを、俺たち宝具持ちが奴らの技を防いで道を切り開きますので、ダメージの通るシャインをみなさんに片付けて頂きたいです」
「なるほど。連中はまだ、キータさんたちが居るって知らないワケだから、こっちも大将を最前に置いて意表を突くってことか」
大将かどうかはさておき。
「その通りです。それでは、みなさんのダメージの回復が済んだら、一斉にカチコミを決めてやりましょう」
相手の手が分からないのなら、繰り出される前にそれを潰す。先手必勝、シロウさんがいつも教えてくれている事だ。
「それでは、みなさんに伝えてきます」
言って、俺はアオヤ君とモモコちゃんを呼んでから、隊の先頭に立った。
―――――――――――――――――――――――――――――
TIPS
スキルの効果について:決められた数値はないものの、スキルは所謂レベル5を超えた効果を重複することは無い。つまり、どれだけ回復を重ねたからと言って、本人の体力以上に回復することは無く、どれだけバフを重ねたからと言って、そのスキルによって与えられるモノよりも強い力を手に入れる事はできない。
それがなぜかと言えば、そんな事が可能であれば、そもそもスキルに多様性など生まれていないからだ。つまり、使い手や対象に問題があるのではなく、スキル自体に限界があるという事だ。
そして、別々のスキルを同一の対象に掛けた場合、2つ以上のスキルを重ねると一番効果の薄いスキルから打ち消されてしまう。それがスキルの理であり、真実なのだ。
一説によると、古代にスキルの根幹をなす術を生み出した者が施した保険だと言われているが、その真相は解明されていない。
尚、勇者パーティにバフだけをするお引きや付き人を付ければいいと思うかもしれないが、世界を救う仕事は、引くほどに薄給で労働時間の長いブラックな職場である為、それを名乗り出る者はいない。
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